ホーム > 組織別情報 > 交通基盤部 > 交通基盤部共通の情報 > 土木施設長寿命化の取り組み~アセットマネジメント導入に向けて~
ここから本文です。
更新日:平成23年7月12日
静岡県は、これまで多くの道路、港湾、河川管理施設などの公共土木施設を建設し、管理してきましたが、多くの施設が高度経済成長期に整備されたことから、近い将来、これら大量の施設を更新(つくり直す)しなければならない時期が到来することが懸念されています。
橋梁を例に見てみると、全体約3100橋のうち、半数以上が昭和30~40年代に建設されています。これらは建設後30~50年程度経過しており、近い将来、大規模な補修や更新(架け替え)が必要となることが予想されます。
![]() |
|
静岡県管理橋梁の建設年次の分布
|
これは橋梁に限らず、港湾施設や河川管理施設など、他の公共土木施設全般についてもいえることです。
また、施設が高齢化すると、維持管理費も増大します。静岡県が管理している道路、河川、港湾などの公共土木施設の維持更新費(維持管理の費用と更新の費用の合計)の将来予測をしたところ、これから約20年間は増大しつづけることがわかりました。新規建設などを合わせた公共土木施設全体の予算が現状並みの水準で推移したと仮定すると、2026(平成38)年ごろには維持更新費が全体の半分近くに達すると推定されます。
![]() |
(*1)静岡県では、平成19(2007)年4月に組織改編があり、旧土木部と都市、農地、森林の各部門が統合され、「建設部」が発足しました(*2)。
左の図では、2006年までは旧土木部、2007年以降は建設部のうち旧土木部所管分(道路、河川、港湾)に関する数字を示しています。 (*2)旧建設部は、平成22(2010)年4月の組織改編で「交通基盤部」に改称しました。 |
|
旧土木部(*1)予算と維持更新費の推移
|
これまでの施設管理は、錆び、ひび割れ、変形など、何らかの変状や異常が現れてからの対症療法的な管理であったため、初期の段階では工事費がほとんど必要とされませんでしたが、年数が経過するにしたがって大規模な修繕工事が必要となり、多額の工事費を費やしていました。
それに対し、これからは、長い期間で考えたときに、維持管理費の累計を安く収め、施設を長持ちさせるため、予防保全(初期のうちから予測により計画的にメンテナンスを行うこと)をめざす必要があります。
このような背景を受け、公共土木施設の維持管理・運営の考え方(基本ルール)を示すものとして平成15年度に「土木施設長寿命化行動方針」を策定しました。
行動方針は、アセットマネジメントを導入した維持管理、運営の考え方や計画・実施・評価・改善といった各プロセスで共通に検討・設定すべき基本ルールを定めるとともに、公共土木施設の工種単位のマネジメント方法、さらには将来目指していく施設間でのマネジメントの方向性を示しています。
![]() |
|
土木施設長寿命化行動方針の概要
|
公共施設を資産としてとらえ、施設の状態を客観的に把握・評価し、中長期的な資産の状態を予測するとともに、予算的制約の中でいつどのような対策をどこに行うのが最適であるかを考慮して、計画的かつ効率的に維持管理を行う概念です。すなわち「あらゆる視点において平準化と効率化を可能にするマネジメント」と言えます。
行動方針に基づき、公共土木施設の工種単位での効果的、効率的な維持管理・運営を行うための具体的なマネジメント方法を示した計画です。
この「長寿命化計画」では、
行動方針を定めたルールに基づき、工種単位のマネジメント方法を定めるガイドラインを策定し、
このガイドラインを受け、個別箇所、事業~工種までの各レベルにおける中長期管理計画を立案した上で、
中長期管理計画に基づいた工種内の戦略的な維持管理・運営を順次展開していくこと。
を行うこととしています。
ガイドラインとは、工種ごと個別で、アセットマネジメントでの維持管理・運営業務の具体を定めたものです。
行動方針の対象施設は全ての公共土木施設ですが、現実には施設・工種が広範囲にわたり数多く存在していることから、計画の早期の効率発現を目指し、優先度が高い工種として以下のものを選定し、工種別ガイドラインの作成、運用を行っています。
