静岡県教育委員会

“ふじのくに”の未来を担う「有徳の人」づくり

Eジャーナルしずおか第250号(抜粋)令和4年8月発行

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ページID1043372  更新日 令和5年1月20日

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令和5年4月伊豆伊東高校が開校します!

伊豆伊東高校は、全日制課程2学科(普通科4類型・ビジネスマネジメント科3類型)、定時制課程1学科(普通科)を備え、特別支援学校高等部を校内に併置する新しい高校です。複数の課程・学科に加え、特別支援学校の生徒たちが日常的に交流することで、多様性を認めあう豊かな人間性を育みます。また、従来のカリキュラムを大幅にリニューアルすることで、探究的な学びのスタイルや新しい大学入試制度に対応し、予測困難な時代を生きるための創造的な学びを展開します。

学科・類型普通科と商業科の併置(全日制)・複数の類型

全日制では普通科、商業科で、合わせて7つの類型を設け、就職・進学など、多様な進路希望に対応します。

普通科(4学級・160人を予定)

類型 特色ある科目例(予定)
特別進学類型、進学類型
  • 難関大学への進学にも対応できる科目が学べる
  • 世界史探究、日本史探究、古典探究、数学3など
スポーツ健康類型
  • スポーツや健康に関する専門科目が学べる
  • スポーツ概論、スポーツ総合演習など
アート類型
  • 基礎からデジタルアートまで、美術の専門科目が学べる
  • 素描(デッサン)、デジタルデザイン、映像表現など

ビジネスマネジメント科(2学級・80人を予定)

類型 特色ある科目例(予定)
会計類型 金銭の流れに関する専門科目が学べる
財務会計1・2、原価計算など
情報類型 情報の処理、活用に関する専門科目が学べる
ソフトウェア活用、プログラミングなど
マーケティング類型 商品の開発、流通、販売に関する専門科目が学べる
マーケティング、商品開発と流通など
  • 簿記
  • ビジネスマネジメント
  • 観光ビジネスなど

募集規模は予定であり、秋の募集定員発表時に確定します。

共生・共育東部特別支援学校伊豆高原分校が、伊豆伊東高校内に移転

特別支援学校と高等学校の生徒が同じ校舎で共に学び、日常的な交流、合同授業や合同行事などを通して、多様性を認め、互いに支え合う共生社会の実現を目指す教育活動を展開します。

施設・設備5階建ての新校舎、体育館、プールを新たに建設

  • 県立高校では最大規模、周回ランニングコース付きの体育館、専用の野球場

イラスト:体育館


  • 従前の教室面積より約20%広い教室

イラスト:教室


  • CGデザイン・デッサン室を整備
  • 広く利用しやすい図書室、専用の自習室
  • エレベーターを含めたバリアフリー設計等

写真:工事中の体育館

部活動 設置予定部活動

野球、陸上競技、水泳、卓球、剣道、サッカー、バドミントン、ソフトテニス、男子バレーボール、女子バレーボール、男子バスケットボール、女子バスケットボール、吹奏楽、美術、商業、報道、演劇、総合探究、外部活動(地域クラブ活動)

制服

制服は濃紺のブレザースタイルで、ネクタイのほか、パイピングなど随所に伊豆の海をイメージしたブルーを配色しています。スカートとパンツスタイルを選択することができ、夏服はポロシャツ、スクールシャツが選択できます。

写真:制服

アクセス

川奈駅から徒歩15分。伊東駅からバス15分。所在地:伊東市吉田748-1

実践NOTE497

子どもたちの笑顔のために 安心して学べる場の提供のためにできること

富士宮市立上野中学校 事務主任 井手千帆

写真:主任者会での協議(筆者奥から2番目)

はじめに

新型コロナウイルス感染症の拡大により学校現場では今までにない対応を求められています。

感染症対策等支援事業により学校保健特別事業費補助金が交付されていますが、市費事務職員未配置校に勤務しているため、事務主任として学校予算に関する全ての業務を担っています。感染拡大状況により予算の使い方が大きく変わるため、生徒の実態や今後の対応について校内で定期的に協議し、補助金を有効活用できるよう努めました。

