川奈臨海学園は、結核児等の健康増進を目的とした施設(虚弱児施設)として、県が昭和30年に伊東市川奈に設置しました。
その後、運営主体が社会福祉法人恩賜財団済生会支部静岡県済生会へ移行し、また、児童虐待の増加といった子どもを取り巻く環境の変化を要因とした平成10年の児童福祉法の改正に伴い、虚弱児施設から虐待など様々な事情により家庭で暮らすことのできない子どもの養護・自立援助を目的とした児童養護施設へと役割を変え、今日に至っています。
今回の改築は、昭和47年に建てられ老朽化が著しい建物について、済生会が国・県の助成を受けて行ったものです。
改築前の建物では、1部屋につき5~8人の児童が暮らし、食堂や風呂など大人数で共用する形態であったため、親から虐待を受けた子ども達が入所者の大半を占め、子ども一人ひとりに対するケアが重要な現状には、そぐわない面がありました。
このことから、改築により一新された建物では、児童の居室を個室(幼児のみ1部屋につき2人)にして、リビングやキッチン、風呂、トイレなどの生活空間を6人で共有するユニット形式を採用し、家庭的な養育環境が実現されています。
これにより、これまで以上に職員が児童と接する時間が増え、深い信頼関係が築かれることを期待しています。
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