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ホーム > 県政情報 > 県政総合 > ようこそ副知事室へ > 副知事 出野勉 > 出野副知事コラム > 第4回『環境と健康を守る-環境衛生科学研究所の取組紹介-』

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更新日:令和4年5月18日

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出野副知事コラム

第4回『環境と健康を守る-環境衛生科学研究所の取組紹介-』

環境衛生科学研究所は、環境と保健衛生の科学的・技術的中核機関として昭和57(1982)年に静岡市内の北安東に設置されました。以来38年にわたり、本県の環境と県民の皆様の健康を守るための試験検査、調査研究を行っています。環境衛生科学研究所という名前は、少々長く、いかにも堅苦しい感じがしますので、私たちは、日頃、親しみを込めて「環衛研(かんえいけん)」と呼んでいます。県民の皆様にとって日常生活ではあまりつきあいのない施設かと思いますので、少しでも身近に感じていただけるよう、本コラムでは、普段どおり「環衛研」と書かせていただきます。

近年、環境問題は、地球温暖化やPM2.5(大気汚染の原因となる微小な粒子状の物質)など多様化しつつ深刻さを増し、新たな感染症も次々に発生しています。このような中で行政に求められるニーズに的確かつ迅速に対応していくため、県では、今年度、環衛研を藤枝市谷稲葉地区へ移転整備し、来る8月20日に開所式を行います。今回は、新装オープンとなった環衛研の業務や日々の活動について御紹介します。

 

環衛研では、大きく分けて、大気・水質・騒音の監視、細菌やウイルスといった微生物や食品・医薬品の試験検査、その他環境全般に関する調査・研究を行っています。

大気・水質・騒音については、各種の観測機器を使い、常時監視をしています。具体的な取組として、例えば、大気については、県内67箇所の測定局のデータを遠隔収集し、24時間365日リアルタイムで汚染物質を監視しています。皆様が接する光化学オキシダントやPM2.5の注意情報は、環衛研での監視を基に発表しています。

次に、微生物や医薬品・食品の試験検査については、感染症や食中毒の原因となるウイルス検査、県内で生産されている医薬品(静岡県は医薬品・医療機器及び化粧品の生産額が日本一なのです。)や食品の検査(例えば農畜産物の残留農薬の検査など)を行い、有効性や安全性の確認を行っています。

特に最近では、毎日新型コロナウイル感染症のPCR検査を行っています。環衛研では、主には県の保健所から持ち込まれる検体のPCR検査を実施しています。作業に当たっては、迅速さと精度の高さを両立させることを念頭に、検体の汚染や混入を防ぐため、前処理とその後の検査で担当職員を必ず分けるなど、細心の注意を払いながら実施しています。

こうした皆様の健康や生活環境を守るための試験検査のほか、気候変動に関する調査など時代のニーズに即した調査、富士山の湧水(富士山に降った雨が、地下を経て、年月をかけ地表や駿河湾に湧水として現れます)の特性の解明・有効活用、海洋由来の微生物を活用した食品開発など、地域資源の活用や産業振興に寄与する研究にも積極的に取り組んでいます。

 

今回オープンする新庁舎では、試験検査を地震発生時にも継続できるよう免震構造を導入したほか、前処理等の工程ごとに検査室を区分して配置したり、温度管理を徹底できるよう個別空調を採用するなど、検査・分析の精度や作業効率が向上するよう様々な工夫が凝らされています。

また、あまり知られてはいないかもしれませんが、環衛研では現在、国内有数の12万種の化合物群を有する創薬ライブラリーを備えています。創薬(つまり新しい薬を創り出すこと)の基となる化合物の供給体制を今後さらに充実させるため、今回保管機能も拡充しています。

 

現在、我が国のみならず、全世界で新型コロナウイルス感染症の克服に向け様々な取組や研究が進められており、また、環境面でも、温室効果ガス排出量の増加に起因するとされる気候変動リスクや海洋を汚染するプラスチックごみ問題など、生存を脅かす重大な問題が生じています。

ウィズコロナ、アフターコロナ時代において、「本県の環境と県民の皆様の健康を守る」という環衛研の役割は、ますます重要になっています。

今後、移転整備を機に強化された機能を余すところなく活用し、試験検査・調査研究の一層の充実に取り組んでいきます。

 


環境衛生科学研究所新庁舎
背景の緑の山並みに浮かぶ雲をイメージ

大気常時監視システム
県内観測地点の情報が画面に表示されています。

 

 

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