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更新日:平成27年4月16日

「会社の金を使い込んだ!」と電話がかかってきたら…

 ケース1 悪いことをしたんだから、警察に捕まって反省しなさい!

ある日の昼過ぎ、息子を名乗る男から「風邪をひいて病院に来ている。」と電話がかかってきました。
私は大事にするよう言い、電話を切りました。事実、3日前に息子と電話した時に風邪気味だったことから、電話は本当の息子だと思いこんでしまいました。

しばらくして、同じ男から「会社の金を使って不動産投資した。今夜監査が入るので180万円用意しなければならない。」と電話がありました。私は「夜、監査が入るわけないでしょ。」と言うと、男は「お金を入れないと警察に捕まってしまう。」と、なおも要求してきたのです。私は「悪い事をすれば捕まるのはあたりまえじゃん。警察で反省してきなさい。」と電話を切ってしまいました。その後、本当の息子と連絡が取れ、事実でないことがわかりました。

息子は県外に住む会社員ですが、経理を担当していないため、会社のお金を使い込めるわけがありません。冷静に考えれば、つじつまが合わない話です。しかし一旦は息子の声と信じ込んでしまったのですから、気を付けなければいけませんね。

(富士市在住 60歳代女性)

ポイント

体験談イラスト-2

今回のケースは、偶然にも本当に息子が風邪をひいていたところまでは、上出来だったが、仕事の内容までは知らなかったな。それにしても「夜に監査が入るわけない。」と気づくとは、意外と冷静な対応だったな!

 ケース2 今日の14時に監査が入る!

ある日の昼頃、「もしもし、…だけど、風邪をひいちゃった。」とボソボソとした男の声で電話がかかってきました。電話に出た女房が「誰、一郎(息子の名:仮名)なの?それじゃあ、家に帰ってくるの?」と尋ねると、しばらく間を置いて、「とんでもないことをしてしまった。会社のお金を使い込んでしまい、部長にばれてしまった。今日の14時に監査が入る警察沙汰になってしまうかも知れない。」と男が言い出すではありませんか。

その後電話は一旦切れたが、再度電話がかかってきて、「返済するためにサラ金からお金を借りようと思う。自分の携帯は取り上げられたので、会社の電話から掛けている。お父さんには黙っていて。」と男は言いました。女房が「一体いくらなの?お金は家のほうで何とかするから。」と言うと、男は「部長と替わる。」と言い、経理部長を名乗る男と替わりました。

電話に出た男は「取引先に振り込むべきお金300万円を使い込んだ。監査の前までに何とかしてやりたい。お母さんのほうで振り込んでください。」と要求してきました。

すっかり信じ込んだ女房は、急いで銀行へと向かったのですが、朝元気だった息子が急に風邪をひいたことなどが気になり、一旦お金を銀行で下ろしたものの、息子に確認するために自宅へと引き返し、被害を免れました。

(静岡市清水区在住 60歳代男性)

ポイント

体験談イラスト-1

今回は電話の声が「変だ」と感づかれないよう「風邪を引いた」という口実を使い、わざと聞き取れない声で話し、相手から名前を言わせるようしむけています。また、短く電話を切り、切羽詰まった様子を演出し、上司役を登場させて信用度を高めようとしています。

そして何より電話に出たお母さんによると、演技が抜群に上手だったそうです。「真に迫っているから本当の話だろう。」と早合点せず、今回のケースのように、一旦冷静になって考えるようにしてください。きっとつじつまの合わない点が見つかるはずです。

 ケース3 あれ、海外出張中じゃなかったっけ!?

