津波災害警戒区域の指定に関するQ&A

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ページID1047951  更新日 2023年1月30日

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Q1 津波防災地域づくりに関する法律とは?

A1

平成23年3月の東日本大震災の甚大な津波被害を教訓に、最大クラスの津波から「なんとしても人命を守る」という考えのもと、ハード・ソフトの施策を柔軟に組み合わせて総動員させる「多重防御」の発想により、地域活性化の観点も含めた総合的な地域づくりの中で津波防災を推進することを目的として、平成23年12月に施行された法律です。
この法律には、県が実施する「津波災害警戒区域の指定」や「津波浸水想定の設定」、市町が実施する「推進計画の作成」など、津波防災を進めるための取組が規定されています。

津波防災地域づくりに関する法律の流れ

Q2 最大クラス(レベル2)の津波とは?

A2

発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす津波で、現在の科学的知見を基に、過去に発生した津波や今後発生が想定される津波から設定したものであり、住民避難を柱とした総合的な防災対策の対象となる津波です。

静岡県のレベル2地震・津波

Q3 津波災害警戒区域(イエローゾーン)とは?

A3

最大クラスの津波が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがある区域で、津波による人的災害を防止するため、津波から「逃げる」ことができるよう、警戒避難体制を特に整備すべき区域として県知事が指定する区域です。

Q4 津波災害警戒区域を指定する目的は?

A4

津波災害警戒区域(イエローゾーン)の指定により、沿岸市町における、津波ハザードマップの作成、避難訓練の実施、避難施設の確保、施設管理者や事業者による避難確保計画の作成などを推進し、津波に対する警戒避難体制の整備をより確実なものとすることが目的です。
また、区域指定の際に公表する「基準水位」により、津波に対して安全な高さが明確になるため、避難施設の効率的な整備の目安になるなど、実効性の高い避難対策が可能になります。

Q5 基準水位とは?

A5

基準水位は、津波浸水想定の浸水深に、津波が建物等に衝突した際のせり上がり高さを加えた水位です。指定避難施設の指定や津波災害特別警戒区域(A18参照)における建築等の許可の際に基準として用いられます。
津波に対して安全な高さであるため、避難施設などの効率的な整備の目安となり、住宅の建築等を検討する上でも参考になります。
なお、基準水位は津波浸水想定における浸水深と同様、地盤面からの高さ(水深)で表示します。

津波浸水想定の図 津波災害警戒区域の図

Q6 津波浸水想定とは?

A6

最大クラスの津波が発生した場合に想定される最大の浸水区域と浸水深を、県知事が設定し公表するものです。津波による浸水の危険度を広くお知らせするもので、警戒避難体制の整備などの津波防災地域づくりに関する各種取組の基礎となる情報です。静岡県では平成25年11月と平成27年8月に公表しており、その内容は県ホームページで確認できます。

Q7 津波災害警戒区域の指定範囲はどのように設定されるのか?

A7

県が設定した最大クラスの津波による浸水想定区域である「津波浸水想定」の区域を基本として設定します。ただし、過去の津波の痕跡や町丁目界、地形地物など、地域の実情を踏まえ、県と市町が調整し、広く設定することも可能としています。なお、区域の単位は「津波浸水想定」と同様、10m四方毎であり、「津波浸水想定」では浸水深に応じて着色しますが、「津波災害警戒区域」では中心に基準水位を表示します。

左:津波浸水想定の公表例 ・右:津波被害警戒区域の指定例

Q8 津波災害警戒区域はいつ、どのように指定するのか?

A8

静岡県では、平成26年11月に津波災害警戒区域の指定基準や手続きの流れを盛り込んだ「指定の手引き」を策定しており、この手引きに基づいて指定を進めることとしています。
区域指定に当たって、まずは各市町と事前調整を行い、指定の意向が固まった市町から順次、関係住民や関係団体への説明会を開催し、最終的な市町の意向を確認した後、区域指定を行います。
関係住民や関係団体への説明会については、事前に県や市町の広報等で開催を通知いたします。

Q9 津波災害警戒区域に指定された区域はどこで確認できるのか?

A9

指定した区域が確認できる図面は、区域指定の公示後、その区域が位置する市町の担当窓口で閲覧が可能です。
また、県のホームページや県の土木事務所でも確認することができます。

Q10 津波災害警戒区域に指定されるとどのようなことが行われるのか?

