私は見た!!ドロボーが侵入する瞬間!

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ページID2000461  更新日 2023年1月26日

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このコーナーは、戸建て住宅に侵入するためのドロボーの下見と侵入の様子をとらえた防犯カメラの映像を基に作成したものです。

の家は、ちょうど車1台がやっと通れるくらいの私道を挟み、両側に一般住宅が建ち並ぶ静かな住宅地の一角にあります。しかも、私道の奥は袋小路になっているので、昼間でも、車はもちろん人通りもありません。

そんな場所ならドロボーなど入り込めないだろう」と思う方がいるかもしれませんが、実は、自宅前の駐車スペースに止めているマイカーが、車上ねらいの被害に遭ってしまったのです。そこで家族と相談し、玄関脇の軒下に防犯カメラを取り付けることにしました。

イラスト:防犯カメラが玄関前の天井に設置されていて、驚き顔の男性が防犯カメラを指差している


犯カメラは、私の家の玄関先とマイカーが映るように取り付けたのですが、このことを筋向かいのAさん宅のご主人に話すと、「こんな物騒な世の中だから、いつ何があるか分からない。ついでに、うちの玄関先も映るようにしてくれるとありがたい。」と頼まれたので、ちょうどAさん宅の門扉付近と玄関も映るように防犯カメラのレンズを少しだけ上に向けました。
私は、「これで安心……、もう車上ねらいの被害に遭うことはない。」と思っていました。ところがある日、録画されたビデオテープを確認すると、とんでもないものが映っていたのです。それは、白昼堂々、Aさん宅にドロボーが侵入する姿でした。しかも、Aさん宅の隣のBさん宅には、Bさんの奥さんが在宅していたというのに………

イラスト:私の家から道路を挟んで左からCさんの家、Aさんの家、Bさんの家があり、防犯カメラはAさんの家の方向を向いている

ドロボーは2人組の男女!女が下見のため先行!!

イラスト:回覧板のようなファイルを抱えた女性がAさんの家のインターフォンを押している。


Aさん宅は、胸の高さほどのブロック塀で囲まれており、Bさん宅とCさん宅にはさまれる形で建てられています。
午前9時半を少し回ったころでしょうか。Aさん宅は、ご夫婦と高校生の息子さん、中学生の娘さんの4人家族で、ご夫婦は共働き、子どもたちは学校に行っているので、Aさん宅には誰もいない時間帯です。女が1人で歩いてきました。手には、紙がはさめるようになっている板……、そう、回覧板に使うような板を持っています。長めの髪を後ろでしばり、上はポロシャツ、下はジーパンに運動靴といったラフな格好で、一見すると、アンケート調査か何かで各戸を回っているような印象です。

女は、Aさん宅の前まで来ると立ち止まりました。そして、門扉の脇に取り付けられたインターフォンのボタンを押し、耳を近づけました。どうも、返事がないようです。女は、もう一度インターフォンのボタンを押しました。今度も返事がないようです。3回……、4回…、5回…。女は、しつこいくらいに何度もインターフォンのボタンを押し続けています。この間、周囲を気にする様子は一切ありません。そのうちあきらめたのか、女は、さっき来た方向に戻っていき、角地を左に折れて姿を消しました

それから5分ほど経ったころだと思います。さっきの女が再びAさん宅を訪れ、またAさん宅のインターフォンのボタンを押しました。しかも、さっきと同じように何度も何度も……。

イラスト:ファイルのようなものを抱えた女性が携帯電話をかけている


のうち女は、インターフォンのボタンを押すのをやめました。「あきらめて帰るのかな。」と思って見ていると、女は、ジーパンのポケットから携帯電話を取り出し、どこかに電話をかけ始めたのです。でも、呼び出しているだけで話している様子はありません。次に女は、携帯電話をポケットにしまい込むと、Aさん宅の塀沿いにBさん宅との境まで移動して、Aさん宅の敷地内をのぞき込むような仕草をしました。そして、また来た方向に戻っていくと、さっきと同じように角地を左に折れて姿を消しました。

どこから見ても営業マン!侵入したのは背広姿の男!!

イラスト:怪しい顔つきの男性が鞄を持って黒い背広姿で道路に立っている


が姿を消した方向から、今度は背広姿の男が現れました。女が姿を消してから1分と経っていません。まるで女と入れ替わるように現れたのです。手にはカバンを持っており、どこから見ても営業マンのようにしか見えません。男は、まっすぐAさん宅の前まで来ると、女と同じようにAさん宅のインターフォンのボタンを何度か押しました。やはり、Aさん宅からは返事がないようです。次に男は、門扉の内側に手を差入れて開ける仕草をしましたが、鍵が掛けられていたようで門扉は開きません。すると男は、門扉から後ずさりするように離れて立ち、Aさん宅をはさんでいるBさん宅とCさん宅の1階から2階を流すように見ました。次に、Aさん宅の向かい側………、つまり私の家がある側の各戸の様子を窺いながら、さっき来た方向に戻っていきました。そして、女と同じように角地を左に折れて姿を消しました。

