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ホーム > 組織別情報 > 経済産業部 > 畜産技術研究所 > 今までの研究一覧へ > 畜産技術研究所研究報告第4号(2011)

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更新日:平成22年8月3日

分娩前の乳汁性状に基づく牛乳房炎の予防的治療効果の検討

檀原麻実・赤松裕久・小柳寿文・板垣昌志 

 
分娩前の乳汁性状が初乳様または水様の場合、粘ちょう度が高いアメ状と比較して細菌分離率が高く、分娩後の乳房炎発症率が高くなることが報告されている。そこで、乾乳期の乳汁性状検査に基づいた分娩前治療試験を実施し、有用性を検討した。当所で飼養するホルスタイン種経産牛45頭を対象に、分娩14日前の乳汁を採取し、乳汁性状が初乳様および水様であった分房を治療群と非治療群に分け、分娩日の乳汁の細菌分離率と分娩後10日以内の臨床型乳房炎発症率、免疫グロブリン(IgG1、IgG2)、ラクトフェリン(Lf)およびα1酸性糖タンパク(α1AG)濃度を比較した。
初乳様および水様分房ともに、治療群では分娩日の細菌分離率が減少し、特にコアグラーゼ陰性ブドウ球菌およびレンサ球菌に対して有効であることが確認された。IgG1、IgG2、Lf、α1AG濃度には差は認められなかった。また、分娩後10日以内の臨床型乳房炎発症率について、水様分房では減少する傾向が認められた。以上のことから、分娩前の乳汁性状が初乳様、水様の分房への抗生物質投与は分娩日の細菌分離率を低下させ、乳房炎制御に有用であることが示唆された。

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エコフィード活用TMR給与牛群におけるバルク乳の味覚調査

赤松裕久・小柳寿文・檀原麻実

 近年注目されているエコフィードの乳牛への利用は、生乳の味覚が低下するといわれている。そこで、エコフィードを活用した混合飼料(Total Mixed Rations:TMR)を給与している牛群のバルク乳について味覚調査を実施した。静岡県西部の大規模TMRセンターにおいて調製されたエコフィード含有TMRを給与する9農場のバルク乳を試験群とし(エコフィードTMR群)、自給グラスサイレージを主体とした5農場のバルク乳(グラスサイレージ群)および輸入乾草を主体とした5農場のバルク乳(乾草群)を対照群として供試し、味覚センサー検査および官能検査を実施した。
その結果、エコフィードTMR群の生乳は、苦味雑味/食(タンパク質系のコク)が乾草群より高く、塩味がグラスサイレージ群より高かった。また、苦味雑味/薬(脂肪酸系のコク)がグラスサイレージ群より低かった。しかし、官能検査においては、3群間で有意な差はなかった。以上のことから、エコフィード含有TMRを給与した牛群の生乳は、味覚センサー上では一定の特性を示すものの、ヒトの舌で感じるほどの差は認められず、味覚は低下しないことが明らかとなった。


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搾乳作業が体細胞数上昇に及ぼす影響

小柳寿文・檀原麻実・赤松裕久                                                 


 
県産生乳の衛生品質向上に資することを目的に、本県における搾乳作業と体細胞数上昇との関連を調査した。県内の繋ぎ飼い酪農家で搾乳頭数20頭以上の79戸を対象に搾乳作業のなかで客観的に評価可能な10項目について調査票を作成し、聞き取り調査を行った。得られた回答について、平成21年度のバルク乳年間平均体細胞数との関係を分析した。
 今回調査した搾乳作業のうち、手袋装着の有無、プレディッピングの実施の有無、乳頭清拭布の枚数、ミルカー装着前の乳頭乾燥、過搾乳の有無、ポストディッピングの実施の有無について体細胞数上昇との関連が認められた。さらに、これらの作業を同時実施することで体細胞数が減少することが明らかになった。以上のことから、日ごろ家畜保健衛生所等で啓発されている搾乳作業は単独で体細胞数低減に効果があることが確認された。さらに、これらの作業が体細胞数上昇にどの程度影響しているか順位付けし、重要度の高い順に同時実施することで、体細胞数低減が期待できることが明らかになった。

 

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乳牛のケトーシスにおける血中3-メチルヒスチジン動態と繁殖機能回復との関連性