ある日の午後3時頃、「太郎(仮名:息子の実名)だけど、昨日携帯電話を落としてしまったので、電話番号が変わった。」と電話がかかってきました。

翌日の昼頃、「太郎だけど、実は会社のお金を使って買った株で損をした。弁償しなければならないので195万円を貸して欲しい。」と電話がかかってきました。

会社から電話をかけているという息子に対し、私は「会社のお金を使い込んだにも関わらず、会社から電話してくるような『恥知らずな子』に育てた覚えはない」と頭に来て叱りつけてしまいましたが、ふと冷静に考えると、電話の男は本当の息子と声や話し方が違うことに気づいたのです。第一、息子は現在長期海外出張中なので、日本とは時差があるはずです。そのため、会社に昼頃いるはずはないのです。すっかり、偽の息子だと確信した私はその後20~30分間にわたり、電話の男に「自分の不始末は自分で解決するよう」お説教をしてやりました。男は最後に「わかった…、何とかする。」と言い、電話は切れました。

その後、本当の息子に連絡し、事実がないことを確認しました。

息子を名乗る男からお金を要求された時の「ドキドキ感」は、実際に体験した者しかわからないと思います。ニュースなどで見聞きすると「なぜ、騙されるのだろう」と思っていましたが、実際に当事者になってみて、被害者の気持ちがわかりました。
もうこんな思いは懲り懲りです。これからは、同じような思いをする人が出ないよう、ことあるごとに話していきたいと思います。

(浜松市中区在住 60歳代女性)

ポイント

体験談イラスト-2

今回のケースは、息子の実名で電話して、本物だと信じ込ませたところまでは、上出来だったが、まさか息子が海外出張中だとは知らなかった。リサーチ不足だったよ。それにしても見破られたあげくに説教までされたんじゃ、踏んだり蹴ったりだよ!!

 ケース4 ボク、ター君!

ある日曜日に一人で留守番していると、「あ、おばあちゃん?」と、男から電話がかかってきました。私は大学生になる孫の太郎(仮名)だと思い、「あ、ター君?」と返事をしてしまいました。男はすぐに「うん、ボク、ター君。ちょっと、おばあちゃんに頼みたいことがあるんだ。お友達からお金を借りたんだけど、返すのに困ってしまって…。」と言うのです。男は「また明日10時頃、電話する。」と言い、電話は切れました。

本当の孫は自分のことを「ボク」と言うはずですが、電話の男は自分のことを「ター君」と言っていたため、妙に違和感を覚えていましたし、その夜、娘に電話のことを相談すると、「それはおかしい、オレオレ詐欺ではないか。」とのことでしたので、その時点で偽者からの電話だという思いが大きくなっていました。

翌日の10時頃、再度男から「ボク、ター君。」と電話がありました。私は「今どこにいるの?」と尋ねると、男は「東京」と答えるではありませんか。静岡の大学に通っているはずの孫が東京にいるのはおかしい。いよいよこれはオレオレ詐欺だと確信し、「何で東京にいるの?ター君は、お友達からお金を借りるような子じゃないでしょ。おばあちゃんは、そんな訳のわからないお金は絶対に送らないよ。」と強い口調で言うと、男は電話を切ってしまいました。

その後、家族と「最初にこちらから『ター君』などと言ってしまって不用心だったね。でも、だまされなくて良かったね。」と話をしました。

これからは、今回の件を教訓に、だまされないよう用心していきたいと思います。

(静岡市葵区在住 80歳代女性)

ポイント

体験談イラスト-1

今回は電話の相手に、こちらから「ター君?」と不用意に教えてしまっています。しかし、電話を受けた方一人で悩むのではなく、他の家族(娘さん)に相談するなど、冷静な行動も見られます。

目に見えない電話の相手には、まず名乗らせるようにしましょう。電話の内容に少しでも不審な点があったら、他の家族の生年月日や親戚の名前など、家族にしか分からないような事項を質問してみましょう。家族間で「合い言葉」をあらかじめ決めておくことも有効です。

 ケース5 家まで取りに来い!

ある日の午前中、「お父さん、大変なことになったので、夜8時ころ帰る。」と電話がかかってきました。

2時間ほどして、同じ男から「同僚と一緒に会社のお金500万円を使い込んでしまい、うち198万円を自分が返さなければいけなくなった。今日中に何とかしないとまずいことになる。」と再度電話があった。

最初の電話では、本当の息子かと思っていましたが、2回目の電話では、声も違うし、話し方も違うことに気づいていました。何より、息子は「会社のお金を使い込むような人間では無い」と信じていましたから、これはオレオレ詐欺だと確信していました。

そこで、「わかった。お金を渡すから家まで取りに来い!」と言うと、男は黙って電話を切りました。

その後、本当の息子に確認し、事実は無いことがわかりました。

(島田市在住 60歳代男性)

ポイント

体験談イラスト-2

今回のケースは、最初の電話ではうまく信用させることができたが、「会社のお金を使い込むような息子ではない」という信頼度の方が勝っていたようだな。まあ、息子のことは、親が一番よく知っているだろうからな。

それにしても、「直接お金を取りに来い!」なんて、行けるわけないだろっ!!

