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ホーム > 組織別情報 > 監査委員事務局 > 平成29年度決算審査及び基金運用状況審査(平成30年度実施)

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更新日:平成31年2月19日

平成29年度決算審査及び基金運用状況審査(平成30年度実施)

歳入歳出決算及び基金運用状況審査意見書の概要

地方自治法第233条第2項の規定に基づき審査に付された平成29年度静岡県一般会計及び特別会計の歳入歳出決算並びに同法第241条第5項の規定に基づき審査に付された平成29年度定額の資金を運用するための基金の運用状況について審査し、その結果について、平成30年9月6日に知事へ意見書を提出しました。

意見書全文

歳入歳出決算審査意見書(一般会計及び特別会計)の概要

1.審査の対象

平成29年度静岡県一般会計及び11特別会計

2.審査の期間

平成30年7月24日から平成30年8月28日まで

3.審査の方針

平成29年度静岡県一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の審査は、次の点を重点に関係諸帳票、証拠書類の照査、関係当局から聴取等を行うとともに、定期監査、例月出納検査等の結果も考慮し実施した。
(1)決算計数は、正確か
(2)会計事務は、関係法令等に適合して処理されているか
(3)予算の執行は、議決の趣旨に沿って適正かつ効果的になされているか
(4)資金は適正に管理され、効率的に運用されているか
(5)財政は、健全に運営されているか
(6)財産の取得、管理及び処分は、適正に処理されているか

4.審査の結果

平成29年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の計数については、決算書、同附属書類、関係諸帳票、指定金融機関の現金有高表等を照合審査した結果、正確であることを確認した。

また、財政運営、予算の執行、会計及び財産・資金に関する事務については、一部改善を要する事項も見受けられたが、おおむね適正に行われているものと認める。

(1)収支が均衡した財政運営について

本県の財政状況は、歳入決算額では主に県税や県債発行の増により、一般会計で前年度に比べ1.0%増加した。

県税は、最終予算額4,956億円に対し、33億8,000万円余増の4,989億8,000万円余で、前年度決算額4,903億3,000万円余に対し、1.8%、86億5,000万円余の増加となった。これは、景気の回復傾向等に伴い、前年度に比べ法人二税が6億5,000万円余(同0.5%)、個人県民税が51億3,000万円余(同3.5%)、自動車取得税が15億9,000万円余(同33.5%)、軽油引取税が約13億2,000万円余(同3.6%)上回ったことによるものである。県税決算額が前年度を上回るのは6年連続となり、過去最高の決算額である平成19年度(5,669億円余)の88.0%、高い方から6番目となっている。

県債は1,798億9,700万円で、前年度決算額1,471億9,000万円余に対し、327億660万円の増加となった。これは、臨時財政対策債は発行減であったが、減収補てん債(特例分)や交通基盤債の発行増等によるものである。

歳出決算額では、義務的経費については、前年度と比べ扶助費が4.9%増加し、歳出全体に占める構成比が9.1%となり、0.4ポイント増加したが、教職員給与の政令市移譲に伴い人件費が17.3%減少したため、義務的経費全体では8.8%の減少となり、歳出全体に占める構成比は5.3ポイント減の49.0%となった。

投資的経費については、前年度から9.6%の増加となったが、これは普通建設事業費のうち、補助事業費、単独事業費がそれぞれ10.4%、10.6%の増加となったことなどによるものである。

また、教職員給与の政令市移譲に対する財源の交付や新総合計画である静岡県の新ビジョンを推進する財源となる“ふじのくにづくり推進基金”の積立等に伴い、その他経費は前年度より14.1%増加し、歳出に占める構成比も36.7%と、4.2ポイント増加した。

次に、一般会計の県債残高についてであるが、財政健全化の目標に設定している通常債の残高は、1兆5,918億2,700万円余となり、前年度末より181億6,000万円余減少し、着実に残高の縮減が図られている一方で、臨時財政対策債の残高は1兆1,007億6,700万円余となり、前年度末より389億7,100万円余増加した。

