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更新日:令和3年10月12日
このページは実際に遭難された方から事情聴取した内容を、許可をいただき掲載しております。
60代 女性 富士山
私は富士山で登山中、疲れて動けなくなり、山岳遭難救助隊に救助されました。
原因は、私が体力を過信したことと水や食料の予備を持たなかったことです。
若いころに、15年くらい登山やハイキングをしていて富士山も登ったことがあり、自分の体力を過信していました。
富士山には、山頂の神社にお参りしたいことがあり登山しました。
久しぶりの登山でしたが、事前に山を登ったり、運動したりの準備は全くしていませんでした。
登山ルートは一番距離の短い富士宮口選びました。
山頂まで行きお参りも無事することが出来ましたが、とても疲れていて、勾配が急な富士宮口を降りる自信はなく、遠回りでもちょっと勾配が緩い須走口を選び、下山することにしました。
下山途中では、山小屋に辿り着く都度休んで、飲み物を飲んだりしていましたが、途中で飲み物がなくなり、最後には体力もなくなり、歩くことどころか、立ち上がることさえ出来なくなってしまいました。
携帯電話のバッテリーも無くなってしまい、途方にくれてしまいました。
最後はたまたま通りかかった、登山者から携帯電話を借りて警察に電話をすることができ、山岳遭難救助隊員の方に背負ってもらい、何とか無事に下山することができました。
原因は、私が体力を過信したことで遭難してしまいました。
もっと、気をつけて登山をしていればと思いました。
山岳遭難のほとんどが下山時に発生しています。
余力を残して下山しないと、遭難のリスクが大きくなります。
もう一度挑戦してください!また来てください!
最後の登山にしないでください!
40代 男性 富士山
原因は私の準備不足です。
登山経験は10年くらいあり、富士山にも何度も登っています。
そんな過去の登山経験から普段運動していない私でも、富士山には登れると思っていました。しかし、山岳救助隊に救助されることになってしまいました。
天気予報で天気を調べたら「晴れ予報」でしたので、雨合羽は持たずに家を出発しました。
合羽は今回のみならず、今までの富士登山に持って行ったことはありません。
富士吉田口から富士登山を開始し、山頂まで登りしばらくしたら、天候が急変し、小雨が降ってきました。
小雨なら平気と考え、剣が峰に向かったのですが、雨が強くなり服が濡れてしまいました。
一気に身体が冷え、寒くて、体力も無くなっていき、なんとか山頂の建物まできましたが、山小屋は閉まっているし、避難できる場所を探しトイレに入りなんとかしようと思いましたが、どんどん体調が悪くなり、寒さと疲れから全く歩くことができなくなってしまいました。
もう、どうしようもなく、110番通報し救助をお願いしました。
山岳遭難救隊の皆さんが山頂まで救助にきてくれるまで数時間、寒さに耐えながら不安な時間を過ごしました。
今回、無事に救助されましたが、今回の山岳遭難の原因は、
・自分の体力を過信していたこと
・レインコートを持って行かなかったこと
と思います。
40代 男性 富士山
富士山に登った時の出来事です。
遭難の原因は、私の体力不足です。
登山はほとんど経験が無かったのに、無謀にも富士登山に挑戦しました。
もちろん、富士山のはじめてです。
SNSで富士登山の呼びかけがあったので、知人数人と参加しました。
富士山の開山期間終了後でしたので、山小屋が閉まっていて、トイレも売店もやっていないのは知っていました。
その日は、朝5時ころから富士山富士宮口から登山を開始しましたが、山小屋が閉まっているので、水分を摂るとトイレに行きたくなるだろうと思い、水分をほとんど摂らずに登りました。
そして、普段の運動不足のせいもあり、なかなかペースが上がらず、やっとのことで午前9時30分ころ八合目に到着しましたが、両足が攣ってしまって、歩くことができなくなってしまいました。
しばらく休憩すれば治ると思いましたが、全く回復することなく、困り果てていたら、さらに雨まで降ってきてしまいました。
この足の状態では、山頂まで登るどころか、五合目まで戻ることすら出来ないとと思い、富士宮六合目の山小屋は営業しているのを知っていたので、六合目の山小屋に電話で助けを求めました。
山小屋の方が110番通報をしてくれて、静岡県警山岳遭難救助隊の方から電話をいただき、水分補給や八合目の衛生センターへ避難するようアドバイスをもらい、そこで救助を待つよう言われました。
そのアドバイスのおかげで、通報してから山岳遭難救助の皆さんが救助に来てくれるまでの約3時間30分凍えることなく、無事に救助されることができました。
20代 男性 安部山系
私は初めての登山で遭難してしまいました。
滑落して、大怪我をしてしまい入院することになってしまいました。
ある夏の日、雨は午前中にあがり、登山中は晴れ間が見える天気の日でした。
友人に山に行こうと誘われたことがきっかけで、登山することになりました。
登山なんてやったことがなく、全く山に関する知識も無く、もちろん装備といえる物も持っていません。
とりあえず、目指す山をネットで調べたところ、簡単そうだったので、動きやすい服装と、お菓子と水があればいいだろうと考えました。
その日の服装は、Tシャツ、短パン、スニーカーで、リュックにお菓子と水筒を入れて持っていきました。
山に入ってしばらくすると、進行方向右側が谷になっており、枯れ葉がたくさん堆積していました。
もちろん気をつけながら歩いていましたが、右足を滑らせ、そのまま谷に滑り落ちてしまいました。 「死ぬ。」と思いました。
しかし、5メートルくらい落ちたところで、木にぶつかり止まり、なんとか自力でよじ登り、最後は友人に登山道まで引き上げてもらいましたが、脇腹が痛くてとても動くことが出来ませんでした。
私はヘリコプターで救助され後、救急車で病院に運ばれ、診察の結果、肋骨が数本折れ、肺気胸の重症で入院することになりました。
今回、命は助かりましたが、どんな山でも危ない場所等を事前調査し、スニーカーではなく、ちゃんとした登山靴を使用しなくちゃ危ないと思いました。
今回の原因は、自分の準備不足でした。
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静岡県警察本部地域部地域課
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