人づくりちょっといい話6

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ページID1018516  更新日 2023年1月11日

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楽しくて不思議な算数

何でもいいのですが、とにかく紙と鉛筆を用意していただけますか。簡単なので暗算でもいいです。九九を言います。

1×9=9、2×9=18、3×9=27、4×9=36、5×9=45、6×9=54、7×9=63、8×9=72、9×9=81ですね。一桁目の数字を9の方から見ていくと、9×9=81の1、8×9=72の2、7×9=63の3と、1、2、3,4,5,6,7,8,9と並んでいるんです。二桁目の数字は1の方から見ていくと、2×9=18で1、3×9=27で2、4×9=36で3と、1,2,3,4,5,6,7,8と並んでいます。面白いですね。

もっと簡単な計算があります。例えば、123と書いて引っ繰り返すと321。それを引き算してみると198になりますね。この数字を足してみると18(1+9+8)となり9の倍数になるわけなんです。もう一桁増やしてみましょう。1234を引っ繰り返すと4321。4321から1234を引くと3087。この数字を足すと18(3+8+7)。これも9の倍数になりますね。実は九九というものはここから始まったんです。

これをお子さんに見せて「ほらご覧なさい。みんな9の倍数か9に関係するか、1、2、3、4、5、6、7,8,9と並ぶのよ。お母さん、算数は得意だったんだけどこの原理は分からないわ」、お父さんも「俺も分からないんだよ。考えてみようか」といったことから子どもの手を引いて本屋さんへ行って『算数の不思議』『算数わからない』『算数の面白さ』のような本を買ってきて、夏休みに親子三人で読んではどうでしょうか。

こういうことから「算数」と聞いた時にパァーッと頭の中に「面白いぞ」という気持ちがわいてくる。いわゆるα(アルファ)波という非常に落ち着いた脳波が出て来るんですね。「算数」と聞いただけでガチャガチャと頭の中にβ(ベータ)波が出てしまうと、もう駄目なんですよ。そうではなくて、聞いただけで面白さが感じられる。これが頭脳の中の理解の曲線を非常に安定化させるということがあるんです。

なぜ、日本は九九が得意かというと、ククハチジュウイチ(9×9=81)、ロクハシジュウハチ(6×8=48)というようにリズムがあるんです。俳句の五七五もリズムなんですよね。日本人の話し言葉や聞く言葉は、文章が非常にリズミカルにできているということなんです。つまり、算数の基本はリズムなんです。そしてそのリズムに従って数字を上手に追っていくと一つのきれいな理屈、論理というものができるんです。

算数は大切であるのと同時に楽しいものなんです。今日はこれをお伝えしたかったんです。

草柳大蔵著「午前8時のメッセージ99話」(H21年発行静新新書)より

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