 ケース6 180万円貸してくれ!

ある日の午前中、県外に住む長男を名乗る男から「オレだけど。」と電話がかかってきました。私は少し声が違うなと感じましたが、雑談をして電話を切りました。

5分ほどして、再度同じ男から電話があり、「同僚にしつこく株を勧められて、株に手を出した。その同僚が株に会社のお金を使い込んでしまった。監査が入る前にお金を戻せば、部長はとがめないと言ってくれている。色々な人に相談したけど無理だったので、お母さんに電話した。」と言いました。

私は半信半疑で「どうすればいいの?」と聞いてみたところ、男は「じゃあ、180万円貸してくれ。」と要求してきました。私の息子は電話で大金を要求するような子ではないし、声が少し違うことから詐欺に違いないと確信し、「自分でやったことは、自分で責任を取りなさい!自分で処理しなさい!」と強い口調で言い、電話を切りました。

その後、本当の長男と連絡を取り、事実がないことがわかりました。

(島田市在住 50歳代女性)

ポイント

体験談イラスト-1

今回のケースは、犯人が事前に「本物と信じ込んでいるか」を確認するためと思われる電話をかけてきていますが、その時点で「声が違う」ことに気づいています。また、最終的に被害を免れた最大の要因は、息子さんが「電話でお金を要求するような人間では無い」と信じていたことだと思われますが、現実的に、電話でお金の振り込みを要求しなければならないほど緊急性を要するケースは少ないものです。

どんなに慌てても、一旦電話を切り、落ち着いて まずは疑い すぐ確認! すぐ相談!するようにしましょう。

 ケース7 ATMでなけりゃダメ!

ある日の夕方、半泣きの男から「じいちゃん、悪用されるから携帯電話の番号を変えた。」と電話があった。

翌日の午前中、前日と同じ男から泣きながら早口で「今年からお金を扱う部署に異動になったんだけど、つい98万円を使い込んでしまった。今日は監査があるので課長に相談したら、午後3時までに振り込めば何とかしてくれるそうだ。オレがブタ箱に入ったら、おじいちゃんにも迷惑がかかるでしょ。何とかして。」と電話がかかってきた。

私は、すっかり孫だと信じ込み、「職場まで現金を持って行ってやる。」と言うと、男は「他人に見られるとまずいから、送金して欲しい。」と言いました。私が「ATMは使ったことがないからダメだ。」と言うと、男は「ATMの前まで行けば、上司が詳しく教えてくれる。」と答えました。今度は私が「電信為替ならやったことがあるので、それで送金する。」と言うと、男は「急ぐからATMでなければダメだ。」と言うので、私は「銀行までは、自転車で1時間くらいかかるけど良いか?」と言うと、男は「わかった。銀行のATMの前に着いたら携帯に電話して。」ということになりました。

在宅していた妻に話すと、「孫を助けてやって。」と言います。しかし、金額が大きいので、念のため、娘に電話して孫へ確認を取ってもらいました。すると5分ほどして、事実がないことがわかりました。

約束の時間まで間があったので警察へ行き、相手の携帯電話に「銀行に着いた。」と連絡を入れると、ATMの前まで行くよう指示されました。私が「今日は10万円入れるので、残りは明日にしてくれ。」と言うと、男は「何とか50万円入れてくれないか。ところでATMは、今どんな画面が出ている?」と聞いてきました。そこで一緒に話を聞いていた警察官が「ここは警察だ。」と答え、電話は切れました。

今回の件ではいくつかの偶然が重なり、信じ込んだり騙されたりする要素がありました。

  • 携帯電話では声が違って聞こえる。
  • 以前から、上司が良くしてくれていると聞いていた。
  • 孫は私を「じいちゃん」と呼んでいた。
  • たまたま家に現金が置いてあった。
  • 時期が年度末で、「年度末監査」という言葉に真実味があった。