また、県の財政構造を示す7つの指標を見ると、教職員給与の政令市移譲に伴う人件費の減少により比率が影響を受ける義務的経費比率と経常収支比率を除くと、前年度に比べて自主財源比率及び将来負担比率は悪化しているが、一般財源等比率、財政力指数及び実質公債費比率は改善している。

さらに、財源不足への対応に活用可能な基金現在高は、平成29年度決算後時点で353億円となり、前年度の182億円より大幅に増加している。

以上の要素を勘案すると、県の財政状況は前年度よりも健全化していると評価する。

一方で、県人口が減少する中で少子高齢化は一段と進んでおり、今後も社会保障関係費等の大幅な増加も当然のことながら見込まれる。また、国から元利償還金の財源保障があり実質的な地方交付税として扱われているとはいえ、臨時財政対策債の残高が1兆1,000億円を超えており、全体の県債残高の40%を占めるまでになっている。そして、回復傾向にある景気も絶えず拡大するとは限らず、注視していく必要がある。

県では、近年の景気回復傾向の継続により、県税収入の大幅な増加が見込まれるなど、一般財源総額が増加する見通しを踏まえ、従来の財政調整用の基金を取り崩すことで財源不足を補う財政運営からの転換を図り、基金を除いたその年度の歳入によってその年度の歳出を賄う、収支が均衡した財政運営を目指すことを、平成30年度からスタートする新総合計画「静岡県の新ビジョン」の目標に掲げたところである。

今後の財政運営の考え方である「収支が均衡した財政運営」を達成するため、歳入歳出の改革を進め、従来の取組以上に歳入の確保や歳出の見直しを推進するとともに、国に対してはあらゆる機会を活用して、中長期的に安定的な税財源の構築、臨時財政対策債の廃止を含めた改革と償還財源の別枠での確保を強力に働きかけられたい。

(2)収入未済額の縮減への取組について

収入未済額から徴収猶予等の措置をとったものを除いた実収入未済額が、平成22年度の205億6,785万2千円から減少に転じ、平成29年度には105億5,003万9千円と約半分にまで縮減していることについて、その努力は評価できる。県税関係、県税関係以外のそれぞれの状況は次のとおりである。

(ア)県税関係

県税に税外収入の加算金を加えた実収入未済額は64億2,034万円余となり、前年度に比べ13.5%、10億107万円余の減少となった。そのうち9億91万円余の減少は個人県民税が占めており、平成24年度から市町と協働で進めてきた特別徴収の徹底の取組など、徴収強化に努めてきた成果が現れたものと考えられる。

また、個人県民税(均等割・所得割)の収入率は、平成24年度以降の上記取組による滞納繰越額の減少もあって、平成29年度は前年度より0.7ポイント上昇し95.6%を確保した。全国順位は平成21年度以降続いていた最下位を脱出し、平成24年度以降は順位を上げてきており、28年度37位、29年度も37位と改善が図られてきた。自主財源である県税の確保は重要な命題であり、個人県民税の徴収については、まだ工夫の余地があると思われるので、引き続き市町と協働での対策を進めるなど、より一層の徴収強化に努められたい。

県税関係の主な実収入未済額の推移(過去5年間)

区分

平成25年度

平成26年度

平成27年度

平成28年度

平成29年度

29年度/28年度

増減額

増減率

 

千円

千円

千円

千円

千円

千円

県税関係

12,225,364

10,296,943

8,924,679

7,421,415

6,420,344

-1,001,071

-13.5

 

県税(個人県民税)

10,674,961

9,083,982

7,977,885

6,674,156

5,773,237

-900,919

-13.5

県税(個人県民税以外)

1,465,188

1,142,246

879,762

679,845

588,466

-91,379

-13.4

 

加算金

85,215

70,715

67,032

67,414

58,641

-8,773

-13.0

 

 

