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更新日:令和4年5月18日

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出野副知事コラム

第9回『公益社団法人静岡県視覚障害者協会結成70周年記念式典に出席しました。』

先日、公益社団法人静岡県視覚障害者協会結成70周年並びに法人化35周年記念式典が開催されました。私も当日、お祝いを申し上げに伺いました。

 

会場のシズウエル(静岡県総合社会福祉会館)に入ると、向き合って手に触れている方が何人かおられました。皆さんは、「同行援護」という言葉を御存知ですか?同行援護とは、視覚に障害のある方の食事や買物などの外出に同行し、視覚情報の提供や移動の支援を行うガイドヘルパーのことです。会場にはこうしたヘルパーの方々もおられたのです。それから、手を触っているように見えたのは、「触手話」と呼ばれるもので、視覚と聴覚の両方に障害のある方への情報伝達のための手段です。

 

式典は、県議会議長をはじめ、国会議員の方などを来賓に迎え、盛大に行われました。来賓のお一人に、社会福祉法人日本視覚障害者団体連合(日視連)の会長の竹下義樹氏がいらっしゃいました。竹下さんは、日本初の全盲の弁護士です。今でも全盲の弁護士は全国に5人ほどしかいませんが、その先駆けです。今年の9月にNHKのテレビ番組「逆転人生」にも取り上げられましたので、御覧になった方もおられると思います。

竹下会長からは、これまで通勤や営業活動では利用できなかった同行援護などの福祉サービスが10月から利用できるようになったとお話がありました。これは画期的なことであり、日視連をはじめ関係の皆様のたゆまぬ努力の賜物です。心より敬意を表します。

 

 

式典に参加された視覚に障害のある方からお話を伺ったのですが、コロナ禍で困っていることがあるそうです。皆さんは、密を避けるため人との距離をとっていると思います。今年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「ソーシャルディスタンス」ですが、視覚に障害がある方はどうすればいいのでしょうか。

例えば、最近では買い物などでレジに並ぶと、床に線がひいてあったり、シールが貼ってあったりします。前の人と距離をとりましょうという目印ですが、視覚に障害がある方は見ることができません。

すぐそばに人がいるかどうかは、気配で分かるそうですが、1メートル離れると話し声でもしない限り分からないそうです。更にマスクをして声を出すことさえも控える中、誰かに聞きたくても声を掛けにくい状況となり、今まで以上に暮らしにくくなっているそうです。

また、視覚に障害のある方のホームからの転落事故は毎年のように発生し、まさに式典の日にも東京でホームから男性が転落し亡くなるという痛ましい事故が起きました。

ホームドアの設置も検討・実施されていますが、全ての駅に設置するには数も多く、時間も費用も掛かります。

このような状況を受け、県では、平成29年度から「声かけサポーター養成講座」を開催しています。

これは、視覚に障害のある方を講師に招いて、ご自身の体験をお話いただくなど、実際の場面を想定しながら駅ホームや路上などで声かけを行う際のコツやタイミングを習得してもらうものです。

県内の鉄道事業者の協力を得て実施しており、今年度は高等学校7校の生徒が参加しています。また、来年1月には一般の方向けの講座を開催する予定です。一般募集で実際に駅のホームを利用して、「声かけ」とサポートの基本を学べる講座を実施いたします。

 

 

困っている人が声を上げるのではなく、困っている人を見かけたあなたから積極的に「声かけ」をしましょう。そうすることで、誰もが安心して暮らせるまちづくりが一歩ずつ確実に進んでいきます。また、来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。世界から多くの方が訪れます。おもてなしの心得としても役立つ「声かけ」は、ウィズコロナ時代にこそ必要なことではないでしょうか。

関心を持っていただいた方は、ぜひ「声かけサポーター静岡」で検索してみてください。それから、掛ける言葉は、「大丈夫ですか?」ではなく、「お手伝いしましょうか?」「お手伝いできることはありますか?」がよいそうです。

 

 

インターネットやSNSが普及し、日々の生活の中に情報があふれる時代ですが、そうした情報を得ることができない方々もいます。近年では、ICT(情報通信技術)を活用した情報機器の導入が進み、スマートフォンを活用したアプリなど、視覚に障害のある方を支援する動きも加速してきています。しかし、ICTは万能ではなく、人と人が助け合う共助が必要であり、障害のある方が暮らしやすい社会は、誰にとっても暮らしやすい社会です。

県としても引き続き障害のある方が安心して暮らせる社会を目指して様々な取組を進めます。県民の皆様も慌ただしい世の中ですが、少し立ち止まって「声かけ」を実践していただけたらと思います。

 

 

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