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ホーム > 組織別情報 > 経済産業部 > 商工振興課 > コミュニティビジネス事例集(企業組合ポスト妻良)

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更新日:平成24年4月18日

<郵便・貯金事業受託>地域に欠かせない仕事だからこそ 企業組合ポスト妻良(めら)

所在地

〒415-0533 賀茂郡南伊豆町妻良564-2

企業組合ポスト妻良1

代表者名

理事長 鈴木照夫

電話

0558-67-0027

FAX

0558-67-0027

URL

無し

設立

平成19年5月 (開設 大正6年)

運営人数

2名 (組合員 個人4名)

事業内容

郵便局(株)との業務委託により、郵便事業・貯金
事業・保険事業等の郵便局業務

 

漁港の郵便局

 南伊豆町良(めら)は、古くから天然の風待ち港として知られ、近代以降は定置網漁法の漁業で栄えた。現在でも美しい入り江に釣り客や海水浴客が訪れるが、漁業協同組合(以下漁協)や関連会社の定置網からの撤退や漁業後継者の減少により人口も減り、現在は300人弱、そのほとんどが高齢者といわれる状況になった。いわゆる過疎化が進行している漁村である。高齢者の生活資金である年金の払い出しなどは漁協や妻良郵便局が担ってきたが、平成19年10月から、漁協は金融部門が合併のため、週1回の取り扱いとなった。

 その妻良郵便局が、平成13年の郵政合理化により配置調整の名の下に廃止の危機を迎えたことがあった。事業として考えれば規模の小さな局である。しかし、小さな過疎のまちだからこそ、廃止されては困る人々がいる。もしもこのまちに郵便局がなくなれば、湾の対岸にある子浦や、9km離れた南伊豆町の中心にある下賀茂郵便局まで行かねばならない。車で行けばすぐの距離でも、移動手段を持たない人や、足腰の弱った高齢者にとっては大変な苦労である。過疎化が進行した漁村ゆえに、妻良地区には郵便局が必要なのだ。

 そんな住民の願いを聞き入れる形で南伊豆町が事業を受託し、同年郵政省を退職して故郷に戻っていた鈴木照夫さんを局長として妻良財産区の公民館で簡易郵便局が再開された。平成16年には窓口に髙野(こうの)榮さんも加わり、カードやATMになじみのない高齢者にも1件1件丁寧に出入金の処理を行ってきた。文字通り顔と顔の繋がった、頼れる郵便局だったのである。

 ところが、郵政民営化論議が盛んになった平成19年に、南伊豆町が事業受託の中止を決定した。妻良の郵便局をなんとか残したい。事業を継続できる方法はないか。国も町もやらないのであれば、誰かがやらなければならない。廃止までの期限が迫る中、鈴木局長たちは存続の方法を必死で模索し、インターネットで企業組合というキーワードに辿りついた。

企業組合ポスト妻良2

妻良に郵便局がなくなれば、最寄となる子浦郵便局は、湾をぐるりと巡った向こうになる。(妻良簡易郵便局から子浦を望む)

企業組合ポスト妻良

企業組合ポスト妻良3 郵便局を存続させたいと願った鈴木局長だが、個人で郵便局株式会社から受託することの難しさは充分知っていた。個人事業は無限責任であり、負債が生じればすべて個人で被ることになる。開業資金の準備も、銀行代理業の認可もハードルが高い。しかし、企業組合であれば、4人で設立が可能で、出資の範囲内で責任を負えば良いと知った。幸い、郵政局OBの地元有志が夫妻で設立に加わってくれることになり、鈴木局長、髙野さんとの4人で企業組合設立の見通しが立った。そこで組合設立の支援機関である静岡県中小企業団体中央会に相談を持ちかけ、企業組合設立のための各種手続きから銀行代理業の認可取得などの難関に、静岡県中小企業団体中央会の支援員と共に取り組んでいった。法人の銀行代理業認可に必要な資本金500万円を4人で等分に出資し、組合員の2分の1以上が事業に従事するという企業組合の規定も鈴木局長と髙野さんの2人が働く体制でクリアできる。建物は引き続き妻良財産区の公民館を借り、町が受託者だった頃の機器類で減価償却済みのものを譲り受けるなどして準備を進めた結果、平成19年9月末の廃止翌日に、切れ目なく企業組合ポスト妻良が運営する妻良簡易郵便局をスタートさせることができたのである。

 地域で困る人を助けるための事業だからこそ、責任のすべてを個人で背負い込むようなことになってはならないし、また、法人格を取った方が有利に運営することができるというこのケースにおいては、企業組合という形態を探りあて、適切な窓口に支援を求めたことが開業成功の鍵になっているといえよう。このことは、コミュニティビジネスを志す多くの人々や団体の大きなヒントになるに違いない。

ふるさとのために、ふるさとで働く

 鈴木局長は、実は大正6年に妻良に郵便局が設置された時の創業者の曾孫にあたる。明治以降、日本全国すべての郵便局を中央政府が作ったわけではなく、それぞれの地方の名士ともいうべき人々の自宅・敷地内に郵便局を開設させる制度もあった。つまり鈴木局長にとって郵便局は家業であり、郵便局で働くことが天職なのだ。「子どもの頃のあだ名も郵便局でしたよ」と苦笑する鈴木局長は、長じて当時の郵政省に入り、長く郵政事業に携わってきた。定年後、故郷の妻良に帰り、過疎化の現実も、郵政民営化の荒波も経験してきた。郵便局の仕事に対して人一倍の愛着があるのも当然だが、それ以上に、郵便局が今の妻良にとっては前にも増して必要な存在になっていることを知っている。郵便局がなくなってしまったら困る人たちの顔、そのひとつひとつを知っているのである。

 ところで、妻良簡易郵便局では、長年使ってきた妻良財産区の公民館が老朽化のため、平成24年末で使えなくなるという問題が起きている。地域内で新たな拠点を探さなければならないが、足腰の不自由な高齢者のことを思い、利用者にとっての使い勝手と経費負担との兼ね合いに頭を悩ませる。「喜ばれはするが儲かりはしない仕事だけに、何とかしたいと思案中です」と言う鈴木局長と、「私は本当は妻良の人間じゃないけれど、これもご縁だから頑張らないと」と明るく笑う髙野さんは、定年がないこの仕事を、まだまだ元気に続けていくつもりだ。

企業組合ポスト妻良4

髙野さん(左)と鈴木局長(右)

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お問い合わせ

経済産業部商工業局商工振興課

〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-2181

ファックス番号:054-221-3216

メール:ssr@pref.shizuoka.lg.jp

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