(イ)県税関係以外

平成29年度の実収入未済額は41億2,969万円余で、前年度に比べ、1.7%、6,722万円余の増加となった。

未済額の主なものは、1件が13億円を超えるものがあるなど合計で約19億4,595万円余となっている中小企業高度化資金貸付事業等特別会計に係る貸付金償還金、平成25年度に発生した、愛鷹山麓での不法投棄に係る7億4,304万円余の産業廃棄物原状回復代執行費用返納金、母子父子寡婦福祉資金貸付金償還金、県営住宅に係る公営住宅使用料、生活保護費返還金等である。また、平成29年度は新規産業立地事業費補助金等の返還において、新たに7,200万円余の未収が発生しており、県債権管理マニュアルに沿って債務者に償還の働きかけをしている。

県税関係以外の未収金については、全庁的な観点から部局を横断して対策に取り組む「税外収入債権管理調整会議」を設置し、平成23年度から過年度未収金について、回収目標や整理目標を立て縮減に向けた各種の取組を行っている。平成29年度においては、23年度に策定した県債権管理マニュアルを実務に即した内容に大幅に改訂し、また債権所管課と管財課が共同して債権徴収管理を開始するなど、取組に工夫が見られる。今後も収入未済の縮減・解消に努めるとともに、新たな収入未済の発生防止に努力されたい。

県税関係以外の主な実収入未済額の推移(過去5年間)

区分

平成25年度

平成26年度

平成27年度

平成28年度

平成29年度

29年度/28年度

増減額

増減率

 

千円

千円

千円

千円

千円

千円

県税関係以外

4,120,858

4,111,709

4,087,486

4,062,474

4,129,695

67,221

1.7

 

児童措置費納付金

91,650

88,220

83,884

84,590

86,807

2,217

2.6

 

教育奨学金返還金

42,294

46,616

44,871

50,049

51,478

1,429

2.9

過年度返納金

100,110

112,436

97,834

93,431

92,062

-1,369

-1.5

生活保護費返還金

86,834

81,391

92,315

113,149

126,663

13,514

11.9

産業廃棄物原状回復

代執行費用返納金

748,442

747,663

746,889

746,195

743,048

-3,147

-0.4

放置違反金

26,996

29,114

26,783

21,521

16,737

-4,784

-22.2

 

公営住宅使用料等

286,335

265,001

242,908

217,567

203,521

-14,046

-6.5

 

母子父子寡婦福祉資金貸付金償還金等

454,373

493,259

526,384

562,878

591,756

28,878

5.1

 

青年農業者等育成確保資金貸付金償還金等

46,486

44,304

40,211

36,398

46,391

9,993

27.5

 

中小企業共同施設資金貸付金償還金等

2,124,408

2,074,157

2,030,951

1,989,836

1,945,959

-43,877

-2.2

新規産業立地事業費補助金等

13

20

6,716

51

72,057

72,006

1412.9

その他

112,917

129,528

147,740

146,809

153,216

6,407

4.3

(3)事業繰越の縮減について

翌年度への繰越の状況は、一般会計で484億2,370万円、前年度比99.3%と前年度並みとなった。特別会計については16億4,678万8千円で、前年度比105.4%と増加している。また、一般会計では、地滑り対策現場での想定外の事故により、平成29年度内の完了が困難となったことによるもの1件1億3,185万9千円の事故繰越も発生している。

平成29年度は、通常分が公共事業の進捗や大規模事業の進捗に伴い繰越額が前年度に比べ13億7,674万円余減少している一方で、追加分(国補正や災害発生に伴う事業の繰越)は、原発防災資機材の整備にかかる助成事業や台風発生に伴う災害復旧費の増加等により9億7,088万円余増加している。引き続き、事業効果を早期に発揮できるよう、関係機関等との十分な調整を行うなど、的確な計画立案及び効率的な予算執行を図り、繰越額の縮減に努められたい。

会計別の繰越額

区分

一般会計

特別会計

合計

金額

前年度比

金額

前年度比

金額

前年度比

 

繰越額

千円

48,423,700

99.3

千円

1,646,788

105.4

千円

50,070,488

99.5

 

(4)不用額について

歳出予算における不用額は、一般会計では、138億2,408万5千円で、前年度比140.5%、39億8,312万4千円の増加となっている。また、特別会計では、16億2,226万4千円で、前年度比135.4%、4億2,443万4千円の増加となっている。

