鶏肉の生食や加熱不足が原因と考えられる事例が多いです。そのほか、食肉(特に鶏肉)の取扱い不備やその調理過程中の二次汚染なども主な原因と考えられます。
菌数100個程度と少ない菌量で発症が認められます。
《症状》
汚染された食品を喫食してから1~7日(平均3日)で下痢、腹痛、発熱、頭痛、倦怠感などがあらわれます。
《菌の分布》
ニワトリ、ウシ等の家きんや家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物などあらゆる動物が持っています。人に食中毒を起こしますが、鶏が下痢等の症状を呈することはまれであると考えられています。
《菌の種類》
食中毒を起こす菌として重要なものは2種類あります。
・カンピロバクター・ジェジュニ
・カンピロバクター・コリ
≪食中毒の予防≫
カンピロバクター食中毒は、1.加熱調理により菌を死滅させること、2.菌に汚染されている可能性のある食品からの二次汚染を防止することにより予防が可能です。
(1)食肉は十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)を行う
(2)食肉は他の食品と調理器具や容器を分けて処理や保存を行う
(3)食肉を取り扱った後は手を洗ってから他の食品を取り扱う
(4)食肉に触れた調理器具等は使用後洗浄・殺菌を行うことが重要です。
《食鳥処理場、と畜場での対策》
家畜は、健康な状態において腸管内などにカンピロバクター、腸管出血性大腸菌などの食中毒菌を持っていることが知られており、家禽もカンピロバクターやサルモネラ属菌を保有している場合があります。
食鳥処理場、と畜場ともに、HACCP方式の考え方を導入し、食肉処理段階でのカンピロバクターも含めた微生物汚染の防止を図っていますが、
今日の食肉又は食鳥処理の技術では、これらの食中毒菌を100%除去することは困難とされています。
「新鮮だから安全」というわけではないのです。
食中毒予防の観点から、食肉(特に鶏肉)は生食又は加熱不十分で食べないようにしましょう。
さらに詳しく知りたい方には:厚生労働省:カンピロバクターQ&A
