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更新日:平成21年12月17日
(1)平成20年11月、県内在住のAは、たまたま玄関を開けたところ、道路を挟んで向かい側5メートルくらいの距離にいた年配の同社従業員Pと目が合い、同社従業員Pから「長野のみそ屋で大豆は地元の物を使っています。」「少し配達に回ってきますので、後で見本を持ってお伺いますので寄らせてください。」と声をかけられた。
Aは、同社従業員Pが自分の名前や会社名を言わなかったので、何という名前の業者なのかわからなかった。
約20分後、同社従業員Pと若い同社従業員Qの2人がそれぞれ大きなみそ樽を抱えてA宅を訪問し、「味見してみてください。」と言って玄関の中に入ってきた。同社従業員Qは、名札のようなものを首からぶら下げていたが、Aは名札になんと書いてあるかわからなかった。
その後は、若い同社従業員Qが一人で話し、Pはほとんど話さなかった
同社従業員Qは、Qが持ってきた白っぽいみそについて「1、2年物。」、Pが持ってきた濃い色のみそについて「こっちより長い3年物。」と説明し、Aに爪楊枝を使って味見をさせた。Aは、色の濃いみその方がおいしいと思った。
Aが「蔵出しみそはありますか。」と尋ねたところ、同社従業員Qは、「蔵出しではないけれど、だったら3年物のこっちのほうがいい。」と濃い色のみそを勧めた。
Aは、最近みそを買ったばかりであり、一人暮らしで大量のみそはいらなかったため、「少人数だからそんなに大きな樽はいらないから、一番小さいのだったらいい。」と一番小さいみそを頼んだところ、同社従業員Qは「小樽(こだる)の3年物がある。」と言って、近くに駐車してあった車から高さや幅が40センチメートルくらいあるみそ樽を持ってきた。Aは、1キログラムか2キログラムくらいの量のみそを持ってくると思っていたのでびっくりしてしまった。
Aが値段を聞いたところ、同社従業員Qから「2万4,780円です。」と言われ、Aは、<わー高いな>と感じ文句を言おうと思ったが、一人暮らしであったため断り切れずに<まあいいわ。しょうがない。>とあきらめてしまった。
Aが買うとも買わないとも言わずに黙っていたところ、同社従業員Qから「支払を。」と代金を請求された。Aは、自分の部屋に代金を取りに行ってきて現金で支払った。そのとき同社従業員からクーリング・オフの説明はなかった。
同社従業員Qは、Aに名前、電話番号、住所を聞き、Aが答えたとおりに領収書に書き入れていった。Qは、書き終えた領収書をAに渡しながら「工場は長野だけれど、事務所は千葉に移しましたので、次から注文いただくときはこっちへ。」と言った。Aは、<長野で造っているのなら長野においておけばいいのに、何で事務所だけを千葉に移したのかなと疑問に思った。Aは、同社従業員Qから渡された領収書を見て、初めて、購入したみその量が8キログラムであること、同社の名称が「株式会社蔵長」であることを知った。
同社従業員PとQは20分ほどで帰っていった。
後日、Aは、消費生活センターに相談して、クーリング・オフの手続を行った。
(2) 平成21年2月、同社従業員Rは、県内在住のB宅を訪問し、「今、そちらの○○地区の方で定期的に購入されている方がいてお届けに来てるんですよ。」「今日はちょっと余分に物を持ってきたもんだから、どうかなーと思ってちょっと寄らしてもらったんです。」「今、他のところでおみそを見せてます。」「長野の須坂が蔵元になっているおみそです。」「ちょっと味をみていただけますか。」などと言ってきた。
Bは、その話の内容から<長野の須坂からおみそを売りにきた。>と思った。Bは、<長野のおみそならきっとおいしいだろう>と想像し、<おみそは毎日使っているものなので買ってもいいかな。>と思い、「じゃあ見せてもらえますか。」と言ったところ、同社従業員Rから「15分位したらまた来ます。」と言われた。Bは、同社従業員Rが会社名を言わなかったので、何という業者が売りにきたのかわからなかった。
約10分後、同社従業員Rは、同社従業員Sとともに試食用のみそ樽を持ってB宅を訪問してきた。
同社従業員Sは、Bに「すくってください。」と爪楊枝で二つのみそを試食させた。Sは、赤っぽいみその方を「3年寝かしのみそ」と白っぽいみその方を「麹みそ」と説明した。また、Sは、「うちでは無添加なので、添加物はありません。」と説明した。
