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静岡県交通基盤部のVEの取り組みについて
VEとは
VEは価値工学とも言われ、対象とする製品やサービスの機能を徹底的に解明することまで実施し、同じ機能やサービスを提供できることが可能であれば、コスト縮減等も考慮しながらこれまでとは異なった手段でも採用していくこととなります。
つまり、VEは現行の資材や工法あるいは発想から離れ、その求められている機能と手段の関係を見直し、新たな解決手段の可能性を実現していくものなのです。ここで言う機能とは、表面的なものではなく、目に見えない「働き」、「ものの本質」のことです。
背景及び本県における取組
静岡県の公共事業予算は、平成7年度の約2千7百億円を最高に下降を続けており、最近の予算額はその当時の約5割減と厳しい状況となっています。
バブル期以降の景気低迷や少子高齢化がもたらす税収不足による財政難は深刻であり、社会資本整備にあたっては従来の基準や評価による手法から、個別の機能に応じた効率的かつトータルコストが経済的な整備手法が求められています。
今後の社会資本整備は、住民や利用者のニーズに合い、必要な機能を有しながら最小のライフサイクルコストで維持できる最適な計画をする必要があります。
本県では、平成15年度に試行を実施したが、本格的な取り組みは、平成16年3月29日付け建技第361号、建指第224号土木技術職員の技術力向上について(通知)から開始され、各出先事務所に技監を委員長とした技術検討委員会を設置し、抽出した委託業務について着手時、中間時、完成時の3段階で審査・検討を実施していました。
さらに、平成18年5月18日付け建技第53号により、社会資本整備について住民や利用者のニーズに合い、必要な機能を有しながら最小のライフサイクルコストが期待できる最適な計画をするため、技術検討委員会を拡充し、設計技術VE検討委員会と名称変更して、設計VEを導入するよう改正しました。事務所ごとに組織されるVEチーム及び必要に応じて本庁メンバーがワークショップ形式によるVE検討を実施し、3回開催される設計技術VE検討委員会において更なる検討を重ね、必要な機能を最小のライフサイクルコストで達成されるよう最適な設計及び公共構造物構築を目指していきます。また、民間能力を有効活用する入札時VEや契約後VEはすでに導入されており、今後も多くの提案が出される環境作りに努めていきます。
取り組みフロー

運営要領
ガイドライン
研修状況
平成18年度第1回基礎研修10月3日4日
平成18年度第2回基礎研修10月3日5日
実施結果(代表例)
平成18年度
参加延べ人数 |
設計内容 |
主要工種
|
概算
数量 |
単位 |
(当初)
概算全体
事業費
(千円) |
(変更)
概算全体
事業費
(千円) |
コスト
縮減額
(千円) |
検討内容 |
30 |
道路予備設計、詳細設計 |
法面工 |
80 |
m |
60,000 |
30,000 |
30,000 |
工法の再検討(張りコン+アンカー→P式ネット+吹付け)及びネットに新技術を採用することで、ライフサイクルコストをト縮減 |
30 |
道路予備設計 |
道路改良工 |
860 |
m |
400,000 |
375,000 |
25,000 |
盛土部ブの路側構造物を検討し補強土擁ヨウ工に新技術を採用することでコストを縮減 |
12 |
橋梁予備設計 |
橋梁上部工 |
216 |
m |
3,955,000 |
3,909,000 |
46,000 |
橋梁を分離橋キョウとすることの検討及び河川の付替えについて検討 |
20 |
河川(貯留施設設計)設計 |
貯留施設 |
1 |
式 |
2,600,000 |
2,580,000 |
20,000 |
囲繞マト堤の築造に新技術を使用することでコストを縮減、また道路計画との調整により越流リュウ部の形状の見直しを検討 |
平成17年度
参加延べ人数 |
設計内容 |
主要工種
|
概算
数量 |
単位 |
(当初)
概算全体
事業費
(千円) |
(変更)
概算全体
事業費
(千円) |
コスト
縮減額
(千円) |
検討内容 |
20 |
箱型函渠詳細設計 |
箱型函渠 |
94.4 |
m |
420,800 |
233,000 |
187,800 |
プレキャスト製品活用により仮設工法を見直すことでトータルコストの縮減することができた。 |
28 |
道路詳細設計
橋梁詳細設計 |
橋梁工 |
11.7 |
m |
18,400 |
7,800 |
10,600 |
橋梁工にボックスカルバートを採用することにより、鉛直支持力の軽減を図りそれに伴い基礎形式を見直すことでコストを縮減することができた。 |
60 |
道路予備設計、
擁壁・補強土予備設計 |
道路改良工 |
370 |
m |
450,000 |
400,000 |
50,000 |
橋梁形式の構造であったが、現場状況・河川条件による調整を行うことでCo擁壁+軽量盛土に変更することでコストを縮減することができた。 |
40 |
橋梁予備設計 |
橋梁工 |
20 |
m |
57,000 |
55,800 |
1,200 |
フーチング床付け面を周辺の堤防形式により見直し橋台高さを低く抑えることでコストを縮減することができた。 |
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