赤松裕久・土屋貴幸・小柳寿文・檀原麻実

   
乳牛のケトーシスではエネルギーに加えてタンパク質も負のバランスになり、体脂肪だけではなく、体タンパク質も過剰に動員される。エネルギーおよびタンパク質の過剰動員と分娩後の繁殖機能回復との関連性の検証を目的に、当所飼養のホルスタイン種経産牛17頭を供試し、3-メチルヒスチジン(3-MH)、遊離脂肪酸(NEFA)、インスリン様成長因子-1(IGF-1)の測定と繁殖機能回復の調査を実施した。ケトーシス群では、分娩日のNEFA、分娩14および30日後の3-MHが健康群に比べて高かったことから、乳牛のケトーシスでは分娩日に体脂肪動員が亢進し、分娩14~30日後にかけて体タンパク質動員が亢進することが確認された。また、ケトーシス群の初回発情日数は72±15日で、健康群の44±11日と比較して遅延が認められた。そこで、初回発情日数に影響する血液生化学成分(代謝成分)を調査した結果、初回発情日数は分娩日のNEFAおよび分娩14日後の3-MHと相関することが認められたことから、繁殖機能回復は負のエネルギーバランスおよびタンパク質バランスにも影響されることが示唆された。


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クライオトップ法を用いた低品質ウシ性判別胚の保存法の検討

佐野文彦・土屋貴幸・小柳寿文・小林幸惠・永田浩章・神尾泰宏

 クライオトップ(CT)法の野外利用を目的にストロー内希釈液の基本液およびSucrose(Suc)濃度について検討した。試験1:高品質胚(A,Bランク)を性判別後、CT法で保存した胚を用いた。Suc濃度と基本液の異なる4種の希釈液(①0.5M-199、②0.3M-199、③0.3M-PBS,④0.2M-PBS)を用いてストロー内希釈による移植後の受胎性について調査したところ、0.2M-PBSで良好な受胎率が得られた。試験2:胚日齢の異なる(7日目、8日目)低品質胚(Cランク)を性判別後、CT法で保存した胚を用いた。ストロー内希釈後の生存性について調査したところ、7日目胚の生存率が8日目胚よりも高い傾向にあり、70%以上の生存率が得られた。試験3:7日目、8日目の低品質胚を性判別後、CT法で保存した胚を用いた。ストロー内希釈後の移植成績について調査したところ、33.3%の受胎率が得られた。A,Bランク胚に比べて受胎率は低いものの受胎例が得られたことから、CT法を用いることでCランク胚でも性判別胚を利用できることが明らかとなった。



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乳頭状趾皮膚炎に対するドロマイト系石灰の治療効果の検討

小林幸惠・赤松裕久・佐野文彦・神尾泰宏 

生乳等への残留の危険性が低いドロマイト系石灰について、従来より乳頭状趾皮膚炎(以下PDD)の治療に有用とされてきたオキシテトラサイクリン(以下OTC)との治療効果を検討した。供試牛は、泌乳中期から後期のPDD発症牛7頭(ドロマイト区3頭、OTC区4頭)、治療方法は、PDD発症部位に各薬剤(ドロマイト区;ドロマイト系石灰の乳剤、OTC区;OTC注射薬とアクリノール)を塗布し、両区も包帯を巻いた。包帯は治療4日目に取り外し、治療は1週間間隔で継続した。治癒の判定は、病変が脱落した時点とした。調査項目は、治療回数、血液検査(好中球/リンパ球比、α1酸性糖蛋白(以下α1AG)等) 、治療コストである。
治療回数はドロマイト区は4回、OTC区は5回であった。また、急性相反応蛋白であるα1AG等の血液検査成績から、治療経過とともに炎症が緩和されている傾向が認められた。これらのことから、ドロマイト系石灰はOTCと同等の治療効果を有することが認められた。また、ドロマイト区の1頭あたりの治療費は、OTC区の約1/3で、ドロマイトはコスト面でも優位性が認められた。

 

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周産期における乳牛の体重変動率と繁殖成績および疾病との関連性


