懸念3 残土による生態系や環境への影響
心配されること
リニア中央新幹線南アルプストンネル工事静岡工区では、360万立方メートルもの残土が発生します。現在のJR東海の計画は、その全てを水源地である大井川上流の河畔に、永久に存置するというものです。
計画は主に、害の無い通常の残土は、燕沢付近の18ヘクタールに約70メートルの高さに360万立方メートルを盛土する計画です。
ユネスコエコパークである南アルプスにおける18ヘクタールもの大規模改変は、そこに生きる生態系への影響は避けられません。
また70メートルもの高盛土は、南アルプスという脆弱な地質・地形を考慮すると、長期的には、盛土崩壊や土砂が大井川に流れ込み、濁水、河川閉塞も危惧されます。
一方、自然由来の重金属等を含む要対策土についても同様に、大井川上流河畔に永久に存置するとしています。有害物質の流出の懸念については、二重の遮水シートで遮蔽するという計画になっていますが、遮水シートの寿命などが明らかにされておらず、ユネスコエコパークであり、生活用水・産業用水の水源地に永久に存置するという特殊性を十分に理解した計画になっているものとは言えません。
実際、令和4年3月には、岐阜県の残土処分場へ搬入された、リニア中央新幹線第一中京圏トンネル西尾工区の発生土から、岐阜県の検査で環境基準を超過するヒ素及びフッ素が検出され、撤去指示を受けた事案も発生しています。
残土処理の問題については、国の有識者会議でJR東海に対する指導を求めるとともに、県専門部会で対話を継続していきます。


このページに関するお問い合わせ
くらし環境部環境局
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2421
ファクス番号:054-221-2940
chuoshinkansen@pref.shizuoka.lg.jp