Bが試食すると、同社従業員Sは、「どちらがいいですか。」と買うのが当たり前のように聞いてきた。Bは、みそを買うとも言っていないのに、同社従業員Sがどちらのみそにするか聞いてきたのでびっくりしたが、「赤い寝かした方がいいよね。」と言ったところ、Sは外に駐車してあった車から試食用と同じような大きさのみそ樽を持ってきた。
同社従業員Sは、Bに「開けますか。」と聞いた。Bは、「試食と同じでしょ。」と言って断った。Bは、同社従業員Sが持ってきたような大きなみそ樽はいらなかったので「もっと小さいのないですか。」「小分けの物ないですか。」と聞いたところ、Sは「売っているものは、このサイズの物になります。」と説明した。Bの印象では、「もっと小さい樽のみそもあるが、このときたまたま在庫を切らしていたため、持っていたのはこの大きさのみそ樽だけだった。」というのではなく「売っているみそ樽はこれしかない。」という言い方であった。
同社従業員Sは、みそ樽を持ってくるとすぐに領収書を出し、領収書を書くときになって初めて「8キロなので、2万4,780円になります。」と言った。
Bは、<8キロを家族3人で食べるのに、夏もとおって無添加だし大丈夫かな。>と心配になり同社従業員Sに聞いたところ、Sは、「おみそは寝かせておけるし、1年7か月もちますので。」と言った。
同社従業員Sは、Bに「名前は、電話番号は、住所は」などと聞き、Bが考える間もなく領収書を書いていった。Bは断るだけの時間的余裕がなく、<おみそは毎日食べるし、余分なものを買ったと思えば>とあきらめてしまった。Bは、同社従業員Sから渡された領収書を見て、初めて同社の名前を知った。
同社従業員RとSは10分ほどで帰っていった
Bは、みその製造場所が知りたくて、みそ樽を持ち上げたりして隅々まで見たが、製造元や賞味期限を表示した一括表示ラベルがどこにも見当たらなかった。また、Bは、インターネットで調べたところ、同社が販売する商品には4キログラムのみそ樽もあると書かれていたので不審に思い、購入翌日に「契約解除通知書」を同社あて配達記録郵便で送付した。
その後、10日ほど経過したが、同社から何の連絡もないので心配になったBは、消費生活センターに相談した。相談員が同社に電話したところ同社従業員が電話に出て、「来週の火曜日(電話の1週間後)には出すつもりでいた。」と説明した。
(3) 平成20年の4月か5月ころ、県内在住のCは、同社従業員の訪問を受け、みそ4キログラムを購入した。たまたま訪問してきたCの長女Dが未開封のみそ樽を発見し、同社に電話でクーリング・オフを申し出た。同社従業員がまだ近くにいたため、みそ樽を引き取りに来て代金を返金した。
平成20年12月、Cは、再び同社従業員の訪問を受け、みそ4キログラムを購入した。
Dは、この購入については、平成21年6月に購入したみその解約の際、他に購入したみそはないかとC宅内を探したときにみそ樽を発見して気づいた。
平成21年6月、Cは、再度同社従業員の訪問を受け、みそ4キログラムを購入した。
購入2日後、Cは、購入したみそ樽と領収書を持ってD宅を訪れ、「お金を振り込んでいるのに振り込んでくれと電話があった。」とDに言った。Dがそのみそ樽を見たところ、既に開封されていて半分以上無くなっていたので、Dは<母が近所に配っている。>と思った。残ったみその重さを量ったところ、1.3キログラム程度しか残っていなかった。Dが同社発行の領収書を見たところ、摘要欄に振込予定日が書かれていたことからDは、<振込日になっていたのに母が振り込まなかったため業者から電話があった。>のだと思った。
Dは、Cが既にみそ樽を開けて使っていたので<もうクーリング・オフできない。>と思ったが、それでもと思い、同社に電話をかけ、電話に出た同社従業員Tに「解約したい。」と告げたところ、Tから「担当者に電話させるから、担当者に言ってくれ。」と言われた。Dは、Cがみそを使用していたので、「中身がちょっとないので解約できないでしょ。」と念を押して聞いたが、Tはできるともできないとも言わなかった。
また、Dが「どうしてこんな値段がするのか。」と尋ねると、Tは、「国産大豆でちゃんとした物を造っているから、これだけの金額になる。」と言った。
その後、同社従業員Uから電話があり、Dが「解約したい」旨伝えたところ、Uから「みそは置いてあるんだからお金を払ってくれ。」「お金はいつ払ってくれるんですか。」としきりに支払をせかされた。Dは、「ちょっと待ってください。市役所の方に相談しますので、納得したらお金は支払います。」と言って代金の支払いを断った。
Dは、同社従業員Uにも「中身がちょっとないので解約できないでしょ。」と尋ねたが、UもTと同様にクーリング・オフができるともできないとも言わなかった。
5日後、同社従業員UからDに「お金どうなってますか。」「いつ払ってもらえるんですか。」と催促の電話があった。Dが「もうちょっと待ってください。今、市の方に相談していますので。」と言うと、同社従業員Uは、「じゃあお宅がお金を振り込まなきゃあ、僕が払わなけりゃいけないんですか。」と<自腹を切れと言うのか>と聞くので、Dは、「それは違うでしょ。」と言った。
その2日後、Dは同社あてに電話をかけた。同社の女性従業員が出て、「担当者がいないので、担当者が来たらそちらに電話をします。」と言われた。その日の午後、同社男性従業員から電話があり、Dが「今日の時点ではクーリング・オフ期間は過ぎていますが、その前に担当者の方に何回も解約したいということを伝えているので、クーリング・オフできると思います。」と話したところ、「それじゃあ着払いで送り返してくれ。」と言われ電話をガチャンと切られた。
Dは、契約解除通知書とみそ樽を同社あてに送った。
(4) 平成21年1月、県内在住のEがチャイムが鳴ったので玄関に出たところ、同社従業員Vは、大きなみそ樽を抱えたまま玄関のドアから入ってきて、「みそ屋です。」と言った。Eは、Vがみそを売りに来たことはわかったが、同社の名称及び同社従業員氏名はわからなかった。
Eは、同社従業員Vからみその試食を勧められた後、「おみそは日が経つにつれて、熟成しておいしくなる。」と説明を受け、<おみそは麹でできているから、長くおけば熟成しておいしくなるのかな。>、<おみそは毎日使うものだし、おいしくなるなら。>と考え、みそを購入してもよいと思った。
Eが同社従業員Vの持っていたみそ樽が大きいため、「そんな大きいのはいいです。」と断ったところ、同社従業員Vは、「小さいのがありますから。」と言っていったん退出し、別の8キログラム入りのみそ樽を持ってきた。Eは、そのみそ樽が最初に試食をしたみそ樽と比べて小さく、また、同社従業員からみその量について説明を受けなかったので、そのときは、みその量が多いとは感じなかった。
同社従業員Vは、Eが代金を支払うと領収書を出し、Eに氏名、電話番号、住所を尋ねた上で、領収書に書き入れていった。その際、クーリング・オフに関する説明はなかった。
同社従業員が帰った後、Eは、買ったみそ樽を見て、<量が多すぎる。一人暮らしでは食べきれない。>と思い、その日のうちに同社に電話をかけ、「おみそを返したいから来た人に連絡を取ってください。」と言ったところ、「もう東名に乗ってこっちに向かっているから取りには行けない。」と言われた。
2日後、Eは、契約解除通知書を同社あてに速達で郵送した。その翌日に同社に電話したところ、同社男性従業員から「代金は返金します。」と返事があった。
しかし、その後も返金されないため、その5日後、再度同社に電話したところ、「今日は担当が帰っていないから私は分からない。月曜日にいるからその日に電話してくれ。」と言われた。
心配になったEは、その2日後、消費生活センターに相談した。センターの相談員が同社に電話をかけ交渉した結果、交渉日の2日後に現金書留で返金された。同封されていた書面にみそを宅配便で送り返すよう書かれていたが、その費用負担については記載がなかった。
(5) 平成21年8月、同社従業員Wは、県内在住のF宅を訪問し、玄関のドア越しにFの妻に対して「信州のみそ屋なんですけど、○○町の方にみそを届けに来たので、ついでにこの辺を回らしてもらってるんですよ。10分位したらまた来ます。」と言った。
Fは、高級住宅街である○○町に届けにきたと聞き、<お金持ちの人が買うくらいだから美味しい物なんだろうな。取り寄せしたんだ。>と思った。
約10分後、同社従業員Wが再びF宅を訪問し、「お客さんが○○町にいるからみそを配達に来た帰りに、ちょっとうちの良さをわかっていただこうと思って寄らしてもらった。」と言った。
Fは、同社従業員が作業着に紺色の前掛けをしているのを見て、また、「みそは信州の蔵で造っている。」「信州の須坂のみそを売りに来た。」と言うのを聞いて、<この業者が自分で信州の須坂で造ったみそを売りに来ている。>と思った。
同社従業員から社名や従業員氏名などの説明はなかった。
その後、別の同社従業員Xが顔をのぞかせ、しばらくすると、直径50センチメートル位の大きなみそ樽2個を両手に抱えるように持ってきてF宅の土間に置いた。
同社従業員Wは、みその保管場所について、「玄関に置いてください。」と説明し、みその品質については、「危ないものは使っていないよ。輸入品は使っていないしね。」「みその味を引き出すために昔ながらの造り方で造っている。」「天然醸造です。」などと説明した。