河村恵美子・小林幸惠・土屋貴幸・佐野文彦・神尾泰宏
 
 
周産期のエネルギーバランスを適正に保ち、生産性の向上につながる飼養管理の指標を作ることを目的に、体重変動率(WCR:Weight Change Rate)と繁殖成績および疾病との関連性を調査した。当所飼養のホルスタイン種経産牛20頭を共試し、分娩予定30日前、14日前、分娩日、分娩7日後、14日後、30日後、60日後、90日後、120日後に採血および体重測定を実施した。WCRは【(今回体重-前回体重)/前回体重×100(%)】により求めた。
分娩日~分娩30日後の体重減少が小さい程(-7%≦)、初回排卵が早くなった。さらに、分娩予定30日前~14日前の体重増加が大きい程(3%≦)、また、分娩90日後~120日後の体重増加が小さい(2%>)ほど、空胎日数が短縮した。特に、分娩予定30日前~14日前のWCRが3%以上だった群では、分娩後の疾病発症率が有意に低かった。以上のことから、分娩前1ヶ月間は胎仔の成長に合わせた体重増加をさせ、泌乳期の体重の変動は小さく保つ(分娩~泌乳最盛期の体重減少と泌乳中~後期の体重の増加を小さくする)飼養管理が、生産性の向上につながることが示唆された。



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遊具設置が単飼種雄牛の行動に与える影響

稲葉 滿

 
家畜の正常な行動発現により、家畜自身の肉体的・精神的な健康状態を導く。安価で設置が容易な遊具を畜舎に設置し、単独で飼育される種雄牛の行動に与える影響を調査した。供試動物は静岡県畜産技術研究所の種雄牛1頭で、遊具は屋根から垂らした紐で地上約1.3 mの高さに調整したタイヤ及び数珠状ロープを用いた。試供遊具毎に1日15時間観察し、1週間設置-1週間撤去を3反復した。臥位、摂取、立位、立位中における供試材料を利用する行動、敵対行動、身繕い行動の時間を遊具の設置と撤去前後について調査した。タイヤの設置により臥位は93.8 %、摂取は82.5 %に減少し、立位は150.6 %、敵対行動は423.7 %に増加した。タイヤの設置とタイヤ撤去前の立位中に占めるタイヤ利用時間は約15 %と同等だった。タイヤ撤去により臥位は97.3 %に減少し、摂取は108.1 %、立位は108.5 %に増加した。タイヤ撤去後の敵対行動は2,239.1 %と大幅に増加した。数珠状ロープもタイヤとおおむね同様の傾向を示したが、撤去後の敵対行動は182.8 %であった。また、立位中に占める数珠状ロープの利用割合は約5 %とタイヤに比べ低く、立位時間についてはタイヤ、数珠状ロープ共に設置後は約1.5倍に増加した。以上より、飼育環境の変化が敵対行動を誘発し、遊具の設置は遊具の利用時間以上に立位行動時間を増加させる傾向があり、遊具の直接利用行動以外の行動を発現させる誘引になると推察された。



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循環型加圧溶解方式を用いたオゾンの溶解効率に及ぼすpH、ECの影響

佐藤克昭・片山信也・坂田訓章

 
オゾンを用いて搾乳施設排水の処理を行うため、処理効率の良い循環型加圧溶解方式でオゾンを溶解させた場合の溶解効率に対する、排水のpH及びECの影響について検討した。
酸性条件下では、15~30分でオゾン水濃度が5mg/Lの測定上限値に達したが、アルカリ性条件下ではオゾン水濃度の上昇が抑制された。これは、水中の溶存オゾンはpHの上昇に伴って急速に分解し、オゾンの分解速度が溶解速度を上回るようになったものと推定された。
ECの影響はpHに比べて小さく、一般的な酪農排水のECであれば、オゾンの溶解速度に影響を与えないことが明らかとなった。



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循環型加圧溶解方式を用いたオゾンによる有機物の分解に及ぼすpHの影響