一般会計の内訳の中で増加している主なものは、対象事業費の確定時期が遅れたことによる道路関係国庫補助事業費、社会資本整備総合交付金事業費や現年補助災害土木復旧費などである。

一方、静岡県立病院機構貸付金、緊急地震・津波対策等交付金、新規産業立地事業費助成など、事業費の確定や実績に伴うものについて、不用額が減っている。

平成29年度の不用額は、前年度を大きく上回っており、その中にはやむを得ない事情によるものもあると思われるが、財政の健全化を推進し財源の有効な活用を図るため、予算の適正額の確保と適時・的確な見直しによる不用額の縮減について、当初予算計上時から精度の高い所要経費の見積りを行うとともに、事業の進捗状況を的確に把握した上で補正等を行い、効率的な予算執行に努められたい。

会計別の不用額

区分

一般会計

特別会計

合計

金額

前年度比

金額

前年度比

金額

前年度比

不用額

千円

13,824,085

140.5

千円

1,622,264

135.4

千円

15,446,349

139.9

 

 

(5)財務会計事務等の適正な執行について

平成29年度定期監査等において、旅費の不正受給、障害福祉サービス事業者の指定等に係る複数の不適切な事務処理など25件が監査結果として一番重い「指摘」となったほか、河川占用料の徴収誤り、歳入の会計年度誤り等49件が「注意」となった。監査結果は、指導、意見等を含めると全体で228件、前年度に比べ84件の減少となっている。

監査結果の項目別件数では、財務関係が68件であり、前年度より54件減少している。会計事務処理の誤りについては、担当職員の関係法令等の理解不足などに問題があり、毎年のように発生する事務処理ミスに対しては、担当者の資質向上とともに、個人のミスや処理の遅延を組織として防止する体制づくりの強化が重要である。出納局をはじめ、各部局で技術職員や臨時職員、非常勤職員も対象に加えた研修を実施してきたことなどにより、監査結果の件数も減少しておりミスを防ぐ取組の成果と言える。

一方で、同じような誤り(非常勤嘱託員の休暇に関する誤りなど)が複数の所属で発生するなど、制度自体が分かりにくいことに原因があると思われる案件も見られた。

今後も正確な会計事務の大切さを認識したうえで、職場内の実効性のあるチェック機能の強化はもとより、制度や仕組みの再点検を行うなど、適正な会計事務の執行に努められたい。

(6)財産管理等について

財産管理に係る事務については、「指摘」となるような重大な誤りはなかったが、囲いわなが盗難に遭い「注意」となった案件が発生したほか、財産台帳の未作成、記載漏れ、公有財産異動報告書の未提出などの、事務処理上の不適切な事例が散見されている。県有財産は、県民の財産であるという意識をもって、また、平成29年度決算から統一的な基準による地方公会計が導入されたことからも、適切な管理に努められたい。

一方で、県では、平成25年度にファシリティマネジメントの実施方針を作成し、「総量適正化」、「施設の長寿命化」、「維持管理経費の最適化」、「施設の有効活用」の4本柱により、経営的な視点から県有施設を総合的に企画・管理・活用する取組を行っている。とりわけ、「総量適正化」に向けた未利用財産の売却については、平成20年度から5年ごとに売却計画を策定し未利用地の売却を進めてきており、平成20~24年度は88億6百円余、平成25~29年度は67億4千6百万円余を売却し、売却計画に対する達成率はそれぞれ74.4%と75.7%であった。さらに平成30年度から5か年の「県有財産の売却計画」を策定し、88箇所、約20.7ヘクタール、55億6千5百万円余の売却を進めていくこととしている。今後とも適正な売却に取り組むとともに、未利用財産の掘り起こしなどにより計画に含まれていない売却可能な土地が生じた場合には、速やかに計画に取り込むなどの見直しを行いながら、積極的な売却を行い、「総量適正化」を推進されたい。

