ここから本文です。
更新日:平成22年10月12日
日本でいや世界で唯一科学的に予知できる可能性のある地震があることを県民の皆さんは御存知だろうか。そう他ならぬ我々が立ち向かわなければならない東海地震である。
では、何故東海地震だけが地震予知できる可能性があるのだろうか。それは、東海地震が100年から150年という比較的短い間隔で歴史的に繰り返されてきたこと、発生の原因がかなり解明されていること、発生場所が陸域の地下を広く含むため観測体制が整えやすいことなどの条件が重なっているためとされている。
気象庁では、東海地震の前兆現象を捉えるため、東海地域とその周辺に地震計、地殻岩石歪計などの観測機器を設置している。この他、静岡県、国土地理院、防災科学技術研究所、東京大学などの機関が設置したものもあり、こうしたデータが気象庁に集められ24時間常時監視されている。
そして、東海地域の観測網により、前兆現象を捉えることが出来た場合にのみ、気象庁は東海地震に関連する情報を発表して皆さんにお知らせすることになる。
前兆現象とは、震源域(東海地震の場合、フィリピン海プレートとユーラシアプレートとのプレート境界の強く固着している領域)の一部が地震発生前に剥がれ、ゆっくりと滑り動き始める現象(これを”前兆すべり”という)である。気象庁の方々には、東海地域に設置した歪計でこの前兆すべりを捉えようと昼夜を分かたず努力していただいている。
この前兆現象をどのくらいの確率で捉えることが出来るのかは、現時点では残念ながら不明である。
さて、地震予知を前提とした東海地震に関連する情報はどう発表され、その時県民はどう行動すればよいのだろうか。この情報は気象庁から発表され、危険性が低いほうから高いほうへ、「東海地震観測情報」、「東海地震注意情報」、「東海地震予知情報」の三種類がある。
「東海地震観測情報」
観測された現象が東海地震の前兆現象であると直ちに判断できない場合や、前兆現象とは関係ないことがわかった場合(昨年の8月11日の駿河湾で発生した地震の際に発表された情報がこれに当たる。)に発表される。
県民は平常どおり生活してよいことになっている。
「東海地震注意情報」
観測された現象が前兆現象である可能性が高まった場合に発表される。
この場合、ほぼ同時に国から防災に関する呼びかけが行われる。これに合わせ防災関係機関の中には、準備行動を開始するところもある。学校や企業では、児童や職員を帰宅させるところもでてくるが、県民の方は国からの呼びかけや、あらかじめ県や市町村が定める防災計画に従って津波や山崩れの恐れのある地域に住む災害時要援護者の方に限って早めに非難を行うなど、準備のための行動を起こすことになる。
「東海地震予知情報」
東海地震発生の恐れがあると判断された場合に発表される。ほぼ同時に内閣総理大臣から警戒宣言が発表され、本格的な防災体制が敷かれることとなる。県民の方は東海地震の発生に十分警戒し、先の防災計画に従って行動することになる。
この三種類に区分して情報を発表する仕組みは、平成16年1月から始まったが、昨年8月11日の駿河湾を震源とする地震の時に、初めて「東海地震観測情報」として、「この地震は東海地震の前兆現象ではない」との情報が発表されたが、多くの県民の方に、この情報の意味が良く理解されなかったとの苦い経験がある。
「注意情報」と「予知情報」については、これまで発表されたことはない。
それでは、幸いにも予知できた場合に問題はないのだろうか。この点について地震予知一考(2)で述べていく。
平成22年 2月5日静岡県危機管理監
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください