第37回青島第8助けあいの会「はちすけ」
第37回
「助けあいから始まる、地域の新しいつながりを築く『青島第8助けあいの会 はちすけ』」
こんにちは。静岡県中部地域局です。
地域活動に取り組む方々や、イノベーションを起こしている企業にスポットを当て、地域と関わるようになったきっかけや活動内容について、中部地域局の職員がインタビューし、みなさんが元気になる情報をお届けします。
第37回となる今回は、藤枝市青島地区で地域の方の困りごとをお手伝いするボランティア活動組織「青島第8助けあいの会『はちすけ』」の内藤代表、大沼副代表、事務局の増田様にインタビューしました。
地域の声を受けて、「はちすけ」を立ち上げ
「はちすけ」は、くらしの中のちょっとした困りごとを、御近所同士の助けあいでサポートする活動です。
現在、全国で少子高齢化が進んでいますが、私たち、1,793世帯、4,430人が暮らす藤枝市青島第8自治会も例外ではありません。そうした中で、令和元年の6月に自治会内の高齢者サロン代表者から、「日常生活の困りごとについて助け合える組織がほしい」と声が上がりました。
早速、自治会の町内会長会議を開き、高齢者サロン代表、民生児童委員、藤枝市社会福祉協議会の皆さんにも参加してもらい、数回の意見交換を行いました。その上で、アンケートを実施して、生活支援サービスのニーズについて調査することにしました。
その結果、回答者のうち約4割が、「困りごとや将来の不安がある」、約8割が「支援組織が必要と思う」と感じていることが分かりました。それだけではなく、そうした困りごとに対応するボランティアに参加してもよいと回答した方も、約7割いました。
このことから、日常生活の困りごとについて助け合える組織のニーズがあることと、それを支えるボランティアのなり手もいそうだということが分かり、令和2年1月に、「生活支援プロジェクト委員会」を自治会内に設置しました。当委員会には、自治会3役、企画委員会としての市議会議員、6つある町内会から各2名のキーパーソン(元町内会長、町内会副会長、民生委員、高齢者サロン代表など)に加え、藤枝市社会福祉協議会からアドバイザーとして2名参加してもらいました。
定例会議前には企画委員会で活動内容等の立案と準備を行い、10月にかけて月1回の定例会議を開催しました。会議では、運営ルール・支援内容・組織の名称などを検討し、並行してボランティア募集、ボランティアが着用するベストの準備を行いました。
そして、10月に「はちすけ」のパンフレットを自治会全戸に配布し、立ち上げを周知しました。
その上で、令和2年10月25日に「はちすけ」の発足式を、藤枝市文化センターで開催しました。
こうして、11月1日をもって、「はちすけ」のサービスが開始されました。
「はちすけ」の特徴
「はちすけ」の支援対象は、青島第8自治会の住民すべてです。
住民の方から困りごとの相談があると、窓口となるコーディネーターが話を聞き、その内容に適した能力を持つボランティアの方を選んで、手助けに行ってもらいます。
「はちすけ」の運営方針の策定や、状況の確認は、月に1回開催する運営委員会で行っています。参加者は企画委員6名、コーディネーターが各町内会から1名、一般運営委員として民生児童委員6名全員、加えて、顧問として青島第8自治会長が参加しています。
特に、民生児童委員は困りごとを抱えている方の情報を多く持っているので、この方たちの参加が重要です。
さらに、「はちすけの集い」と称する年次集会を毎年10月に開催しています。
そして、活動内容の周知と、参加者募集のため、会報「はちすけだより」を現在6号まで刊行しています。そのほかにもWebサイト、インスタグラム、LINEといったデジタル媒体での情報発信も行っています。
「はちすけ」の特徴は、有償ボランティアであることです。利用する方は、入会時に1世帯1,000円の入会金と、ボランティア1人につき、30分250円の利用料が必要です。なお、ごみ出しは1回50円としています。あえて有償としている理由は、頼む側からすると、無償の場合には気を使ってしまいかえって頼みにくくなる、お返しを用意する等の心理的な負担が生じるためです。これを有償にすることで、対等で分かりやすい関係を築くことができるのです。
また、「はちすけ」では利用に関するルールも定めています。高齢者の方の支援については、介護保険でカバーされている分野については対象としない、預金の引き出しはしない等、できることとできないことの線引きを明確にしています。とはいえ、住民の生活を楽しむためのサポートも行っており、普段忙しい住民の方が、久しぶりに旅行を楽しむために、飼い犬の散歩を代行する等、必ずしも生活弱者の方ばかりではないニーズにも対応しています。
助けあいから生まれるふれあいとやりがい
支援の件数が最も多いのはごみ出しですが、これは高齢独居世帯の安否確認にもつながっています。毎週ごみを出す利用者が、今週はごみを出していないと、何かあったのかもしれないと気づき、救助するきっかけになるのです。これまでに、脱水症状に陥っていた利用者を救助した例も2件あります。こうした活躍が、ボランティアの意識向上とモチベーションのアップにもつながっています。
人命救助までいかなくても、「『はちすけ』のおかげで介護施設に入らずに地域に住み続けられる」、「『はちすけ』のサポートが受けられる地域に住んでいて良かった」、「一人暮らしだが、ボランティアの方とおしゃべりできて楽しかった」、「病院に同行してもらったが、一緒にいてくれる人がいると安心できる」、「今まで知らなかった新しい人と出会えて良かった」といった感謝の声をいただき、ボランティアにとって大きな喜びとなっています。
人との出会いは心のビタミンであり、利用者に喜ばれることがボランティアの喜びにもつながっているのです。
今後の「はちすけ」について
「はちすけ」の現在の課題は、どのようにして多くの人に存在と活動内容を知ってもらうか、そして、利用してもらえるかということです。
新規のボランティア、特に若手の方の参加も促進していきたいと考えています。そのために、若い世代に伝わりやすい情報発信の方法を模索しています。
「はちすけ」の理念は、豊かな暮らしのためのお手伝いができることです。高齢者に限らず、子育て世代にも利用が広がれば嬉しいことだと思っています。
藤枝市青島地区の、ここが好き!
ひと言では言い表せないのですが、青島第8地区はいいところです。ボランティアの希望者も積極的に手を上げてくださり、助かっています。
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