いよいよ夏です。初夏の店頭は一年で最も多くの植物が販売される時期です。何を選んでよいのか悩むことでしょう。年々新しい花も増えて、ますます悩む要素がふえます。情報をつかんで、より丈夫で長持ちで綺麗な花を選びたいですね。
初夏の店頭ですが、暑さに強い花ばかりではありません。なかには高温が苦手な花もあるんです。注意が必要な花をあげてみましょう。
インパチェンス
炎天では葉色が焼け開花が少なくなり衰弱します。適地では極端に成長しますので、切り戻しが必要になります。切り株状になっても容易に発芽し早く回復し、開花しつづけます。成長が早く開花し続けるということは、水も肥料も沢山欲しがるということです。世話をしただけもりもりに茂り、まん丸になって沢山咲きます。思い切り刈り込んでも回復する姿は感動すら覚えるほどです。玄関ポーチの下や北玄関のお宅では頼りになる花です。
日陰での組み合わせにはコリウスもおすすめです。このミックスでの植栽はローコストでもりもりの植え込みが短期間で出来上がりおすすめです。しかし短期間で出来上がるということは、最適期も早く過ぎ去るということで、伸びすぎたら早めの切り戻しと、頻繁な追肥が必要です。
ポーチュラカ
炎天に強いご存知の花です。焼けたアスファルトの上でも這っていきます。しかし、半日陰もなかなかお勧めです。炎天では2時ころで花が閉じてしまいますが、半日陰だと夕方まで開花しています。トレニア、メランポジウム、ベコニア、ジニアなど、たいていの花は炎天でも咲いてくれますが、やはり伸びすぎて切り戻しが必要になる植物も沢山あります。
エキザカム
ブルーの小花が涼しげですが炎天は苦手です。株の成長はほとんどせずひたすら咲き続けるので、日陰の寄せ植えに向いています。斑入り植物と組み合わせるとかなりお洒落な寄せ植えが出来ます。
ペチュニア
安いからついつい買いますが、いつの間にやらヒョロヒョロに伸びてしまいます。切り戻して追肥でまた回復しますが、切れない人がたくさんいます。しかし、あまり切ると芽が出ずに枯れてしまう場合もありますので注意しましょう。葉が一枚でもあればその枝は回復するので、葉が無くなるほどに放任しないように、ほどほどのところで切り戻しをしたほうが良いでしょう。
サルビア
夏の定番です。しかし、切り戻ししないで秋を迎えた株は足元が棒状の枝だけになてしまいます。サルビアは切り株状になっても発芽しますので、ザックリいきましょう。
ただし夜温が低下しない8月中旬までに終わらせておくのが理想的です。それは大概の花に言えることですが、8月後半は植物にとってはもう秋です。夏ほどの急激な回復は見込めなくなります。
初夏には春の続きで販売されている花や、数週間しか咲かない夏花壇に不向きな花も混在して販売されています。それを見極めて購入してください。ポップをよく読んで、の店の方に確認してみてください。
カンパニュラ
代表的なもので初夏にはカンパニュラの類が販売されます。カンパニュラは桔梗の仲間です。
最近の桔梗は秋まで長く咲き、宿根性が強く、ずんぐりと格好がよくて非の打ち所がありませんが、桔梗の仲間のカンパニュラの類は3週間程度で開花期間が終了してしまうので、夏花壇の材料としては不向きなものが多いと言えるでしょう。しかも初夏は日向でも、真夏は日陰でないと衰弱するものも多いです。(その反面寒さには強いですが。)水色が綺麗で涼しげなので選びたくなりますが、花壇苗としては我慢しましょう。
夏は、植物によって満開に咲き誇る時期であったり、衰弱してしまったりさまざまです。その特徴を知ることが大切です。アドバイスを求め経験豊富な専門のスタッフに助言を求めるのが近道です。
著者:静岡県グリーンアドバイザーの会静岡県支部
安間秀二
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