少子高齢化が進展する中で持続可能な経済社会の実現に向け、デジタル化の推進は必須であり、また、ウィズコロナ、アフターコロナの時代においては、三密を回避し非対面・非接触で行う様々な手続のオンライン化やリモートワークの導入・促進などをより一層進めていく必要があります。
こうした状況を踏まえて、国は、社会全体のデジタル化を推進するため、昨年12月にデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針やデジタル・ガバメント実行計画、自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進計画を打ち出しました。5月12日にはデジタル関連法案が成立し、9月にはデジタル庁が創設され、デジタル改革の司令塔として各省庁への勧告権など強力な権限を持たせるとともに、国の情報システムの統合や地方のシステムの標準化などが進められます。
本県においても、本年度、知事直轄組織にデジタル戦略局を設置し、デジタル戦略担当部長が各部局のデジタル推進官を統括するなどオール県庁でデジタル化を推進する体制を整備し、CIO(情報化統括責任者)である私の先導のもと、県のみならず市町への支援や県全体のDXを牽引すべく、デジタル関連施策に取り組むことといたしました。
静岡県のデジタル戦略推進体制
4月22日には、私が本部長を務める静岡県デジタル戦略推進本部会議を開催し、次期高度情報化基本計画「ふじのくにDX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画(仮称)」の策定や、デジタル技術の活用による県内の様々な課題解決に向けた取組に着手したところです。
第1回デジタル戦略推進本部会議の様子
「ふじのくにDX推進計画(仮称)」の表紙は、田貫湖、富士山、富士山頂にかかる日の出を構図とした写真で、コロナ禍にある現況にデジタル化の推進で明るい希望をもたらすことをイメージしています。
ふじのくにDX推進計画(仮称)の表紙
計画の骨子案では、”デジタル化で社会改革「誰にも優しく、誰もが豊かに、安全・安心、そして便利に」”を基本理念として、基本方針に「地域社会におけるデジタル化の牽引」、「市町DXの推進への支援」、「県庁のDXの推進と新たな価値の創造」の3つの柱を掲げています。特に、「誰にも優しく」を基本理念の先頭に持ってきたのは、デジタル化で誰にも優しい社会を作るとともに、誰一人取り残さないデジタル化を目指すという意思の表われです。基本方針に基づく取組を着実に進めていくことが、「ふじのくにのデジタル社会の実現」につながるものと考えています。
「ふじのくにDX推進計画(仮称)」骨子(案)のポイント
なお、計画の策定や課題解決に向けては、データベースや電子行政などの専門家で構成する「静岡県デジタル戦略顧問団」に支援を頂きながら、全ての県民の皆様がデジタル化の恩恵を享受できるよう取組を進めていきます。
静岡県デジタル戦略顧問団の名簿
また、県では、5月からひとり1台モバイルパソコンの配備が始まりました。モバイルパソコンの導入で、いつでもどこでも柔軟に仕事ができる環境が整うため、業務のペーパーレス化やテレワークを実現できます。また、これとともに行政手続のオンライン化の推進や執務室のペーパーストックレス化の徹底など、デジタル化に合わせて「今までの働き方を変える」という職員の意識改革も必要になってきます。
デジタル化の推進は、”目的”ではなく”手段”であり、私たちの生活様式を一変させてしまうくらいのインパクトがあるので、「まず隗(かい)より始めよ」で県庁の働き方を改革していきます。
年内には「ふじのくにDX推進計画(仮称)」を策定し、行政はもとより、社会全体のデジタル化を一層進化させ、誰にも優しく、誰もが豊かに、安全・安心で、そして便利に暮らせるふじのくにの実現を目指してまいります。
県職員の皆様方は、ひとりひとりが他人事と思わず、自らの職務であると認識し、それぞれがデジタル化のリーダーとなるよう、この推進計画への積極的な参画をお願いします。
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