ご存知ですか？「預手プラン」

どんな制度？

正式名称は「預金小切手等を活用した特殊詐欺被害防止対策プラン」で、通称「預手プラン」です。

75歳以上の高齢者が、金融機関で300万円以上の出金をする場合に、現金の代わりとして預金（貯金）小切手による手続きをすすめる制度

です。

なんで75歳以上、300万円なの？

これまでの事件の被害者の年齢や被害額から判断して、効果があると思われる年齢と金額を設定しました。

通報基準は、75歳、300万円と定めていますが、県警察では、年齢や出金金額が基準に満たない場合でも被害を防止するために県内金融機関に基準年齢・額未満でも積極的な通報を依頼しています。

特殊詐欺犯人は、以前に比べて若い世代や要求額を小口化する事例もあるからです。

「小切手」なんて使い方がわかりません。

小切手にもいろいろ種類がありますが、預手プランでは、「記名式線引預金小切手」の利用をすすめています。

「記名式線引預金小切手」は、基本的に小切手に記載された受取人の口座にお金が振り込まれるため、その場で現金のやり取りが行われることはありません。

だから、小切手の受取人欄に息子さんの名前を書くと、息子さんの口座にお金が振り込まれることになります。

万が一、小切手を騙し取られてしまっても、受取人欄に息子さんの名前が書いてある限り、お金は息子さんの口座に振り込まれるため、結果として被害を防げるのです。

なにがいいのかしら？

「あれ？なんか変？」・・・考える余裕が生まれます！

「今日中に払わないと！」「すぐに必要！」・・・特殊詐欺の犯人の特技は、被害者に時間的切迫感を与えて被害者に思考の余裕を失わせることです。

あわてているときは、周りが見えなくなったり、正常な判断ができなくなったりします。

犯人はそこに付け込みお金を騙し取ります。

「小切手」というワンクッションを置くことで、冷静に考える余裕が生まれます！

ドロボーも防げます！

ひったくりや置引き、空き巣など、世の中にはいろんなドロボーがいます。

大金を持ち歩くときはもちろん、家に置いておいても心配は尽きません。

その点、預手プランの小切手なら、盗まれてしまっても犯人にお金がわたる可能性はとても低くなります。

犯人が捕まるかも？

小切手を現金に換えるには、基本的にその小切手を発行した金融機関の口座を利用することになります。

他の金融機関でお金を受け取るには、小切手発行元の金融機関へ依頼してもらい、指定口座にお金を振り込んでもらわなければなりません。

金融機関が手続きをしているので、犯人を突き止めるための調査ができ、逮捕への距離が縮まります！

これまでにどれぐらいの被害を防いでいる？

預手プランによる未然防止

年	件数	金額
平成25年	6	1,890万円
平成26年	139	4億3,392万4,822円
平成27年	155	4億5,800万5,700円
平成28年	112	3億6,263万8,000円
平成29年	112	2億9,264万8,000円
平成30年	111	2億6,901万880円
平成31（令和元）年	26	8,958万8,000円
令和2年	34	1億2,084万6,000円
令和3年	61	1億769万5,587円
令和4年	102	2億5,313万592円
令和5年	74	1億5,746万2,630円
合　計	932	25億6,385万211円

かえって不便じゃないの？

小切手を利用することにより

• 現金を受け取るまでに時間と手間がかかる
• 場合によっては手数料がかかる

など、不便な点があるのは事実ですが、詐欺被害の防止にはとても効果のある制度です。

ご協力をお願いします

「預手プラン」は、詐欺の被害者を一人でも減らすこと、みなさまの資産を守ることを目的として、県内金融機関の協力のもとに導入された対策です。

対策が開始された平成25年12月から令和5年末までに932件約25億6,385万円の被害を防いだ実績もあり、さらなる効果も期待できます。

特殊詐欺被害ゼロを目指すため、警察官が金融機関窓口に行って、直接だまされていないか確認させていただく場合があり、出金までに時間がかかることがありますが、一人でも被害者をへらすために必要な活動です。

県民のみなさまのご理解とご協力をお願い申し上げます。