更新日:平成30年8月20日
富士登山の注意事項
防寒対策
- 標高が100メートル高くなるごとに気温は0.6度ずつ低くなります。海抜0メートルの街中が30度であっても、富士山頂ではそれよりも約23度低くなっていますので、真夏でも7度(初冬くらい)しかありません。
- 風速1メートルの風が吹くと人間の体感気温は、1度低く感じられるので、強い風の吹くことが多い富士山では、夏でも防寒対策が絶対に必要です。
高山病対策
- 高山病の症状としては、頭痛・嘔吐・食欲不振・無口・反応の鈍化などが挙げられますが、一度これらの症状が出ると標高を下げない限り、症状が重くなることはあっても、改善されることは希です。
- 高山病予防は、寝不足でないことなど万全の体調が基本。車で五合目に到着後は1時間程度休憩した後、ゆっくりと登り始めます。また、汗をかいたまま体を冷やすと体力維持ができず、疲労から高山病になりやすくなります。
- 水分を多く取って排尿することは、新陳代謝が活発になり、高山病にかかりにくくなると言われています。
- 高山病症状が出始めた後の酸素吸入は、効果が期待できません。
- 高山病は脳浮腫や肺水腫といった生命にも関わる病気を引き起こすこともありますので、無理な登山は絶対に止めましょう。
歩き方とペース配分
- ゆっくり登って定期的な休憩を取ることが、早く登るコツです。25分登って5分休憩、50分登って10分休憩など、汗がひき寒くなる前に動き始めましょう。
- 長く休むと身体が冷えて、体力が奪われます。
- 一般的な成人男性は、高度差300メートルを約1時間で登ると言われています。富士宮口の五合目は標高2400メートルですが、富士山頂(3776メートル)まで登るためには、休憩時間なしで4.6時間が必要となります。
健康な成人男性の山頂までの所要時間(休憩時間なし)
御殿場口(標高1,400メートル) |
7.9時間 |
須走口(標高2,000メートル) |
5.9時間 |
富士吉田口(標高2,350メートル) |
4.7時間 |
- 登りが遅かった人は、下りではそれ以上に遅くなるのが通例です。
過去の遭難事故事例から
転倒
下山時にスピードが出すぎてコントロールできず、転倒してケガをする人が多く見られます。
落石
数珠つなぎで登れない場合も登山道以外は登らないで下さい!登山道以外は石が不安定で落石を起こしやすくなっています。また、小さな落石が、大きな落石に繋がることも数多く起きています。
落雷
富士山の雷は横や下からも来ます。ゴロゴロと鳴り出したら、遠くても早めに山小屋へ避難しましょう。山小屋へ避難できない場合は、かがみ込むなど背を低くして、雷のゴロゴロが遠ざかるのを待ちましょう。
道迷い
- あなたの目的とする五合目はどこですか?迷った場合は早めに周りにいる人に確認しましょう。(頂上ではぐれると簡単には合流できません。)
- 霧が深く周りが見えにくくなってきたら、ヘッドランプを点灯するなど、自らの存在を示すような工夫をしましょう。
- 登山道から外れた人を見かけた場合は、積極的に声を掛けてあげましょう。(登下山するコースの色を確認して下さい。)