といったものでしたが、たまたま銀行に行くまで1時間猶予をもらったことで、他の家族に連絡し、本人に確認を取ることができました。

いずれにしても、まず落ち着いて、自分一人で考えず、誰かに相談することが大切ですね。

(焼津市在住 80歳代男性)

ポイント

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今回のケースは、相手を信じ込ませることには成功したが、相手がATMの使用を拒むことまでは予測できなかったな。最大の敗因は、入金までに「考える時間」を与えてしまったことだろう。1時間もあれば、相談できるもんな!

騙されたくないヤツは、まず落ち着いて、自分一人で考えず、誰かに相談し、確認するようにしろよ!

まずは疑い すぐ確認! すぐ相談!だぞ!

 ケース8 君は息子の声と違うね!

ある日、息子を名乗る男が泣きながら「お母さん、助けてよ。」と電話をかけてきました。普段なら「声や話し方が違う」ことがすぐにわかったのでしょうが、その時の私は冷静さを失ってしまい、物事が判断できない状況になってしまいました。

話の内容は「職場の先輩に勧められて株を始めた。先輩を信用していたんだけど、インターネットで取り返しの付かない損失を生んでしまい、補填するため会社のお金を使い込んでしまった。その損失の半分を、自分が負担しなければならない。都合出来なければ、会社を辞めなければならない。だから、お父さんには内緒で195万円振り込んで。」とのことでした。

普通の状態でしたら、ここでおかしいと気づくべきですが、何度も言うように、その時の私は平常では無かったのです。電話はここで上司を名乗る男と替わり、「今の内でしたら、損失を補填してもらえば、内密にしておきましょう。」との言葉に、「お金を払って済むなら、そうしたほうが…。」と思い始めていました。

しかし、金額も大きいことから、自分の一存では決められないため、一旦電話を切り、お金を工面したらかけ直すことにしました。相手に告げられた携帯電話の番号が息子のものと違っていたため理由を尋ねると、監査で個人の携帯電話は提出させられているとのことでしたが、特に不審に感じませんでした。

電話を切った私は、息子には「お父さんには内緒にして。」と言われていたものの、黙っているわけにはいかないと、主人の職場に連絡し、すぐに帰ってきてもらいました。

帰宅した主人が、指定された番号に電話し、少しの間話をしていましたが、「君は息子の声と違うね。生年月日を言ってごらん。」と言うと、電話は切れました。

今回の一件で、私の教訓となったことは、

  • まず冷静になること
  • 決して一人では決めないこと
  • 必ず家族や知人に相談すること
  • 息子を信じること

です。今回の事件は本当に勉強になりました。

ポイント

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今回のケースは、ご主人に連絡して、犯人の声を見破ってくれたため、被害を免れましたが、最初は気が動転して平常心でいられなくなってしまいました。

「家族の窮地」を知らされれば、誰だってパニックになってしまうことでしょう。しかし、そうなってしまうと犯人に主導権を握られてしまいます。

どんなに慌てても、一旦電話を切り、落ち着いて まずは疑い すぐ確認! すぐ相談!するようにしましょう。

 ケース9 これはオレオレ詐欺だな?!

ある日、突然かかってきた電話に出ると「息子さんが、県のお金を使い込んだ。問題を大きくしないため穴埋めをしておいたほうが良い。」という内容でした。それを聞いた私はすぐに「オレオレ詐欺」だとわかりました。

そこで私は「あっ、待ってください。嫁に代わりますから。」と、嫁が居る振りをしました。この時、「オレオレ詐欺」だとわかっていたものの、自分がドキドキしていることがわかりました。

一息ついてから「嫁がいると思ったが、車が無いので買い物に出掛けたようです。30分くらいしてからかけ直してください。」と告げると、男は「そうしている間に、警察へ通報されてしまいますよ。」と言い出しました。私は「あっ、いいです。警察へ通報してください。」と言うと、電話は切れました。