さらに、「施設の長寿命化」、「維持管理経費の最適化」、「施設の有効活用」についても、引き続き、積極的に取り組まれたい。

基金運用状況審査意見書の概要

1.審査の対象

静岡県立美術博物館建設基金

2.審査の期間

平成30年7月24日から平成30年8月28日まで

3.審査の方針

静岡県立美術博物館建設基金条例の趣旨に従って適正に運用・管理されているか、調書と関係帳簿及び証拠書類等を調査照合し審査を行った。

4.審査の結果及び意見

審査の結果、本基金は適正に運用されており、計数にも誤りはなかった。

静岡県公営企業決算審査意見書の概要

地方公営企業法第30条第2項の規定に基づき審査に付された平成29年度静岡県公営企業の決算を審査し、その結果について、平成30年9月6日に知事へ意見書を提出しました。

意見書全文

静岡県公営企業決算審査意見書の概要

1.審査の対象

平成29年度静岡県工業用水道事業
平成29年度静岡県水道事業
平成29年度静岡県地域振興整備事業
平成29年度静岡県立静岡がんセンター事業

2.審査の期間

平成30年7月24日から平成30年8月28日まで

3.審査の方針

平成29年度静岡県公営企業の決算審査は、次の点に重点を置き、関係諸帳票及びその他証拠書類の照査、関係当局から聴取等を行うとともに、定期監査及び例月出納検査等の結果も考慮し実施した。

(1)決算報告書及び財務諸表は、地方公営企業法等関係法令に準拠して作成されているか
(2)決算報告書及び財務諸表は、経営成績及び財務状態を適正に表示しているか
(3)各事業は、地方公営企業法第3条の経営の基本原則の趣旨に従って運営されているか

4.審査の結果

工業用水道事業ほか3事業の決算報告書及び財務諸表は、いずれも地方公営企業法等関係法令に準拠して作成され、平成30年3月31日現在の財政状況及びその日をもって終了する事業年度の経営成績を適正に表示しているものと認める。

また、一部に厳しい経営状況の事業もあるが、各事業は、地方公営企業の基本原則の趣旨に従い、おおむね適正に運営されているものと認める。

5.審査の意見

(1)工業用水道事業

工業用水道事業は、給水先が前年度比2箇所増、実給水量は前年度比287万6千立方メートル増加しており、全体としては黒字経営であるが、当年度純利益が前年度比3,910万4千円(11.7%)の減益となった。

工業用水道別に見ると、7工業用水道のうち4工業用水道で当年度純損益が前年度より改善している一方で、経常収益の半分を担っている東駿河湾工業用水道事業では純利益が前年度より減少している。また、中遠、西遠の2工業用水道は赤字となっており、静清、中遠、西遠、湖西の4工業用水道が累積赤字となっている。

今後、管路等施設の大規模更新時期を迎え、費用の増加が見込まれることから、より一層の経営努力が求められる。

こうした状況の中、施設更新の基本計画である「水道施設更新マスタープラン」(平成29年3月策定)に基づく「第5期長期修繕・改良計画」(平成30年3月策定)及び、平成30年度から10年間の経営の基本計画である「経営戦略(第4期中期経営計画)」を策定し平成30年3月に公表している。

こうした点を踏まえ、事業の経営について次のとおり意見を述べる。

1.給水量は、前年度と比較して増加をしているが、経済情勢の変化や節水技術の向上等により、中長期的には減少が見込まれることに加え、大規模な施設更新に莫大な費用を要するなど、将来的には厳しい経営状況が見込まれる。

また、工業用水道事業全体の平成29年度純損益は、黒字を確保しているものの前年度と比べて減少している。

このことから、「経営戦略(第4期中期経営計画)」や「第5期長期修繕・改良計画」について、着実な進捗を図るとともに、進捗状況の管理や評価を適切に行うなど、将来に亘る経営の健全化に努められたい。

一方、従来からの懸案である、施設利用率が低く、累積赤字となっている工業用水道については、企業誘致担当部局等と連携し雑用水利用の促進も含めた新規需要開拓の取組について、引き続き努められたい。