イラスト:背広姿の男性がAさんの家のインターフォンを押している


れから2~3分が経ったでしょうか。また、背広姿の男が現れたのです。男は、またまたAさん宅のインターフォンのボタンを押しました。そして、チラッと周囲を見回しました。ビデオテープでこの様子を見ていた私は、女に次ぐ男の訪問に加えて、二人が何度もAさん宅を行ったり来たりするので、「この日は、珍しく朝からお客さんが行ったり来たりして、賑やかかったんだな」と思った程度で、特に不審には感じませんでした。ましてや、この二人がドロボーだなどとは、夢にも思いませんでした。だって私は、この二人のことをアンケート調査の女性と営業マンだと思いこんでいたのですから……。

イラスト:背広姿の男性が持っていたカバンを塀の中に投げ入れ、塀を飛び越えている


ころが、次の瞬間、「あっ!………。」。男の行動を見た私は、驚いて開いた口がふさがりませんでした。男は、チラッと周囲を見回すと、持っていたカバンを門扉に向かって左横のブロック塀の中に投げ込んだのです。そして、両手をブロック塀にかけて乗り越えると、Aさん宅の敷地内に入り込んだのです。一瞬の出来事でした。ここまで来て、やっと私は「背広姿の男はドロボーで、さっきの女は仲間なんだ。家の造りなどを下見に来ていたんだ!二人がインターフォンのボタンを何度も押したのは、Aさん宅が留守かどうかを確認していたんだ。女が携帯電話で呼び出していたのはAさん宅で、居留守をつかっているのではないかと探っていたんだ。」と気づいたのです。

仕事の時間はわずか5分!周囲の安全は女が確認し、余裕で逃走!!

イラスト:ファイルらしきものを抱えた女性が携帯電話をかけながら周りの様子を確認している


Aさん宅はブロック塀なので、塀を乗り越えた男の姿は一瞬画面から消えました。おそらく、しゃがみ込んで周囲の様子を窺っているのでしょう。この状態では、男がAさん宅の敷地内に侵入していることは、外から確認することができません。間もなくして男は立ち上がり、悠々とAさん宅の居間の方向に回り込む形で消えて行きました。このとき男は、塀を乗り越える前に投げ込んだカバンをしっかりと小脇に抱えていました。

それから5分ほど経ったころ、さっきの女が携帯電話で誰かと話しながらAさん宅の前まで来ました。女は、周囲をグルッと見回すと何かしゃべって電話を切りました。そして、また来た方向に消えていきました。その直後、背広姿の男がカバンを抱えて戻ってきたのです。女は、周囲が安全であることを確認し、男に「今ならだいじょうぶ。」と連絡したのでしょう。男は、左右をチラッと確認した後、さっきと同じ方法でブロック塀を乗り越えて私道に出ると、慌てる様子もなく何食わぬ顔で立ち去りました

ドロボーは侵入と盗みのプロ!甘く見るな!!

イラスト:証言している男性の吹き出しの中で、背広姿の男性が窓ガラスを割ろうとしている


が塀を乗り越えてから逃げるまでの時間は、間違いなく5分程度でした。あとでAさんのご主人に聞いてみたら、「タンスの中の現金も盗まれたし、寝室にあった指輪や時計も根こそぎ持っていかれた。日頃から鍵かけだけは気をつけており、当日も、すべて鍵を掛けたことを確認して出かけたのに……。居間の窓ガラスが割られており、そこから中に入られてしまったようだ。」と悔しがっていました。きっと、男が持っていたカバンの中には窓ガラスを割るための道具や、Aさん宅から盗み出した現金などが入っていたに違いありません。それにしても、わずか5分の間にガラスを割って家の中に入り、どこにあるかも分からない現金や指輪などを盗み出して逃げることなどできるのでしょうか。

イラスト:証言している男性が微笑みながら吹き出しの中で、防犯ガラスと補助錠を取り付けたという説明をしている


Bさん宅の奥さんにも当日の様子を聞いてみました。ドロボーが侵入した午前9時半ころは、家族を送り出したあとで、掃除を始める支度をしていたそうです。「私の家の廊下の窓から、ちょうどAさん宅の居間が見えるんだけど、Aさん宅の敷地内を人が歩いているような気配は一切感じなかったし、ガラスが割れる音にも全く気づかなかった。」とのことでした。これを聞いた私は、ドロボーは侵入と盗みのプロなのだと実感しました。そして、侵入されたのがもし私の家だったら……と考えると、思わず鳥肌が立ちました

ちなみにAさんは、現場見分に来てくれた刑事さんから、「ドロボーが侵入する場所は、居間が一番多い。」と聞き、事件のあと、居間の窓ガラスを防犯ガラスに変えたそうです。また、ほかの全ての窓には、100円ショップで買った補助錠を取り付けたそうです。

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