私が最初から「オレオレ詐欺」と見抜けたのは、以前から友人と「オレオレ詐欺」について話し合っていたからだと思います。友人なんか「もしオレオレ詐欺の電話がかかってきたら『うちはお金がないから警察に言ってください。私も出向くので、担当は何警察署の何課のどちら様か教えてください。』と答える」と言っていました。

この電話の後、色々な知人に「こんな電話がかかってきた。気を付けて。」と電話をしまくりました。その中で、妹から「『女性を妊娠させてしまった。』という内容で電話があり、表沙汰にしたくない。と言われたらどうする?」と質問されました。私は「息子とその女性を交えて話し合いをしたい。」と答えました。

いずれにしても、被害を免れるために大切なことは

  • 事前に、どう対応するかを話し合っておくこと
  • 穏便に済まそうと考えず、「警察へ通報する」など、取るべき対応を取る

という心構えだと思います。

ポイント

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今回は最初からバレていたようだな。しかし、事前に友人と話し合っていたなんて、最近の県民は手強いな!

トラブルを穏便に済まそうと考えずに、警察へ通報する。」という考えの人ばかりになったら、こちらの仕事はあがったりだよ!みんな、トラブルは穏便に済ませようぜ!

 ケース10 声は似ていたね

ある日の8時30分ころ、息子を名乗る男から「相談したいことがあるから、今日そっちへ行っていいかな?」と電話がありました。私は「うん、いいよ。」と答えました。

それから30分ほどしてまた電話が鳴ったので、今度は娘が出ました。娘は「お母さん、一郎(仮名:息子の名)が大変なことになっているようだ。」と言いました。電話を替わると、男は沈んだ声で「会社の経理の人に騙された自分が会社のお金を使い込んだことになっている。今日の午後監査が入る。その前に半分ずつ返せば、会社にばれない。」と言うではありませんか。私は「そんな馬鹿な!」と思いつつ、「どうして気づかなかったの?心当たりはあるの?」と尋ねると、男は「今考えればおかしいと思ったことはある。」とのこと。私が「それで、どうしたいの?」と訊くと、男は「半分返そうと思う。」と答えました。私が「いくら?」と尋ねると、男は「430万円。でも今都合が付くのは60万円しかない。」と言います。私は不足分を出して欲しいということだと思いましたが、息子の仕事は会社の経理に携わっている様子も無かったので、納得がいかないままでした。私は「電話では詳しい事が分からないから、今からそちらへ直接行く。そこでちゃんと説明してくれる?」と、とりあえず告げると、男は「うん、じゃあ来て。着いたら電話して。」と答えました。

娘と車で息子宅へ向かう途中、お金を引き出し、本物の息子にメールで「向かう途中」だと知らせました。すると、息子から「今日何かあるの?こちらへ来る用事ができたの?」と電話がかかってきました。「えっ!今朝電話で相談したいことがあるって…?!」と訊くと、息子は「オレ、電話なんかしてないよ!」と答えました。ここでやっと騙されていたことに気づきました。

結果的に、私と息子の家が近く、直接お金を手渡そうとしたことが被害を防ぐことができた原因だったと思います。被害に遭わなかったことと、息子が犯罪者にならなかった安堵で、泣きながら自宅まで帰りました。その道中、娘と話し合ったのは「それにしても、電話の声は息子と似ていたね。」ということでした。

(伊豆の国市在住 女性)

ポイント

体験談イラスト-1

今回は、お母さんと娘さん、2人とも「息子さんの声」だと思いこんでしまっています。息子さんからの電話だという先入観から、思いこんでしまったのかも知れません。電話を通しての声ということを差し引いても、冷静な状態であれば、話し方や言葉遣いから本物かどうか見分けることは可能だと思います。

また、息子さんのお宅が近かったため「直接お金を届ける」ということになり、振り込まなかったことがお金を騙し取られないことに繋がりました。しかし、必ずしも家族が近所に住んでいるとは限りません。日頃から家族と連絡を取り合って、近況などを知っておくことが必要ですね。

