2019 グッドデザインしずおか
審査員長 総評
2005年に始まったグッドデザインしずおかも、毎回60点を超える応募をいただきながら、今年で15回を迎えました。この間、2005年から2007年までの3年間の雑貨や家具などプロダクトが応募に占める比率は57%、パッケージデザインを含む食品と地域の活性化やビジネスの課題解決など仕組みのデザインはともに3.5%であったものが、2017年から2019年までの3年間では、プロダクト38%、食品18%、仕組みのデザインは12%へと変化し、デザインへの取組が多様な産業や活動へと広がっていることがわかります。また、内容をみると、魅力的な外観や使いやすさといった成果物としてのデザインは当初から高いレベルを維持する一方、近年は、課題解決を目的とした問題提起としてのデザインに多様な展開がみられます。今回、金賞を受賞した「ことゆくラック」、「わさビーズ」、「三島スカイウォーク」はそれぞれプロダクト、食品、仕組みのデザインと分野は異なりますが、いずれも解決したい課題は明確であり、真摯な取組が伝わりました。地域の課題解決に向けたデザインの広がりを強く感じた今回の審査会でした。
静岡文化芸術大学 デザイン学科長 伊豆 裕一