県議会開会日の提案説明
平成12年2月県議会定例会知事提案説明要旨

(地域を支える産業の活力向上)

<商工業の振興>

 次に、商工業の振興についてであります。

 高度化・専門化しつつある地域の商工業者への支援体制を強化するため、新しい時代に向けての商工会等の望ましい経営指導体制を検討するとともに、中小企業向けの経営安定、体質改善に必要な資金の確保やユニバーサルデザインを取り入れた新製品の開発支援を行うなど、地域を支える商工業の活力向上を図ってまいります。

<観光の振興>

 観光振興につきましては、観光は交流であるとの視点に立ち、富士山や伊豆をはじめとする豊かな地域資源を活用した交流人口拡大のための施策を積極的に展開いたしますとともに、全庁を挙げて交流のための施策を推進してまいります。

 また、本年4月からJR6社と連携して実施する「DC」キャンペーンにおきましては、「伊豆新世紀創造祭」や「静岡"葵"博」などをはじめ、県内各地域の魅力ある観光資源を全国に情報発信することにより、入込客の増大を図ってまいりたいと考えております。

<農林水産業の振興>

 次に、農林水産業の振興についてであります。

 「静岡県農林水産業新世紀ビジョン」につきましては、昨年12月、中間とりまとめとして「素案」をお示ししたところでありますが、今後、県民討論会等の開催を通じ、関係機関をはじめ皆様からの御意見をいただきながら、21世紀初頭の本県農林水産業と農山漁村地域のあるべき姿をまとめてまいりたいと考えております。

 次に、中山間地域等直接支払制度につきましては、中山間地域の担っている水源かん養、保健休養機能など多面的機能を守ることを評価する我が国農政史上初めての制度であり、中山間地域で懸念されている遊休農地の増加などを防止することが期待されますことから、関係市町村と連携を取りながら、円滑な実施に努めてまいります。

 また、県内に見られる遊休農地対策として、新たに14市町の実態を調査するとともに、調査済みの市町村を中心にモデル的に地域マネージャーを設置し、農業者と地域住民が一体となった、遊休農地対策を進めることとしております。

 茶業振興対策につきましては、新たな茶業振興基本計画の策定を進めるとともに、お茶講座の開催、全国高等学校総合文化祭での若者へのお茶のPRや平成13年開催予定の「世界お茶まつり」に向けた取組を進めることなどにより、緑茶需要の拡大や茶産業の一層の発展を図り、我が国茶業のリーダーとしての本県の地位を確立してまいりたいと考えております。

 花き産業の振興につきましては、花き生産者並びに花き関係業界、造園業界など園芸関連団体が一体となって、県民に花と緑にあふれた生活を提案する「花咲くしずおか」県民運動を展開し、花の消費拡大を図ってまいりたいと考えております。

 林業につきましては、県産材の利用促進が地域林業振興を図る上で大変重要でありますことから、質の良い木造住宅の供給に向けたネットワークづくりを推進するなど、産地形成の取組を進めることとしております。

 次に、駿河湾深層水の利活用につきましては、本格的な取水施設は、平成12年度完成を目指して工事を進めておりますが、水産関係の利用に加え、食品産業や健康産業など深層水を利用した多種多様なビジネスの展開が促進されますよう、県の試験研究機関と共同研究を行う民間企業等に対しまして、完成に先立って、深層水の提供を行うこととしております。

 また、平成13年秋に焼津漁港において開催いたします「第21回全国豊かな海づくり大会」につきましては、簡素な中にも全国からの皆様を温かくもてなす静岡ならではの大会とすべく鋭意準備を進めております。


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