推進員メッセージ8(戸崎雅章)

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ページID1018629  更新日 2023年1月13日

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人は変われるものなのか?【戸崎雅章推進員(静岡市)】

今まで何回か、人づくり推進員として、学校においてPTAや地域の方々あるいは先生方と話をする機会を得ました。其処において最も痛感させられたのは、人が自分の生き方を変えるということは至難の業であるということです。

つまり、私たちは日常において、真剣に自らの人生を振り返る機会を殆ど持っておらず、最も初歩的な第一歩が踏み出せない状況にあると言えるのです。そこに踏み込むこと、現時点に存在する自分を完全に否定することから入らないと、一歩も前に進まないということがなんとなく判り、安穏とした現実を捨てがたく思えてくるからでしょう。特に生きていく為、そして生活し家族を支えていく為には仕事をしなければならないという使命感というか、負担が重くのしかかっている。又、それを言い訳にすると現実の自分を納得させるのに非常に都合が良いのでしょう。

よく言われることに、高齢になると保守的になる、あまり革新を好まなくなるとありますが、果たしてそうでしょうか。老いて益々能動的に様々な市民活動をし、改革を主張する高齢者の方々が多数居られるということは、社会的地位、特に経済的要因に帰する場合が大きな比重を占めていることであり、何を生業に持つかという、生きることが生業であった古代社会にはない、現代社会にのみ存在する、人間の本能を超えた強烈な欲望、つまり無意識の脅迫観念に駆り立てられて、不必要な欲望をむき出しにしているからではないでしょうか。

自由、平等、博愛のうち、「誰もが自由はもっている」と言う方が大半ですが、果たしてそうでしょうか。現在の日本において真の自由を満喫するには、一定以上のお金がなければ満たされることはありません。ましてや平等な社会は人間の歴史上存在したことがあったでしょうか。博愛は論外であり、崇高な理想として掲げる以外に言葉としての存在意義がないのが現実の人間社会です。

しかし、今、最も私たちが其の意味を真剣に考えなければならない言葉として自由、平等、博愛があることは間違いありません。この言葉を口に出すことは、現に持っている様々な社会的権利、地位を放棄することを宣言するのに等しく、「人づくり推進員」として活動するには避けて通れない重要な課題です。例えば、年金や給与も含めた収入を考えても、平均より多くを我が物にしている限り「人づくり」を口にすることが憚られる思いです。満たされた境遇の中では、どんな思考も自分との妥協の産物となってしまい、真実を見ることからの逃避になることは間違いありません。

「意味ある人」とは自分の人生を自分のものとして生きることの出来る人であるように思えます。

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