県議会開会日の提案説明
平成13年2月県議会定例会知事提案説明要旨

(2)重点項目

 重点項目の第一は、「安心社会の構築」であります。

 「快適空間しずおか」の実現のためには、老若男女誰もが安心して健やかに暮らせる安心社会の構築が大変重要であります。このため、予想される東海地震への防災対策に万全を期するとともに、警察官の増員や交通安全対策の推進、救急医療体制の整備・充実などにより、誰もが安心して暮らせる社会を構築してまいりたいと考えております。

 さらに、子育て支援の推進、介護保険制度の円滑な運営を図るとともに、障害者の自立促進や福祉・医療体制の整備・充実を図るなど、県民の皆様が健やかに暮らせる社会の実現を目指してまいります。

 第二は、住む人も訪れる人も快適と感じる「魅力あふれるしずおかの創造」であります。

 まず、地域社会、家庭、学校を含めた社会全体で、「人づくり」に取り組むほか、世界をも視野に入れたイベントの開催を通じて、本県の魅力を国内外に積極的に情報発信するとともに、空港や道路などの交流基盤の整備を着実に進めてまいります。

 また、本県の豊かな自然と良好な環境を将来の世代に継承していくことが何よりも大切でありますことから、本県の財産である南アルプスや富士山の環境保全活動の推進、里山の自然を活かした県民のうるおい空間の創出などを通じて、人と自然が共生する県土づくりを進めてまいります。

 一方、本県が将来にわたり魅力と活力にあふれる雄県であり続けるためには、常に、技術革新や高度情報化の潮流を先取りし、元気ある独創的な産業を創出していくことが必要であります。

 このため、新事業・新産業の創出、IT化やベンチャービジネスへの積極的な支援を行うとともに、本県産業を支えるものづくり技術の高度化や人材育成を図るための施策を積極的に推進してまいります。

 第三の重点は、「行政の生産性の向上と財政健全化への取組」であります。

 東京都、大阪府などの大都市地域を中心とした地方自治体が財政赤字に陥り、財政再建が叫ばれる中、本県におきましては、財政的体力が残っている段階で、健全化の具体的な数値目標を盛り込んだ財政健全化計画を策定し、県議会や県民の皆様の御理解と御協力を得ながら、将来の本県の発展のための財政基盤の安定化に、いち早く取り組んできたところであります。

 平成12年度2月補正予算においても、企業収益の改善により県税収入が増加する中、経費の節減などの財政運営努力の結果、県債の繰上償還が可能となるとともに、当初予算で取崩しを予定していた基金の一部を13年度において活用することが可能となったところであります。

 さらに、平成13年度当初予算の編成に当たりましては、県債の発行を極力抑制し、財政健全化計画の目標である県債残高2兆円程度を堅持するとともに、基金の活用などにより、財政健全化債の発行を回避することができました。

 今回、健全化計画の見直しを行いましたが、財源不足額の縮減、財政健全化債の発行額の抑制や活用可能基金残高の拡大など、平成16年度の収支均衡に向け、大きく前進しているものと考えております。

 また、地方の世紀とも言うべき、新たな時代の潮流の中で、成果の見える行財政改革をさらに推進するとともに、「協働(コラボレーション)」を戦略的政策の一つと位置づけ、県民参加による行政の推進やNPOとの連携強化を図るなど、新世紀を見据えた新たな行財政の仕組みづくりにも取り組んでまいりたいと考えております。


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