佐藤克昭・片山信也・坂田訓章

 
オゾンを用いて搾乳施設排水の処理を行うため、有機物を含む水にpHが異なる条件で循環型加圧溶解方式によりオゾンを溶解させ、有機物の分解速度に対するpHの影響について検討した。
グルコースおよび溶性デンプンを用いて検討したところ、アルカリ処理によって反応性が高いヒドロキシルラジカルの生成が促進され、BODの低下に有効であったが、CODMnやTOCの分解にはpHの影響はほとんど見られなかった。これは、アルカリ処理により生成したヒドロキシルラジカルは、模擬排水として供したグルコースや溶性デンプンの低分子化には関与しているが、完全に分解するには至っておらず、オゾン処理だけで高濃度の有機物を含む排水を浄化することは、オゾンの溶解効率が高い循環型加圧溶解方式を採用しても困難であることが示唆された。



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種・属間雑種牧草の硝酸態窒素濃度とその簡易診断法の検討

古屋雅司・稲垣敦之・佐藤克昭

 
ハイブリッドライグラスとフェストロリウムの硝酸態窒素の蓄積と、水稲の葉色診断で利用されている葉色板(カラースタンダード(C.S.))や葉緑素計(SPAD)を用いて品種別の硝酸態窒素濃度を調査し、品種別の診断が可能であるか検討した。
種・属間雑種牧草ではSPAD値及びC.S.値と硝酸態窒素濃度との相関が低く、イタリアンライグラスと明らかに異なった。イタリアンライグラスの硝酸態窒素濃度の基準値0.2%以上と診断されるC.S.値は7と推察されたが、種・属間雑種牧草はイタリアンライグラスと同じロリウム属の遺伝形質を有するが、その硝酸態窒素の蓄積特性はイタリアンライグラスとは異なるため、硝酸態窒素濃度の診断に際してはイタリアンライグラスで開発された硝酸中毒を回避するためのSPAD値基準の適用をさけ、硝酸態窒素分析などによる診断が必要である。



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改造農機による不良草地の更新効果 第2

稲垣敦之・片山信也・古屋雅司

 
低コスト・省力的かつ不良条件に対応した草地更新技術開発の一環として、簡易更新の効果を検討した。簡易更新は①市販の部分耕耘簡易更新機による播種②ディスクハローで作溝後ブロードキャスタによる散播③省力播種機(前報)で条播、の3通りで、2009年10月1日にハイブリッドライグラス2g/㎡+オーチャードグラス0.5g/㎡を播種し、対照区は無播種とした。1番草の収量調査を2010年5月19日に行い、牧草・雑草の被度と収量性から簡易更新効果を算出した。2番草以降の調査は夏枯れのため断念した。簡易更新を行った区では、対照区に比べ牧草の被度が向上し裸地率が低下した。雑草の被度は市販簡易更新機区と省力播種機区で低かった。1番草の乾物収量は、省力播種機区が対照区の143%と最も高く、更新効果は1ha当り121千円と推定された。市販簡易更新機区とディスクハロー+ブロードキャスタ区はそれぞれ同125%・71千円、133%・94千円であった。ディスクハローを既に所持している経営体では、省力播種機による簡易更新の費用はシードボックス自作分のみであるため、0.2ha以上の作業面積で効果があると考えられた。。



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省力低コスト型システム放牧技術の構築
3.低生産圃場の簡易リノベーション技術の構築  改造農機による不良草地の更新Ⅲ


片山信也・稲垣敦之・古屋雅司

 不良圃場における簡易更新効果が認められた簡易構造の自作草地更新機の普及を図るた
め、特殊な材料や工作機械を必要としない工作法による作成を試みた。さらに、2号機の欠点であった横風による種子散逸を抑制する機能と鎮圧作業を省力化する簡易構造の試作鎮圧ローラも付加した。
簡易構造シードボックス(含む種子落下機構)は、本体を塩ビ管とコンパネのみで構成し、種子落下の促進機構をオモリ付き金属棒とした。種子落下機構はホースによる任意調節式とした。工作工程を①電気熔接等の金属加工を含まない、②部材は全てホームセンター等で入手可能な材料で構成、③製作が日曜大工レベルの工作機械で可能としたことで、シードボックス本体の作成に要した時間は15.9時間で費用は1.5万円程度であった。



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省力低コスト型システム放牧技術の構築 2.土壌保全手法の検討 簡易のり面保全技術の検討