家族でみそを試食した後、Fが売っているみその量について尋ねたところ、同社従業員Wから「樽売りで一番小さいのが4キロです。」と説明を受けたが、金額についての説明はなかった。
Fは所用があり、15分ほど外出して帰宅すると既に同社従業員2人は退去しており、玄関にみそ樽が置いてあった。Fの妻が、そのときちょうどみそが切れていたこと、実家に分けてあげればよいと思ったことから、みそを購入していた。
Fは、領収書を見てあまりに高額なみそだったためクーリング・オフしようと思い、その日の夕方同社に電話をかけて引き取りに来るよう伝えたところ、同社従業員から「領収書の裏に方法が書いてあるから、書面がないとできないから。」と言われた。
翌日、Fは、「契約解除通知書」を内容証明・配達証明郵便で同社あてに郵送し、後日、現金書留を受領した。
(6) 平成21年8月、県内在住のGは、午後9時ごろ同社従業員Yの訪問を受けた。Gの夫が玄関に出たところ、Yは、「今みそを販売しに来ているんですけど、近くにみその配達があったんでついでに寄らしてもらいました。信州の須坂の良いみそを持っていますので、もしよろしかったらお話だけでも聞いていただけませんか。」と言って、同社の名称や自分の名前を告げずにみその勧誘を始めた。
Gの夫は、<遅い時間に来たな。>と思ったが、同社従業員Yが人がよさそうな感じだったので、話を聞いてみてもいいかなと思った。
同社従業員Yからみその試食を勧められたため、Gの夫はGを呼んで2人で試食をすることにした。
しばらくして、同社従業員Yと別の同社従業員Zがそれぞれみそ樽を持ってきて玄関の土間に置いた。その後は、Zが話をして、Yは後ろの方に立っているだけだった。
試食後、同社従業員Zは、みそについて、「無添加で手造りのみそです。」「3年ものはあんまりないので高級だ。」「塩分は一般的な安いみそは10何パーセント入っているけど8パーセントしか入っていない。少ないから舌がピリピリしない。」などと説明した。
また、みその保存に関して、「1年もあれば食べ切れますけど、蔵とか床下とか専用のものがあればずうっと持ちますが、一般的な家庭だとしまう場所といったら台所の下しかないから、1年以内には食べてもらいたいですね。」と説明した。
Gは、自分が今妊娠中なので、同社従業員Zから「無添加のみそ」と聞き、<無添加だったら買ってみようか。>という気持ちになった。
Gは、「一番小さいのはどの位ですか。」と売っているみその量を尋ねた。同社従業員Zから「4キロです。」と言われ、量が多いと感じたが、<親に分けてやればいい。>と思い、一番小さい4キログラム入りのみそ樽を買うことにした。
Gは、<みそだからそんなに高くないだろう。>と考えていたので、みその値段を聞く前に「買います。」と言ったところ、同社従業員Zから「1万2,390円です。」と言われ、<しまった、先に値段を聞いておけばよかった。>と後悔した。
Gは、<高い>と思ったものの、夫と一緒に説明を聞き、「買います。」と言ってしまったあとだったため、断ることができなかった。
同社従業員2人は、20分ほどで帰っていった。
みその値段が高額だったため、Gと夫は<だまされたかもしれない。>と思い、インターネットで同社の情報を検索したところ、書込みには、自分たちと同様の取引事例が掲載されていた。
Gは、みそ樽に記載されていた製造業者の電話番号を調べてかけたところ、夜遅いこともあって、「明日にして」と言われ、また、インターネットでみそはクーリング・オフできると書かれていたので、午後10時ころ同社に電話をかけ、返品したいので引き取りに来てほしい旨を伝えた。
電話に出た同社従業員から「もう9時には引き上げちゃうから行けません。」「何時ころ来ましたか。」と聞かれ、Gが「30分位前に来ました。」と言うと、「本当ですか。もうその時間にはいないはずです。担当者はわかりますか。」と重ねて尋ねられた。
Gが領収書を見て訪問してきた同社従業員の名前を告げると、「確かにいますけど、もう上がってます。」と言われてしまった。
Gがみその返品方法について尋ねると、「領収書に書いてありますけど、お手紙に書いて送ってくれれば、現金書留を送るので着払でみそを返してください。」との回答があり、このとき初めて領収書の裏にクーリング・オフのことが書かれていることに気がついた。
翌日、Gは、契約解除通知書を同社あてに郵送し、1週間後、現金書留を受領した。
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