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ホーム > 県政情報 > 県政総合 > ようこそ副知事室へ > 副知事 出野勉 > 出野副知事コラム > 第13回『ふじのくに少子化突破戦略の新・羅針盤について』

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更新日:令和4年5月18日

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出野副知事コラム

第13回『ふじのくに少子化突破戦略の新・羅針盤について』

我が国が抱える課題のひとつが「少子化」であることは論をまたないところだと思います。「少子」という言葉(一番若い子、末っ子という意味)は昔からあったのですが、「少子化」という言葉自体は、意外に新しい言葉で、平成4年度の国民生活白書で初めて使われ、その中で「出生率の低下やそれに伴う家庭や社会における子ども数の低下傾向」と説明されています。

 

さて、「子ども数の低下傾向=少子化」が政策課題として取り上げられるようになったのは、平成2年のいわゆる「1.57ショック」からです。「1.57ショック」とは、合計特殊出生率(※)の低下に対する社会の驚きを示した言葉で、平成2年6月、前年の平成元年の合計特殊出生率が、それまで最低であった「丙午(ひのえうま)」の年(昭和41年)の1.58よりも低い戦後最低の1.57であると発表されたことが契機となりました。


※合計特殊出生率とは

「15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」であり、一般に「一人の女性が一生の間に生む子どもの数」と解釈される

 


出生数と合計特殊出生率の年次推移(全国)

 

少子化の進行は、人口(特に生産年齢人口)の減少につながり、市場規模の縮小や経済成長率の低下など、高齢化と相まって社会経済に多大な影響を及ぼす深刻な問題です。

 

「静岡県少子化対策に関する県民意識調査」(令和元年11月)によれば、結婚を希望する若者は約8割おり、既婚者が理想とする子どもの数は2.43人でした。結婚や妊娠、出産等については、個人の考え方や価値観に基づき、自由な選択に委ねられるものでありますが、その希望が叶えられていないという現状があります。

本調査の結果から、結婚を希望する人が結婚でき、子どもを持ちたいと望む人が、理想とする数の子どもを安心して生み育てることができる社会が実現すれば、「少子化」も解決に向かうということができます。

 

県では、静岡県の新ビジョン(総合計画)において、「自分が望む数の子どもを生み育てられる社会」を理想の姿に掲げ、目指すべき方向性として、「合計特殊出生率の向上」を位置付けています。この「合計特殊出生率」を市町別で見てみますと、同じ地域内でも高い市町と低い市町が混在し、大きなばらつきが見られます。このばらつきがどのような要因で生じているのかを把握・分析した上で、分析結果を「見える化」し、少子化対策に関する効果的な取組を進めるために、「ふじのくに少子化突破戦略の羅針盤」を平成28年2月に作成しました。

この「ふじのくに少子化突破戦略の羅針盤」は、内閣府が取りまとめた、「令和2年版少子化社会対策白書」にも地域の先進的な取組として紹介されているのですが、このたび、国から6年ぶりに市町別合計特殊出生率が公表されたことを受け、転入・転出といった「人口の社会増減」との関係性も加えて、改めて分析を行いました。人口統計学、地域人口学、地域経済学、家族社会学を専門としている有識者からの助言を頂くとともに、市町・大学生との意見交換会も経て、令和3年3月、ここに、「新・羅針盤」として取りまとめました。

 

 


大学生との意見交換の様子

 

この「新・羅針盤」の特徴を2つ挙げます。

ひとつは、「若者の転入が多い市町ほど、合計特殊出生率が高い傾向にある。」ということを検証したことです。ある地域の人口に対する純移動数(ある地域への転入数とその地域からの転出数の差)の比率を表した純移動率(若者の転入・転出)が変動すると、合計特殊出生率も変動することを、全国で初めて「見える化」しました。

下の図を御覧ください。

横軸に純移動率、縦軸に合計特殊出生率を置き、県内すべての市町の数値を描き入れたところ、右上がりの分布となりました。

このことから、若者の転入出が合計特殊出生率に影響を及ぼす可能性があることをお分かりいただけると思います。
 


合計特殊出生率と純移動率の分布

 

もう1つは、新たに収集した23種類の社会経済指標を基に、合計特殊出生率に影響を及ぼす要因を「5つの地域力」(地域の働く力、地域のにぎわい力、乳幼児サポート力、子育て基盤力、家族・地域の絆力)として整理したことです。これらの5つの地域力の状況を市町ごとにチャート化し、各市町が少子化対策を講ずべきポイントを明らかにしました。

結婚や出生に影響を及ぼす要因をこれらのデータのみで理解し判断することには限界がありますが、少子化の現状に関する要因分析をしっかりと行った上で企画立案することは、施策の目的を明確化し、その効果の測定に重要な関連を持つ情報やデータに基づき事業を進める、Evidence-Based Policy Making(頭文字4文字から「EBPM」と略される。)の実践といえます。

 

あわせて、今回の「新・羅針盤」の作成を通じて、県と市町が、今後取り組むべき施策の方向性について共通認識を持つことができたのは、行政が一丸となって少子化対策に取り組んでいくにあたり、とても大切なことであると感じています。

また、今回の「新・羅針盤」は、市町ごとの状況等を具体的にイメージできるよう図やグラフを用いたほか、少子化“突破”に向けた市町長のメッセージを寄せていただくなど、県民の皆様にとって身近に感じていただけるように工夫しています。

 


(PDF:2,020KB)

「ふじのくに少子化突破戦略の新・羅針盤」の市町別分析ページの例

 

今後とも、市町と連携し、出会いや結婚を望む若い世代が家庭を築き、安心して子どもを生み育てることができる「夢がかなう “ふじのくに”」づくりに取り組んでまいります。

 

「ふじのくに少子化突破戦略の新・羅針盤」はこちら

https://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-130/toppa.html

 

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