(2)水道事業

水道事業は、当年度純利益が前年度比1億1,293万4千円(10.1%)の増益となった。

3水道事業すべてにおいて純利益が前年度に比べて増加し、黒字経営を維持しているものの、給水量は前年度と比較して34万4千立方メートル(0.4%)減少している。

また、今後、施設や設備の更新時期を迎えることから、費用の増加が見込まれる。

こうした点を踏まえ、事業の経営について次のとおり意見を述べる。

1.黒字経営が安定して継続しているが、今後、人口減少等の影響による水需要の低下や管路等施設の大規模更新を行うにあたっての費用の増加が見込まれている。

このことから、平成30年3月に策定・公表した「経営戦略(第4期中期経営計画)」や「第5期長期修繕・改良計画」について、着実な進捗を図るとともに、進捗状況の管理や評価を適切に行うなど、将来に亘る健全経営の維持に努められたい。

2.水道事業は、県民の生活に密着した重要なライフラインであり、平成30年7月の西日本豪雨による災害において、被災した水道の早期復旧がいかに大事であるかということが教訓とされたことから、施設の更新や耐震化を計画的に進めるとともに、災害や事故に強い体制の維持に努められたい。

(3)地域振興整備事業

地域振興整備事業は、レディーメード方式による富士山麓フロンティアパーク小山造成事業並びにオーダーメード方式による長泉南一色工業用地造成事業、清水町久米田工業用地造成事業及び森中川下工業用地造成事業に加え、平成29年度からセミ・オーダーメード方式による藤枝高田工業団地造成事業に着手している。

平成29年度は、土地売却の実績がなかったため、土地売却収益はなく、事務費等の費用が収益を上回ったため、当年度純損益は赤字となり、累積欠損金が増加した。

こうした点を踏まえ、事業の経営について次のとおり意見を述べる。

1.レディーメード方式による富士山麓フロンティアパーク小山造成事業については、工業用地の造成工事は計画通り今年度中に完了する見込みであることから、従前より進めていた分譲に向けた取組について、早期完売へ向けてより一層強化されたい。

2.平成29年度に着手したセミ・オーダーメード方式による藤枝高田工業団地造成事業については、現在進めている実施設計について滞りなく実施し、計画通り造成工事に着手できるよう事業を推進されたい。

3.オーダーメード方式による3事業のうち、造成中で引渡しが完了していない森中川下工業用地造成事業については、計画通り平成30年度中の引渡しができるよう事業の推進に努められたい。

(4)静岡がんセンター事業

静岡がんセンターは、平成14年9月の開院以来、15年が経過し、「患者さんの視点の重視」を基本理念として、最善のがん医療の提供や相談支援体制の充実により日本を代表する高度がん専門医療機関へと成長してきた。

開院当初は313床であった病床数は段階的に増床を重ね、平成29年度は4床増の607床となったが、615床の全床開棟には至っていない。

また、平成29年度の経営状況は、病院事業は利益を生じたが、研究所事業の損失を補うことができず9千6百万円余の純損失が生じ、未処理欠損金も増加した。

こうした点を踏まえ、次のとおり意見を述べる。

1.平成29年度の病院事業の純利益は、平成28年度末に策定した新公立病院改革プランの収支計画を上回るものであったが、研究所事業の損失を含めた全体では損失に転じており、結果として未処理欠損金も増加している。

しかしながら、新公立病院改革プランは平成30年度以降に大きく収支状況が改善する計画であり、これにより未処理欠損金の減少も見込まれることから、新公立病院改革プランが確実に遂行されるよう効率的な病院経営に取り組まれたい。

2.過年度未収金は、欠損処分等により前年度に比べ減少したものの、依然として1億5百万円余と多額に上るので、引き続き、新たな収入未済の発生防止と早期回収に努められたい。

3.医師、看護師確保対策の取組による医療スタッフの充実により、平成29年度の稼働病床数は607床と前年度より4床増床となったが、全床開棟に向けて、全国的に確保競争が継続している麻酔科医師等、引き続き、配置定数に対して不足している医師確保に向けて取り組まれたい。

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