
私たちの生活や環境が健康増進、病気の予防などにどのような関わりがあるかを研究する「社会健康医学」。県が推進するその取り組みについて、研究内容や今後の展望をお知らせします。
「社会健康医学」推進に4つの基本方針
▲委員会に参加する本庶佑京都大学高等研究院特別教授
社会健康医学の推進に向け平成28年度、「社会健康医学基本構想検討委員会」が開催されました。委員会では昨年ノーベル医学生理学賞を受賞した、京都大学高等研究院の本庶佑特別教授(元静岡県公立大学法人理事長)が委員長を務め、「研究」「人材育成」「拠点」「成果」の4つの提言がなされました。
この提言をベースに、平成29年度に「社会健康医学研究推進基本計画」を策定。基本計画では次の4つの基本方針が示されました。
(1)研究の推進
(2)人材の育成
(3)成果の県民への還元
(4)拠点となる仕組みの構築
今年度からは、この4つの基本方針に基づく取り組みを推進するための「社会健康医学推進委員会」を開催しています。
「社会健康医学」とは
予防医学、先制医療ともいわれる。病気にならない地域・環境をつくり、世界トップクラスの健康寿命の延伸に役立つ先端研究。
緑茶の健康効果研究に着手
推進委員会委員長である本庶特別教授のご指導を仰ぎつつ、社会健康医学研究を先進的に行っている京都大学と連携し、その研究成果を活用しながら、本県をフィールドとして研究を進めています。すでにいくつかの研究に着手しており、その研究の一つが「緑茶の健康効果に関する臨床研究」です。県立総合病院リサーチサポートセンターにおいて、川根本町の住民200人を対象に、緑茶パウダーを定期的に摂取することで、血圧や血管機能、代謝などへどのような影響があるかを、5年間かけて追跡調査していきます。健康に良いとされる緑茶の科学的根拠を明らかにし、その成果を他の地域でも健康増進や疾病予防に役立てていくことを目指しています。
このように、社会健康医学の研究は、私たちの生活にも密接に関わりがあります。
県民の健康と福祉向上に向けた仕組み作り
社会健康医学の研究の成果を私たちの生活に取り入れる。その仕組みを作るのが基本計画の目的です。
健康寿命に関する研究を進め、明らかになった内容や進捗状況は随時、分かりやすく情報発信していきます。
同時に、社会健康医学の研究に従事する人材の他、その知識や技術をもって医療・福祉の現場で実践できる人材を育成し、研究成果を具体的な行動として県民に還元することも考えています。人材育成の拠点となる大学院大学の早期開学に向けて準備を進めています。
県民の健康と福祉の向上を図る「社会健康医学」の研究に今後もご注目ください。
社会健康医学推進の仕組みと構造

問い合わせ/県健康福祉部管理局政策監
TEL/054(221)2363FAX/054(221)3264
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