Eジャーナルしずおか第252号(抜粋)令和4年10月発行
静岡県教育委員会事務局教育DX(ディーエックス)推進課はICTの活用を推進しています!
- 県の学校教育の情報化推進の方向性を示す「ふじのくに学校教育情報化推進計画」を策定しました。
- 1人1台端末環境の円滑な運用支援のために「GIGAスクール運営支援センター」を設置しました。
- 教職員のICT活用指導力の向上に努めています。
ふじのくに学校教育情報化推進計画(R4~R7)
変化の激しい時代において、問題の発見・解決に向けて、情報と情報技術を適切かつ効果的、創造的に活用できる能力を有し、他者と協働して新たな価値を創造する社会の実現に貢献できる人材の育成を目指します。
- 市町は国・県計画を基本として計画策定(努力義務)
スクールDXの推進
- デジタル技術を活用して学校教育を変革、学びの最適化、学校運営の高度化・効率化
- 多様なデータ連携が可能な統合的なデジタルプラットフォームの構築
- ICTの活用を前提にした新しい時代にふさわしい教育のあり方の追究
ICTを活用した児童生徒の資質・能力の育成
- 学び・指導のスタイルの変革による児童生徒の情報活用能力の育成
- 特別な支援を要する児童生徒の学びへのICT活用
- 児童生徒の情報モラルや情報セキュリティ意識の向上
教職員のICT活用指導力の向上と人材の確保
- 教員のICT活用指導力の向上
- ICT運用サポートによる学校現場・市町支援
ICTを活用するための環境の整備
- 1人1台端末環境や安定した通信環境等の確保
- 情報セキュリティ対策の徹底
ICT推進体制の整備と校務の改善
- ICTの校務効率化への活用を通じた教職員の負担軽減
- 市町など多様な主体との連携による知見の共有
GIGAスクール運営支援センター
- 市町立学校の方は市町教育委員会へお問い合わせください。
GIGAスクール運営支援センター(民間事業者、ヘルプデスク)
運営
- 県立学校のICT運用を総合的に支援
- 専門性の高い技術支援等を安定的に提供
- 故障時等はメーカー等と連携して支援
ICT支援員
- 学校からの要請に応じ、ICT支援員を派遣
- ICTに係る日常的な教職員の授業支援、学習支援等
ヘルプデスク
9月1日から、県立学校からの照会対応や技術支援のため、ヘルプデスクを開設しました。ヘルプデスクでは授業改善や校内での研修などを行うICT支援員の派遣も実施しています。
教職員のICT活用指導力向上
研修管理システム
eゼミナール(常設コンテンツ)
- 令和4年度情報セキュリティ入門
- 令和4年度アプリケーションの使用方法
- 令和4年度ICTを活用した授業動画の共有
eラーニング
- 情報セキュリティ全般(意識や対策等)※12月まで受講可
- 授業に役立つアプリケーションの紹介等※2月まで受講可
- 小中高のICTを活用した授業が38本UPされています。是非視聴をお願いします!
出前講座
市町教育委員会や県立学校への出前講座も実施しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
実践NOTE501
「理解し 書いて 伝える」 伝える力の育成に向けての実践
静岡市立中藁科小学校 教諭 石川翔三
課題である「伝える力」
中藁科小学校は全校児童68名の小規模な学校です。子どもたちは6年間同じ学級で過ごすことで安心感をもって生活しています。一方で、クラス替えがないために人間関係が閉鎖的であり「発言する人」「聞く人」といった固定観念が形成され、自分の言葉で表現できないことが課題となっています。そこで、6年生の授業では、1.授業内容を理解する、2.分かったことを書く、3.書いたことを伝える、という3つの手だてに取り組むことにしました。
授業内容を理解し、書くための手だて
授業内容を理解するために、どの教科でも「目標の明示」「前時の復習」「振り返り」という型を設けることにしました。特に算数では、授業開始後5分間の復習時間を設けることで、復習を活用して本時の目標に迫る姿が見られました。「振り返り」では振り返る視点を「目標の達成とその理由」「新しい気付きと疑問」「友達の発言」に焦点化し継続して積み重ねることで、書くことが苦手だった児童も目標に対しての自己評価や次時に向けての感想などを書くことができるようになりました。
多様な「伝える」場の設定
「伝える」ことに関しては6年生自身も「同じ人としか交流できていない」「発表する人が同じ」といった課題を感じていました。そこで意図的にグループを設定したり、ICTを活用して他校ともやりとりしたりして多くの友達と関わる機会を設けました。他校とGoogle classroomを共有することで、違う学校の児童同士でGoogleスライドを見合ったり、コメントを伝え合ったりすることができ、日常的に多様な場での交流が生まれています。その結果、7月には「発表ができるようになった」と答える児童が増え、今では教員が促さなくても自分たちで積極的に交流して意見を伝え合う姿も見られるようになりました。
今後の課題
第1回学校評価アンケートでは「自分の考えを伝えることができた」と答える6年生の児童が81%にとどまり、まだ全員できたとは言えない現状が明らかになりました。今後は習熟度別の学習や自由進度学習を取り入れ、より一人ひとりに伝える力を育成できる授業づくりに努めていきます。
実践NOTE501は以上です。
実践NOTE502
主体的な学びを育む授業を目指した校内研修
御前崎市牧之原市学校組合立御前崎中学校 教諭 栗林渓
はじめに
本校では、教育活動の核となる授業で、「主体的な学び」の姿を育みたいと考えています。そのために行っている研究実践を紹介します。
「そろえる」
1.「観」をそろえる
本校では、教育活動の中で「自律」と「連帯」の力を育成することを目標としています。この資質・能力を授業の中でも高めるために研修テーマを設定しました。4月の校内研修で、テーマ設定の経緯を伝え、さらに提案授業を実施することで本校が目標とする授業観をそろえることを目指しました。
2.目指す方向性をそろえる
「主体的に学ぶ姿」のイメージが授業者によってずれないように、本校の目指す主体的学びの姿と、その姿に至るまでの過程を研修構想図としてまとめました。「生徒が主体的に学ぶ姿になるためには、どのような工夫をすればいいのか」について考え、授業づくりの方向性を全体でそろえる機会になりました。
「見合う」
気軽に授業を見合い、話し合える雰囲気を作ることを目標に「参観レポート研修」を行っています。いつでも、どこでも、誰の授業でも気軽に参観し、それをレポートにまとめ職員室に掲示します。決まった場ではなく、気軽に授業改善について話し合うよいきっかけとなりました。
「教え合う」
GIGAスクール構想により、1人1台端末の活用が始まりました。情報主任に協力してもらい、ICT機器を上手に活用できている若手の教員たちに実践を発表してもらいました。若手の教員にベテランの教員が質問する姿が増え、さまざまな場面で得意を生かして教え合う雰囲気ができました。
生徒の主体的な学びを育むために
私が研修主任になって2年目になります。日々増える参観レポートや放課後の授業改善への会話が耳に入ると非常に励みになります。この研修という仕事が、生徒が将来社会に出た時の生きる力につながると信じ、さらなる向上を目指して今後も取り組んでいきます。
実践NOTE502は以上です。
このページに関するお問い合わせ
教育委員会教育政策課
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