“ふじのくに”の未来を担う「有徳の人」づくり
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「有徳の人」を育み、誰一人取り残さない教育を実現するため、生涯を通じて学び続け、子供たちの伴走者として夢の実現へと導く教員の育成を目指す
平成29年に策定された静岡県教員育成指標は、学習指導要領や令和3年1月中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」、「静岡県教育振興基本計画」などを踏まえ、令和4年度に改訂しました。
「教員等育成指標活用のための補助資料」に掲載
年度初め等に、身に付けたい資質能力を明確にする。
次のキャリアステージで求められる資質能力も見据えた上で、チャレンジしたいことを明確にする。
自己の教職キャリアを見通したとき、自らの理想の教員像を追求し続けるための目標を設定する。
「教員は学校で育つ」という言葉があるように、全ての教育活動を通して、児童生徒と一緒に教員も育っていることに着目し、学校の実態に合わせた組織的な活用を進める。
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採用時
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基礎・向上期
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充実・発展期 基礎・向上期に身に付けた力に加え、
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深化・熟練期 充実・発展期に身に付けた力に加え、
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教育的素養・総合的人間力 |
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授業力 授業づくりに関わる力 教科領域専門性/児童生徒の実態把握/授業構想・授業展開/個に応じた指導/ICT・教育データを活用した指導/評価・改善など |
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生徒指導力 児童生徒理解を深め、健やかな成長を支援する力 児童生徒理解/学級経営/生徒指導(ICT・教育データの活用)/特別支援教育/ユニバーサルデザインの視点の共有/人権教育/キャリア教育/SDGs/保護者・地域・外部と連携した指導/グローバル人材の育成など |
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教育業務遂行力 授業力、生徒指導力以外の専門的な力 様々な教育課題(社会の変化、継続的な業務改善、校務におけるICT・教育データ活用等)への対応/管理(安全対策、保健管理栄養・衛生管理)など |
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組織運営力 組織目標を達成するために必要な力 対話・協働・信頼/コミュニケーション・ファシリテーション/課題解決、危機管理/コミュニティ・スクール活用/ICT・教育データ活用/人材育成など |
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ホームページには「教員育成指標」「校長育成指標」「教員等育成指標活用のための補助資料(養護教諭・栄養教諭・幼稚園等教員に関する資質能力)」等を掲載しています。ぜひご覧ください。
【教育政策課】http://www.pref.shizuoka.jp/kyouiku/kk-020/kyouinikuseikyougikai.html
静岡大学教育学部附属島田中学校教諭稲熊紀昭
GIGAスクール構想により、小中学校に一人一台端末が配備されました。前任校の焼津市立大村中学校では、令和3年度から本格的にChromebookを活用し始めました。校内ICT活用推進リーダーであった私は、とにかくさまざまな場面で積極的に端末を使うことを意識しました。活用する場を増やすことで、生徒にとってChromebookは特別な道具なのではなく、「文房具」のように常に傍らにあって活用するものにしたいと考えました。
昨年9月、コロナ禍による休業に伴い、生徒たちの学びの機会を保証しようとさまざまなアイデアを考えました。その一つがGoogle社の会議アプリケーション『meet』を活用した双方向型の授業です。結果的にこのことで校内における端末の活用が進みました。
1年生の『データの活用』では、「焼津市の人口は多いのか」という課題に対し、生徒たちはおのおのの方法でデータの分析を始めます。静岡県内の全市町の人口を調べる生徒、人口密度を調べる生徒、分析するデータの範囲を静岡県全域や中部地方、県内の市のみで考える生徒など、端末を活用することで、インターネット上のデータを参照して、生徒は個々に追究を進めることができました。集めたデータを度数分布表やヒストグラムにまとめる生徒は、統計ソフト『statlook』*を活用しました(*静岡大学松元新一郎教授作成)。生徒たちは階級の幅をいろいろな値に設定しより傾向が見つかりやすい形を探っていました。ノートにいくつも度数分布表を書かなくても、最適なものを見つけやすくなりました。
今後、生徒用デジタル教科書やMEXCBTの運用に伴い、授業のデジタル化は一層進んでいきます。授業でICT機器を「使うこと」にとどまらず、「主体的・対話的で深い学び」の充実のために、さらに効果的に活用していきたいと思います。
実践ノート491は以上です。
三島市立北幼稚園教諭金崎えり子
どんな苦手さがある子も、クラスのみんなと同じように「やりたい!」を感じるためには、どの子にもわかりやすい保育の工夫は欠かせません。また、行事への取り組み方ひとつで、子どもたちの「やりたい!」が大きく変わってきます。園外保育の時には「行先までの地図」を、運動会の時には「子どもたち用のプログラム」を必ず作成します。どんな苦手さがある子も、主体的に取り組むことができるためのものでもあります。
どの子も目を輝かせて見入り、家庭で色を塗ったり、保護者の方と気づいたことを書き込んだりして当日を迎えます。私が子どもたちに与えるものはただのきっかけに過ぎません。そのきっかけを得て、子どもたちがどう感じたのか、どう行動するのか毎回とても楽しみでなりません。
園から徒歩で約1時間かかるお寺に園外保育に行く1週間前、教師特製の地図を見ながら一人の男児が「お兄ちゃんの学校通る!」と気づきました。お兄ちゃんに会いたいな、そんな思いが膨らんで「手紙を書く」という行動につながりました。一人の「やりたい」がクラス皆に伝わった瞬間でした。皆で意見を出し合い、手紙が完成。この時には子どもたちの顔は充実感であふれ、ワクワクが止まらない様子。当日、なんと手紙を見た校長先生、教頭先生、そして男児のお兄ちゃんが小学校の前で待っていてくれたのです。クラス皆がとても喜び、間違いなく心が動いたことを感じた出来事でした。
幼稚園でたくさんの「やりたい!」をかなえてきた子どもたちは、さまざまな力を発揮してくれます。その充実感は小学校での学びの芽にもつながると考えられます。また子どもたち自身の自己肯定感を高めることにもなります。
ですが充実感を得られたらゴールではありません。今後も充実感の先に感じるであろう、子どもたちのさまざまな気持ちを見守り支えながら、丁寧な質の高い保育を心掛けたいと思います。
実践ノート492は以上です。
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