片山信也・稲垣敦之・佐藤克昭・古屋雅司

 
多くが山間地に開設されている公共放牧場の圃場ののり面を専門業者によらずに管理者自身が、身近な資材を使用して省力・低コストに施工可能なのり面保護工を検討した。工法は、シバなどのカバープランツの定着に一般的に利用されるベンネットシートと新規被覆資材としてシュレッダ屑の被覆効果を比較したところ、効果はほぼ同等であり、被覆作業時間は、前者が3.7分/m2、後者は5.8分/m2であった。草種は、初年度はセンチピードグラスが良好であったが、2年目以降はケンタッキーブルーとシロクローバの混播による被覆が良好であった。以上のことから、低コスト・低管理で施行できるのり面保全は、ケンタッキーブルーグラスとシロクローバの混播、シュレッダ屑による被覆による工法が適当と考えられた。しかし、鹿をはじめとする食害とのり面進入による崩壊は牧草密度が高いほど顕著であったことから、ある程度の雑草との混在状態の方が適当と考えられる。


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飼料作物の奨励品種選定試験~イタリアンライグラス

稲垣敦之・古屋雅司

 
極早生2品種、中生2品種を供試し、標準品種と比較した。出穂始めは2009年と比べ極早生品種が平均で4.5日遅く、中生品種では平均で5日遅かった。出穂も同様に極早生品種で9日、中生品種で5.5日遅かった。極早生群では、出穂始めは、‘ハナミワセ’が4月10日と早く、‘あかつき’はこれより12日遅かった。草丈は‘ハナミワセ’、‘あかつき’がそれぞれ75.8cm、88.5cmであり、100cmを超えている中生群と比べると低い。乾物収量は、‘ハナミワセ’‘あかつき’に有意な差は無かった。中生群では、出穂始めは‘タチムシャ’が5月3日、‘さつきばれ’が5月4日で差はなかった。草丈は105から115cmと極早生群に比べ高かったが、倒伏は見られなかった。乾物収量は標準品種の‘タチムシャ’に対して‘さつきばれは’有意な差が見られた。。



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受精卵移植関係事業  (高能力牛群整備促進事業)

佐野文彦・河村恵美子・小林幸惠

 
乳牛の改良の基礎となる高能力雌牛から採取した受精卵を県下酪農家に供給することにより、現在の県平均乳量7,000kgを9,000kgにアップし、本県酪農経営の安定を図る目的で実施し。輸入受精卵の移植によるホルスタイン種とその後継牛および所繋養牛から採卵を行った。回収Bランク以上の正常胚は性判別後、雌胚のみを県下の受精卵移植協議会へ有償配布した。なお、性判別胚はすべてガラス化保存し、利用にあたっては当所、家畜保健衛生所、静岡県経済連畜産バイオセンターで耐凍剤の稀釈処理を行った。また、受精卵の販売に加えて、育成牛を販売した。23頭から延べ32回採卵した結果、181個の卵を回収し、正常胚は68個であった。Bランク以上の胚48個を性判別した結果、15個を雌胚と判定した。このうち、6個を配布した。また、育成牛については、7~23カ月齢の個体5頭(内受胎2頭)を販売した。


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放牧育成事業

稲葉 滿・田端伴行

 (社)静岡県畜産協会を通じホルスタイン種雌育成牛を受託放牧育成し、受胎後、県内各酪農家に帰牧することにより、酪農家の経営負担を軽減すると共に、強健性・連産性に富んだ後継牛を確保する。また、受託牛は受精卵移植関連研究に供用する目的で実施した。同協会管理の共同育成場(天城牧場)から、平成21年12月から平成22年2月までの5回に計42頭が入牧した。平成22年度の受託頭数は、延べ15,177頭、平均41.6頭/日 で、平成22年度放牧育成牛の入牧月齢は11.0ヵ月(A群11.8ヵ月、B群9.4ヵ月)、体重は、283.6kg (A群305.1kg、B群240.5kg)であった。退牧時直近の月齢と体重は、23.0ヵ月(A群23.48ヵ月、B群22.1ヵ月)、592.1kg (A群599.1kg、B群578.1kg)であった。舎飼期間中のDGは馴致放牧前1.09kg/日、終牧後1.23kg/日であったが、放牧期間中のDGは0.54kg/日(表2)であった。


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家畜改良推進事業  ~BLUP法アニマルモデルによる育種価の推定~