静岡県では、平成16年度から舗装、橋梁に着手し、平成20年度までに8工種全てのガイドラインを作成しました。
| ガイドライン作成工種 | 舗装、橋梁、水門陸閘、係留施設、斜面施設、ダム、トンネル、管路 |
行動方針、各工種ガイドラインはこちらからご覧いただけます(PDFダウンロードページへ)。
現在、舗装・橋梁の2工種について中長期管理計画を策定しました。この中長期管理計画が作成されると、アセットマネジメントによる維持管理、運営が可能になります。
他の工種については、超長期管理計画の基礎資料となる点検、データ整理等を行っています。
|
|
|
工種別管理方法と進捗状況 |
|
|
|
PDCAサイクル |
中長期管理計画は、計画⇒補修の実績⇒検証(現状分析・評価)⇒修正(改善)⇒中長期管理計画⇒・・・というPDCAサイクルにより、現状分析と改善を行い、常に精度を高めていくことを目指しています。
また、このサイクルを基本として、「予防保全型」の他に、施設の特性に応じて「事後保全型」「維持管理型」「維持型」に区分し、効果的、効率的な維持管理を目指していきます。
平成21年8月『橋梁』の中長期管理計画が好評されました。(PDFダウンロードページへ)。
工種・部材単位で維持管理方法を定め、将来予測した状態・性能の評価結果から必要な対策と費用について検討する。
検討に当たっては、LCC(ライフサイクルコスト)最小化の観点から、技術や手法・工法、更には新技術等を取り入れて行うこととする。
LCCとは、施設の企画設計、建設、維持管理、更新、廃棄処分、外部コストに要する費用。
既存施設のLCCに関しては上記費用から、企画設計、建設費の費用を除いたもの。
平成22年度から7年間で道路施設長寿命化緊急対策事業を舗装、橋梁、トンネルの3工種で実施しています。
舗装については、交通区分がN5(B1)交通以上で、維持管理指数(MCI値)が2.0未満及び平成28年までに2.0未満になると予想される区間380kmについて、修繕を実施します。
橋梁については、管理上重要な橋梁のうち、特に劣化の著しい橋梁107橋について、優先的に修繕を実施します。
トンネルについては、非常用設備の更新時期を迎える30トンネルについて、設備の更新を実施しています。
その他の工種については現在、点検、データ整理等、中長期管理計画策定に向けての準備を実施しています。
|
|
|
|
富士川橋(塗装塗替え工事)着手前 |
富士川橋(完成) |
|
|
|
|
県道沼津小山線(着手前) |
県道沼津小山線(完成) |
調査・点検は各施設の部位・部材に生じる変状を把握するだけではなく、点検結果をデータベースとして蓄積し、各種評価方法報や設定方法の再検討するときの根拠としています(PDCAサイクル)。
よって、施設点検業務は、アセットマネジメントを取り入れた長寿命化計画びおいて、計画立案・実行の基礎となる重要な作業であります。
静岡県では現在、人づくり(職員の技術向上)を目指し、講習会・現場研修会を実施しています。
また、職員の技術力向上を図ることで、点検費用の縮減にも努めています。
|
|
|
|
現場研修会状況 |
橋梁概略点検ポケットブック |
「全体(施設間)のマネジメント」は、マネジメント第2段階として、維持管理・運営分野で実施可能な施策・方針を検討し、施設に共通した全体の目標を設定するものです。また、工種単位のマネジメントで策定された個別箇所単位の中長期管理計画を統合し、全体を把握して総合的な評価を実施します。
「全体マネジメント」実行に向けて取り組むべき事項として、
維持管理・運営全体の方針
全体での把握
全体での総合的な評価
の3項目を定めることとしています。
お問い合わせ
静岡県建設技術監理センター
静岡市駿河区用宗1丁目10-1
電話番号:054-268-5004
ファックス番号:054-258-6030
メール:gijyutsu-center@pref.shizuoka.lg.jp
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください