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ホーム > ようこそ知事室へ > 県議会開会日の提案説明【ようこそ知事室へ】 > 令和4年2月県議会定例会知事提案説明要旨 > 令和4年2月県議会定例会知事提案説明要旨3-2-2

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更新日:令和4年3月4日

県議会開会日の提案説明

令和4年2月県議会定例会知事提案説明要旨

【3.人づくり・富づくりを具体化する取組】
(2)持続的な発展に向けた新たな挑戦

 

次に、環境と経済が両立した社会の形成についてであります。

 

脱炭素社会の構築につきましては、近年、世界各地で地球温暖化に起因すると考えられる異常気象や豪雨災害が頻発しており、気候変動は全世界の国々が直面している喫緊の課題であります。本県においても、地球温暖化に迅速かつ的確に対応していくため、2050年までに脱炭素社会を実現することを長期目標としております。

2030年度の温室効果ガス排出量につきましては、国の目標を上回る2013年度比46.6%削減を目標に掲げた「地球温暖化対策実行計画」を、本年度中に策定いたします。地球温暖化対策の推進は、将来世代に対する、今を生きる私たちの責任という認識の下、県民や企業の皆様と連携し、社会総がかりで温室効果ガスの排出削減に取り組み、脱炭素社会の実現を目指してまいります。

 

徹底した省エネルギー社会の実現につきましては、産業、業務、家庭、運輸、それぞれの分野における徹底した省エネルギー対策を進めることで、二酸化炭素の排出を削減します。計画に掲げる目標を達成するためには、排出量が大きい産業・業務部門において、これまで以上に脱炭素化を進める必要があります。

このため、中小企業脱炭素化推進協議会を中心とした新たなプラットフォームを構築し、相談窓口の設置、ニーズに応じた専門家派遣、人材育成セミナーなどを実施いたします。また、中小企業の事業所、店舗等の省エネルギー化を進めるため、ボイラーや空調設備などの省エネルギー設備の導入に対する助成制度の創設や、資金調達支援などを行ってまいります。

家庭部門の省エネルギー化につきましては、新築住宅のZEH(ゼッチ)化(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、既存住宅の断熱改修への支援、県民運動「ふじのくにCOOLチャレンジ」の展開などにより、ライフスタイルの脱炭素化を図ってまいります。

県自らの取組といたしましては、県有建築物のZEB(ゼブ)化(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)や道路照明灯・信号機のLED化を進めるほか、公用車の電動車化に取り組みます。

 

再生可能エネルギーの導入・利用促進につきましては、脱炭素化を進めるためには、エネルギー源を化石燃料から自然由来の再生可能エネルギーに転換することが不可欠であります。本県は、全国トップクラスの日照環境や豊かな水、森林等の地域資源を有しています。この地域特性を活かし、再生可能エネルギーの導入を拡大してまいります。

富士山静岡空港や清水港などの公共施設において、率先して再生可能エネルギーの導入を図るとともに、民間事業者による太陽光発電、小水力発電、バイオマス発電の導入を強力に支援してまいります。また、水素社会の到来を見据え、水素ステーションの設置に対する助成を行うなど、自立分散型エネルギーシステムの構築を促進いたします。

 

技術革新の推進につきましては、本県経済を牽引する自動車産業は、電動化、デジタル化、脱炭素化のグローバルな課題に直面しており、スピード感のある対応が求められています。

次世代自動車センター浜松を中心とした企業間連携による製品開発の強化、デジタル人材の育成、脱炭素経営の推進を図るほか、工業技術研究所を拠点としたデジタルものづくりの支援体制を強化し、急速に進む産業構造の大転換に地域企業がいち早く対応できるよう、全力で支えてまいります。

全国に先駆けて取り組んでいる植物由来で環境負荷が低い新素材CNF(セルロースナノファイバー)について、自動車用部材への産業応用に向け、今月、関連企業、大学、金融機関などで構成する研究会を立ち上げました。今後は、研究会の御意見も踏まえ、循環型経済における新しいビジネスモデルの構築を目指してまいります。

 

次に、地域循環共生圏の形成についてであります。

本県の進める“ふじのくに”のフロンティアを拓く取組の第1期では、74の推進区域のうち本年度末で約7割となる52区域が完了し、新たな産業の振興や雇用の創出、ゆとりある住空間など、様々な効果が生まれています。現在の第2期では、地域の共生と対流を促す推進エリアを創設し、新たなワーケーションスタイルの構築や、スマート農業の展開、地域交通と連携したMaaSなど、多岐にわたる11エリア18市町の取組を認定し、地域の特性を活かした取組を段階的に進めてまいりました。

取組期間を1年前倒しして来年度から取り組む第3期では、脱炭素社会への移行や、循環型社会の形成、自然との共生の実現、SDGsの達成などを強力に推進するため、新たに「地域循環共生圏」の形成を推し進めます。これまでの地域の共生と対流の創出を進めつつ、県内4つの圏域において、地域特性を活かした「地域循環共生圏」の形成に発展的に取り組むことにより、環境と経済が両立する社会を目指してまいります。

 

次に、リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全についてであります。

昨年12月19日に、第13回リニア中央新幹線静岡工区有識者会議が開催され、大井川水資源問題に関し、有識者会議がJR東海に対して行ってきた約1年8か月の助言・指導、議論の内容を総括する「大井川水資源問題に関する中間報告」が取りまとめられました。

中間報告では、多くの新たな知見が示されるとともに、「JR東海は、中間報告の内容を十分に理解し、有識者会議におけるこれまでの助言・指導等を踏まえ、作成した取組み資料に基づき、水資源利用への影響の回避・低減に関する取組みを適切に実施すべきである。」とされています。

このことにより、大井川水資源問題について、県の専門部会で対話を再開できる下地ができたと受け止めております。

一方、工事中のトンネル湧水の全量の戻し方については、解決策が示されておりません。また、水質への影響や発生土の処理方法などについても議論が十分に行われておりません。さらに、生態系への影響については、解析結果によれば地下水位が300メートル以上低下することが示されましたが、有識者会議ではそれ以上の議論は行われていません。

これらのことから、静岡県及び流域市町、利水団体として、「現状では、南アルプストンネル工事を認めることのできる状況にはない」と認識が一致しました。

「流域住民の理解と協力が得られることなくトンネル掘削工事に着工しない」ことは流域住民とJR東海の約束であります。JR東海に対しては、南アルプストンネル工事に着工できない状況を十分認識すること、国土交通省には、JR東海に対して、南アルプストンネル工事に着工できない状況を認識するよう御指導をお願いしました。

併せて、JR東海から生態系への影響の適切な回避・低減策が示されない状況を踏まえ、JR東海に対して、適切な回避・低減策を速やかに示すことを、国土交通省に対しては、生物多様性の問題について、積極的な関与と今後の有識者会議の開催計画を示していただくことを要請しております。

今後、地質構造・水資源専門部会を開催し、大井川水資源問題について、JR東海との対話を再開することになりますが、JR東海には、本県及び流域市町、利水団体が一致した認識である「現状では、南アルプストンネル工事は認めることのできる状況にはない」ことを十分認識していただき、真摯に対応することを求めてまいります。

引き続き、大井川の「命の水」と「南アルプスの自然環境」がリニア中央新幹線トンネル工事で損なわれることのないよう、全力で取り組んでまいります。

 

次に、豊かな社会を支える命の水の保全についてであります。

近年、地球温暖化に伴う気候変動や開発行為等の社会経済活動などが水循環に変化を生じさせ、洪水、渇水、生態系への影響など様々な問題が顕在化しております。本県においては、伊豆半島における太陽光発電所の建設や、熱海市伊豆山地区で発生した土石流災害などを契機として、開発行為による水環境への影響を危惧する声が高まっております。

こうした県民の皆様の不安を払拭するため、静岡県水循環保全条例を制定し、健全な水循環を維持、回復するための施策を流域全体で効果的に推進いたします。水源地を保全することにより、県民共有の財産である水資源を守り、一層安全で豊かな流域の実現を目指してまいります。また、化学物質の影響が懸念されている富士川流域においては、来年度も山梨県と連携し、豊かな水環境の保全に向け、堆積物等の調査を継続し、得られたデータを科学的に評価してまいります。

 

次に、南アルプスの利活用と保全についてであります。

昨年7月に「南アルプスを未来につなぐ会」を発足するとともに、ユーチューブをはじめとするSNSを活用した南アルプスの魅力発信等に取り組んでおります。また、南アルプスに関する研究活動の活性化と学術研究の体系化を図り、世界に通じる南アルプス学として、その発展に寄与するため、2月15日に「南アルプス学会」を立ち上げました。さらに、ユネスコエコパークの理念である、利活用の促進と保全活動の調和を図り、地域の持続可能な発展を目指す上で中核となる組織として、来年度、「(仮称)南アルプスみらい財団」を設立いたします。

 


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