稲葉 滿・田端伴行

 繁殖雌牛の遺伝的能力評価を実施する上で重要な情報である枝肉成績を用いて、本県繁殖雌牛の産肉性に関する遺伝的能力を評価するために育種価を解析した。静岡県内で肥育または生産された黒毛和種のうち、平成5年から平成22年12月までに収集された血統情報と枝肉成績が合致する8,480頭(雌:2,868頭、去勢:5,612頭)の枝肉記録と肥育牛の血縁個体30,120頭(種雄牛:890頭、繁殖雌牛:29,230頭)のデータを用いた。枝肉成績は、前報の解析値に比較し、枝肉重量で4.1kg、ロース芯面積で1.1cm、脂肪交雑で0.06増加していた。また、歩留等級では92%がA等級に分類され、肉質等級では4及び5等級の割合は、67%であった。産肉形質の遺伝率は6形質のうち、遺伝率の最も低いのはバラ厚の0.408で、最も高いのは脂肪交雑の0.705であった。繁殖雌牛の育種価については、現在供用中の7,872頭の繁殖雌牛より、ロース芯面積、皮下脂肪の厚さ、歩留基準値は高い傾向が認められたが、バラの厚さはやや低い傾向が認められた。脂肪交雑は同程度であった。


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農業関係試験研究委託事業に係る牧草の系統適応性検定試験事業(フェストロリウム)

稲垣敦之・古屋雅司

 独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構牧草育種関係研究センター及び牧草育種指定試験地で育成されたイネ科牧草のうちフェストロリウムの新系統について、本県における適応性を検定した。
供試品種は‘那系1号’、‘那系2号’、‘東北4号’で、‘東北1号’(標準品種)及び‘バーフェスト’(比較品種)と比較した。6月から8月にかけて平均気温が高かったため、著しい夏枯れが発生したが、生存率は系統間で大きく異なり、‘那系1号’が28.7%と最も高く、‘バーフェスト’が0.9%と最も低かった。
 出穂始めは‘東北1号’に比べ、‘那系1号’が10日、‘那系2号’が2日、‘バーフェスト’と‘東北4号’が1日早かった。出穂期は‘東北1号’に比べ‘那系1号’が7日、‘東北4号’が1日早く、‘バーフェスト’と‘那系2号’は2日遅かった。草丈は1番草から3番草を平均して‘東北4号’が70.0cmと最も高く、‘バーフェスト’が54cmと最も低かった。倒伏は‘東北1号’が1番草で1.3であった以外は、その他の品種・系統および他の番草には見られなかった。生草収量及び乾物収量は‘東北4号’が多かった 。


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農業関係試験研究委託事業に係る牧草の系統適応性検定試験事業(ペレニアルライグラス)
稲垣敦之・古屋雅司

独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構牧草育種関係研究センター及び牧草育種指定試験地で育成されたイネ科牧草のうちペレニアルライグラスの新系統について、本県における適応性を検定した。
供試品種は‘八ヶ岳T-26’、‘八ヶ岳T-27’で、‘ヤツカゼ2’(標準品種)と比較した。6月から8月にかけて平均気温が高かったため、著しい夏枯れが発生したが、生存率は系統間で大きく異なり、‘八ヶ岳T-27’と‘八ヶ岳T-26’がそれぞれ20.4%、18.5%であり、ヤツカゼ2は1.1%であった。
ペレニアルライグラスの出穂始めは‘ヤツカゼ2’に比べ、‘八ヶ岳T-27’が3日、‘八ヶ岳T-26’が2日早かった。出穂期は‘ヤツカゼ2’に比べ‘八ヶ岳T-26’‘八ヶ岳T-27’ともに1日早かった。
 ペレニアルライグラスの1番草の草丈は‘八ヶ岳T-26’が97cmと最も高く、次いで‘八ヶ岳T-27’の95cm、‘ヤツカゼ2’が87cmと最も低かった。生草収量は‘八ヶ岳T-27’が最も多く、乾物収量も同様に‘八ヶ岳T-27’が多い傾向であった。

 

お問い合わせ

静岡県経済産業部畜産技術研究所

〒418-0108富士宮市猪之頭1945

電話番号:0544-52-0146

ファックス番号:0544-52-0140

メール:chikugi-soumu@pref.shizuoka.lg.jp