A10

市町において、(1)津波ハザードマップの作成・周知、(2)避難訓練の実施、(3)避難場所や避難路の確保などの対策が実施されます。市町の地域防災計画で「避難促進施設」に位置付けられた社会福祉施設、学校、病院などの施設においては、(1)避難確保計画の作成と市町長への報告及び公表、(2)避難訓練の実施など、警戒避難体制の整備に向けた対策に取り組んでいく必要があります。また、宅地建物の取引において、宅地建物取引業法に基づく「重要事項説明」として、取引対象となる物件が津波災害警戒区域内にある旨を説明することが必要になります。

津波災害警戒区域の指定に伴い実施する各種措置

Q11 津波災害警戒区域に指定されると住宅等の建築は制限されるのか?

A11

建築物の建築やそれに伴う開発行為が制限されることはありません。

Q12 津波災害警戒区域に指定されると地価が下がるのでは?

A12

最大クラスの津波が発生した場合の浸水の危険性については、既に「津波浸水想定」を公表し、県民の皆さんに対して浸水区域や浸水深について情報提供させていただいております。
また、区域指定による建築物の建築やそれに伴う開発行為に対する規制はありません。
地価は景気など様々な要素により決まるため、津波災害警戒区域を指定することによる地価への影響は予測できませんが、指定により地価が下がったという他県における事例は聞いておりません。

Q13 住民にメリットはあるのか?

A13

津波災害警戒区域を指定する目的は、最大クラスの津波が発生した際に、住民等の生命・身体を守ることです。区域指定により、基準水位を踏まえた効率的な避難場所の確保やハザードマップの公表、避難確保計画の作成等が進み、津波からより確実に「逃げる」体制が整備されるため、津波による人的被害を軽減することができます。
また、宅地建物取引業法に基づく「重要事項説明」により、取引対象の物件が津波災害警戒区域内か外かの情報を確実に得ることができます。

Q14 津波災害警戒区域に指定されなかった地域は安全ということか?

A14

最大クラスの津波は、現在の科学的知見に基づき、過去に発生した津波や今後発生が想定される津波から設定したものでありますが、これよりも大きな津波が発生する可能性が全く無いというものではありません。そのため、指定されなかった地域でも浸水が発生したり、浸水深がさらに大きくなったりする場合があるので注意が必要です。

Q15 津波によりどのような影響が想定されるのか?

A15

東日本大震災における津波被害など過去の津波被害に関する調査・分析の結果から、津波による浸水深と被害の関係が国や各種研究機関などから公表されています。
以下の図は、津波による浸水深や基準水位と建物や人の避難への影響を整理したものです。基準水位2.0mを超えると建物の約半数以上が全壊、浸水深30cmを超えると歩行困難、死者発生の恐れがあるなど、目安となる数値などに留意して、津波対策を進めていくことが重要です。

津波による浸水深・基準水位と想定される被害の関係

Q16 津波災害警戒区域の指定は解除されるのか?

A16

防潮堤等の津波対策施設が整備されたり、地形が変化したことなどにより、指定区域の基となる津波浸水想定区域が変更となった場合、指定区域の変更や解除が可能となります。
ただし、現在の津波浸水想定区域は、国が定めた基準により津波が防潮堤等の津波対策施設を乗り越えた時点で施設が破壊するという条件で計算しているため、今後整備する津波対策施設の減災効果が津波浸水想定区域の計算に反映されることが必要となります。

Q17 県内沿岸市町は「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」に指定され、既に警戒避難体制の整備が義務付けられているが、津波災害警戒区域を指定する必要があるのか?

A17

津波災害警戒区域の指定では、「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」に義務付けられているハザードマップの作成などの対策に加え、「基準水位」の公表より津波に対する安全な高さが明確になり、効率的な避難施設の整備が可能になることや、宅地建物取引時に重要事項説明が受けられることなど、現在進められている警戒避難体制の整備がより実効性の高いものになります。

Q18 津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン・レッドゾーン)とは?

A18

津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)は、最大クラスの津波が発生した場合に、建築物が損壊又は浸水し、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがある区域で、特に防災上の配慮を要する方々が利用する社会福祉施設、学校、医療施設の建築とそのための開発行為に関して、居室の床面の高さや構造等を津波に対して安全なものとするために県知事が指定する区域です。
津波災害特別警戒区域(レッドゾーン)は、オレンジゾーンのうち特に迅速な避難が困難な区域で、住宅など市町の条例で定める用途の建築とそのための開発行為に関して、居室の床面の高さや構造等を津波に対して安全なものとするために市町の条例で指定する区域です。

津波災害特別警戒区域 オレンジゾーンとレッドゾーンの説明

Q19 今後、津波災害特別警戒区域を指定するのか?

A19

津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)については、静岡県が設置した有識者等で構成する検討委員会での検討結果を踏まえて、指定基準や手続きを盛り込んだ「指定の手引き」を平成27年12月を目途に策定します。その後、策定した「指定の手引き」に基づき、市町における津波災害に強いまちづくりの方針との整合などについて協議しながら、指定に向けて調整を進めていきます。

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