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ホーム > ようこそ知事室へ > 県議会開会日の提案説明【ようこそ知事室へ】 > 令和3年5月県議会臨時会知事提案説明要旨 > 令和3年5月県議会臨時会知事提案説明要旨4

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更新日:令和3年5月20日

県議会開会日の提案説明

令和3年5月県議会臨時会知事提案説明要旨

【4.リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全】

 

次に、リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全についてであります。

4月17日に、第11回リニア中央新幹線静岡工区有識者会議が開催され、事務局から「大井川水資源問題に関する中間報告(案)」が提示されました。

これまで、「有識者会議の助言・指導により、JR東海の説明が、社会の理解が得られる分かりやすいものとなる」ことを願い、事務局である国土交通省に対し、意見・提案を申し上げてきました。

しかしながら、有識者会議で議論するとされた「トンネル湧水全量の大井川表流水への戻し方」について、中間報告(案)では、「掘削工事の一定期間中は静岡県外へトンネル湧水が流出」することを追認しており、結果的に全量戻しとはなりません。その代替措置として、トンネルを掘削した後にトンネルから湧出する水を10年から20年以上の月日をかけて大井川へ戻す方策が示されているのみであります。

すなわち、この中間報告(案)は、JR東海の金子社長が明言した約束である「トンネル湧水の全量を大井川水系に戻すこと」を前提としたものではないので、到底納得できません。

さらに、中間報告(案)の主なポイントには、記述として、いくつかの疑問点があります。

一つ目は、大井川水系では過去20年間に22回の取水制限を行い、特に直近の5年間では毎年の計8回と、水不足が常態化しています。中間報告(案)には、それについての記述がありません。大井川の水が、流域の住民生活や産業に欠かせない“命の水”であることが本当に理解されているのでしょうか。

二つ目は、導水路トンネル出口の椹島付近での流量だけをもって、それより下流の流量を論じており、実現象を正しく理解することを重要視していないことであります。

三つ目は、数値解析結果だけをもって、影響を断定した記述となっており、解析上の不確実性や工事に伴うリスクを考慮した上で、どういう現象が生じるのかを判断した記述となってないことであります。

このため、先月23日に、国土交通省鉄道局長あてに中間報告書(案)に対する意見書を提出しましたが、社会の理解が得られるような「中間報告」になるよう慎重に御検討いただくことを期待しております。

生物多様性につきましては、3月29日に県の専門部会を開催し、JR東海から「中央新幹線建設工事(静岡工区)の自然環境の保全等に向けた取組み」修正版についての説明がありました。

JR東海から示された修正版では、工事による影響を回避・低減するための方法を具体的に検討する姿勢が見られない点は改められてはおらず、委員からは、「まず第一に、工事に伴う自然環境への影響と対応について、より具体的に整理すべきである。」との指摘がありました。

先月27日には、委員の意見を取りまとめた「『中央新幹線建設工事(静岡工区)の自然環境の保全等に向けた取組み』に対する意見書」をJR東海に提出しました。JR東海には、南アルプスの環境保全等に向けた取組に、この意見を反映していただくよう求めてまいります。

引き続き、リニア中央新幹線トンネル工事により、大井川の貴重な水資源と世界が認める南アルプスの豊かな生態系や生物多様性が失われることがないよう、県民の皆様の不安払拭に全力で取り組んでまいります。


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