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更新日:令和2年10月28日

いじめは犯罪だ

弁護士 齋藤 安彦

「いじめ」による自殺が跡を絶たない。クラスの大多数がシカトしたり、悪口を言ったり、また、物を隠したり、暴力を振るったり、脅す等して金品を持って来させる等もある。

これらは、全て人の人格を踏みにじる人権侵害行為、つまり民事的な違法行為であるのみならず刑事的な犯罪行為でもある。

暴力は、暴行罪(刑法208条)もしくは傷害罪(同205条)になる。暴行罪は2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金に、傷害罪は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。

脅して金品を持って来させる行為は、恐喝罪(同249条)となり10年以下の懲役となる。

暴力を加える等脅して、荷物を持たせる等の行為をさせることは強要罪(同223条)となり、3年以下の懲役に処せられる。

クラスの大多数がシカトをする等は、業務妨害罪(同法233条、234条)となり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。

このように「いじめ」として行われる全ての行為は犯罪である。また、極めて陰険かつ卑劣な行為であり、最も恰好が悪い行いである。

「いじめ」は絶対に行ってはならない。「いじめ」られた本人は、当然のことながら「いじめ」に茫然自失し、どう対応していいか分からない。「いじめ」を発見した人は直ちにそれを制止すべきである。

特に保護義務を負っている親や教師は、何が原因だなどと考える前にとにかく「いじめ」られている子を保護し、守らなければならない。しっかりと守ることを明確にしたうえで、必要に応じて調査をし、適切な対応をしなければならない。

最もやってはならないのは、「いじめ」られている子にも責任があるなどと考えてしまうことである。この世の中に完璧な子どもはいない。

とにかく「いじめ」られている子の様子によって自ら感知したり、相談や訴え等を受けたら、まず直ちに守ることを明確に宣言すべきである。子ども同士のふざけや遊びだなどとごまかさないで、子どもの目線で考え、「いじめ」られている子から相談等を受けたら、直ちに守ることを明確にするべきである。

「いじめ」は明らかな犯罪行為だから、犯罪行為から守らなければならない。そのうえで、大人の価値判断ではなく、子ども目線で、子どもの意見をよく聞いたうえで必要に応じて調査をし、再発防止の対応をすべきである。ケースによっては、再発防止の対応を子どもにまかせることがあってもいいと思う。