より有効な対策を講じるために

感染症対策を行うにあたり、管理職や養護教諭と連携しながら、各省庁のガイドラインや根拠となる資料を揃え、学校医や学校薬剤師からもアドバイスを受けました。保護者や地域の方からの質問に対し、説明責任を果たすために役立ちました。

登校時の健康観察や消毒の3密回避のため、サーモカメラやアルコールスタンドを設置したところ、教員から「教室にいられる時間が増えた」との声が上がり、子どもと向き合う時間の確保に繋がりました。

写真:登校時の健康観察と手指消毒(前)

写真:補助金活用による3密回避と教職員の負担軽減(後)

小中連携と小規模校連携

校区の小学校と連携を図り、消毒や換気、体調不良者への対応について基準を設けました。また、健康観察カード(現在はアプリを使用)やお便りなどの保護者への配布物や配布日を統一しました。

近隣の小規模校と、対策や購入品情報を共有して連携を図り、自校の課題や必要な物品を再確認できました。中でも、トイレ清掃、ごみ回収時の手袋使用は子どもたちから「これがあると安心できる」という声が寄せられました。

対応を総合することで、教職員だけでなく、子どもや保護者も不安や負担感が和らぎ、事務職員は電話対応や物品購入時の見積りや発注等の負担軽減にも繋がりました。

写真:小規模連携(筆者右端)

写真:小規模連携(筆者中央)

終わりに

新型コロナウイルス感染症により、さまざまな制約の中で学校生活を送っています。子どもたちの笑顔のために、少しでも不安や負担を軽減し、みんなが安心して学べる場が提供できるよう、学校環境の整備に今後も努めていきたいと考えています。

実践NOTE497は以上です。

実践NOTE498

小中一貫学校における保健室経営

沼津市立戸田小中一貫学校 養護教諭 奈良橋紗耶

小中一貫学校の保健室とは

本校は、開校2年目を迎えた小中一貫学校です。保健室には、泣きじゃくる1年生のAさん、擦り傷だらけの5年生のBさん、話を聴いてもらいたい9年生のCさん、さまざまな年齢の子どもたちが訪れます。通常の小学校や中学校よりも、発達段階に応じた対応や系統立てた指導の必要性を痛感し、自分自身も迷いながら保健室経営をしています。

写真:高低差を考えた掲示

保健室に来ればどうにかなる!?

先日、ある中学生が「掃除に使う木の棒がほしい」と来室しました。「保健室にあると思ったの?」と聞いたところ、「思ってないよ。でも、保健室に来ればどうにかなると思った。」とのこと。普段は、自分の気持ちや困り感を表現できず、パニックになることが多い生徒だったので、その一言に驚きました。保健室は、決して便利屋ではありません。ただ、子どもたちが学校で困ったとき、心や体がつらくなったとき、“立ち寄る場”であったらいいなと思っています。そのためには、ちょっとした困り事にも丁寧に向き合い、それを積み重ねていくことが大切なのだと、気づかされた出来事でした。

写真:保体科教員とのTT授業【8年生】※筆者

子どもと寄り添うために

小中2校分の行事や仕事を抱えながら、子どもたちに丁寧にかかわる時間を確保するのは、正直大変です。忙しい日々の中であっても常に意識していることは、「確実な救急対応と教職員間の連携」です。事前のリスクマネジメント、適切な救急処置、事後対応を確実に行い、命を守ることが不可欠です。また、学校組織の一員として周囲に働きかけ、教職員同士、子ども、保護者まで繋げることも意識しています。これらを土台としつつ、子どもたちが気軽に“立ち寄る場”“ほっとできる居場所”としての保健室を目指しています。

写真:検診方法を説明【4年生】

終わりに

前述したAさんとCさんですが、実は続きがあります。登校をしぶっていたAさんに、Cさんが優しく声をかけ、教室に送り出してくれたのです。こうした成長の光景を見守ることができるのも、小中一貫学校ならではです。子どもたちの成長を支える安心な保健室、安全な学校作りのために、養護教諭としての資質向上に努めていきたいと思います。

写真:自治会スローガン発表【5年生と9年生が一緒に】


実践NOTE498は以上です。

このページに関するお問い合わせ

教育委員会教育政策課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3168
ファクス番号:054-221-3561
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