式典に参加された視覚に障害のある方からお話を伺ったのですが、コロナ禍で困っていることがあるそうです。皆さんは、密を避けるため人との距離をとっていると思います。今年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「ソーシャルディスタンス」ですが、視覚に障害がある方はどうすればいいのでしょうか。
例えば、最近では買い物などでレジに並ぶと、床に線がひいてあったり、シールが貼ってあったりします。前の人と距離をとりましょうという目印ですが、視覚に障害がある方は見ることができません。
すぐそばに人がいるかどうかは、気配で分かるそうですが、1メートル離れると話し声でもしない限り分からないそうです。更にマスクをして声を出すことさえも控える中、誰かに聞きたくても声を掛けにくい状況となり、今まで以上に暮らしにくくなっているそうです。
また、視覚に障害のある方のホームからの転落事故は毎年のように発生し、まさに式典の日にも東京でホームから男性が転落し亡くなるという痛ましい事故が起きました。
ホームドアの設置も検討・実施されていますが、全ての駅に設置するには数も多く、時間も費用も掛かります。
このような状況を受け、県では、平成29年度から「声かけサポーター養成講座」を開催しています。
これは、視覚に障害のある方を講師に招いて、ご自身の体験をお話いただくなど、実際の場面を想定しながら駅ホームや路上などで声かけを行う際のコツやタイミングを習得してもらうものです。
県内の鉄道事業者の協力を得て実施しており、今年度は高等学校7校の生徒が参加しています。また、来年1月には一般の方向けの講座を開催する予定です。一般募集で実際に駅のホームを利用して、「声かけ」とサポートの基本を学べる講座を実施いたします。
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