 ケース11 タケシだけど…

ある日、か細い声の男から「タケシ(仮名:息子の名)だけど、お母さん?」と電話がかかってきました。私は「どうしたの?元気がないね、具合でも悪いの?」と言うと、男は「困ったことが起きたの。会社の上司にインサイダー取引に誘われた。必ず儲かるとのことだったので、集金したお金を使ってしまった。今日中に60万円を入れないと、会社に訴えられてしまう。そのうちの30万円は上司が貸してくれた。残りの30万円を送って欲しい。」と答えました。それを聞いた私は「お金で解決できるのなら、すぐにお金を送るよ。上司に借りなくてもお母さんが60万円送るよ。」と告げると、男は「本当にごめんなさい。お母さん、インサイダー取引って知ってる?」と言い始めました。私は「そんな難しいこと知らないよ。いいから口座番号を言いなさい。」と催促しましたが、男はなおもインサイダー取引の説明をしようとしました。そこへ主人が来たので電話を替わり、「もしもし」と言ったところで電話は切れました。

実はこの電話は最初から嘘だと気づいていました。と言うのも、息子の名前は「タケシ」では無く、「ツヨシ」なのです。それに息子は公務員で、集金や営業とはほど遠い職業なのです。ましてやいつも親に小遣いをくれるような息子が、親からお金を借りようとするでしょうか?わざと電話で長く話そうとしたのは、口座番号を聞き出そうとしたからでした。

被害を免れる要因は、冷静になることはもちろんですが、自分の家族を信用することが大切ですね。

(沼津市在住 60歳代女性)

ポイント

体験談イラスト-2

今回は最初からバレていたようだな。しかし、人の名前の読み方は難しいな!だけど、難しい読み方の名前だからって油断するなよ!犯人が「ふりがな」付きの名簿を持っているかも知れないからな!

息子の職業も、内容まではわからないよな。オレたちの仕事も情報が大切だな!

 ケース12 録音スタンバイOK!

ある日の10時ころ、新聞を読んでいたところへ電話が鳴った。「はい、佐藤(仮名)です。」と電話に出ると、「アー、お父さん、ゴホゴホ、一郎(仮名:息子の実名)だけど、ゴホゴホ。」と男からの電話でした。私が「何だ?声が変だな。」と言うと、男は「風邪ひいたみたいだ。家に風邪薬あったっけ?」と言いました。私が「ある」と答えると、男は「取りに来る」と言って電話は切れました。この時、息子の声がおかしいこと以外にも、話し方が「気取った感じ」で違和感を覚えました。

5分ほどすると、再び同じ男から「会社を出ようとしたら、会計監査で外出できなくなった。」と電話がかかってきました。私が「お前は会計なんか関係ないじゃないか。」と言うと、男は「そうだけど…、後でかけ直す。」と言って電話を切りました。この辺りで「これは詐欺ではないか」と感じ始めました。

また5分ほどして同じ男から「実は自分が会社の金を使い込み、会計監査でそれがばれ、家に帰ることができなくなった。」と電話がありました。すっかり「詐欺」だと確信していた私は、「わかった。よし、もう一度最初から話してみろ!録音機をセットしたから!」と言いました。すると男は「えっ、録音?!」と言い、電話を切りました。その後、再び電話が鳴ることはありませんでした。

もちろん、私の電話機には録音機能など付いていません。しかし、犯人側にとって、会話を録音されることはもっとも嫌うことではないでしょうか?たとえハッタリでも、被害防止には有効な手段の一つだと思います。

(磐田市在住 60歳代男性)

ポイント

体験談イラスト-1

今回のケースの犯人は、最初に「風邪をひいて具合が悪い」と心配させ、時間をおいてから「会計監査で使い込みが発覚して帰ることができなくなった」とさらに心配させるような電話をかけてきています。体調が悪い息子さんを一刻でも早く助けてあげたいという気持ちから、慌てて振り込むのではないかという考えでしょうが、家族を心配する気持ちを逆手に取った卑劣な犯罪です。

しかし、投稿者の方は最初から声と話し方が違うことに気づいており、「会話の録音」を持ち出して、みごとに撃退しています。例え本当に風邪をひいて声が変わってしまっても、話し方はそうそう変わるものではありませんよね。

お問い合わせ

静岡県警察本部生活安全部生活安全企画課

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電話番号:054-271-0110(代表)