世界遺産の概要

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ページID1020404  更新日 2023年1月11日

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世界遺産とは

1972年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)で開催された総会で「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)が採択されました。世界遺産とはこの条約に基づいて、ユネスコの世界遺産リストに記載された建造物群、遺跡、自然景観、地形・地質など、国境や時代を超えて未来に引き継いでいくべき、人類のかけがえのない文化と自然の遺産のことです。

世界遺産の種類

世界遺産は次の3種類に分類されます。

文化遺産(CulturalHeritage)

顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文化的景観など

登録遺産例:紀伊山地の霊場と参詣道、アクロポリス(ギリシャ)など

自然遺産(NaturalHeritage)

顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、景観、絶滅のおそれのある動植物の生息・生息地などを含む地域

登録遺産例:知床、ガラパゴス諸島(エクアドルなど)

複合遺産(MixedHeritage)

文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているもの

登録遺産例:泰山(中国)、マチュピチュ(ペルー)など

文化遺産としての富士山

神聖で荘厳な姿の富士山は、山域から山頂への登拝及び山麓の霊地への巡礼を通じて、富士山を居処とする神仏の霊力を獲得し、自らの擬死再生を求めるという独特の性質を持つ富士山信仰を育み、また、海外の芸術家にも影響を与えた浮世絵など、多くの芸術作品に取り上げられてきました。この信仰の対象・芸術の源泉である富士山は、世界でも高く評価され、第37回世界遺産委員会において世界遺産(文化遺産)に登録されました。

富士山に適合する評価基準

ユネスコの世界遺産リストに記載されるためには、世界遺産委員会が定める「世界遺産条約履行のための作業指針」に規定された全10項目からなる評価基準のうち1つ以上を満たし、真実性(または真正性)、あるいは完全性の資格条件を満たしていること、世界遺産としての価値を将来に渡って継承していくための保存管理の仕組が整っていることが必要です。

富士山は下記の基準が適合しています。

(評価基準iii)
現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。

「富士山信仰」という山岳に対する固有の文化的伝統を表す証拠

富士山に住まうと考えられた神仏への信仰を起源として、火山との共生を重視し、山麓の湧水などに感謝する伝統が育まれました。その本質は、時代を超えて今日の富士登山及び巡礼の形式・精神にも確実に継承されました。

富士山とその信仰を契機として生み出された多様な文化的資産は、富士山が今なお生きている山岳に対する文化的伝統の類い希なる証拠であることを示しています。

(評価基準vi)
顕著な普遍的意義を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学作品と直接または実質的関連がある。

顕著な普遍的意義を持つ芸術作品との直接的・有形的な関連性

19世紀前半の浮世絵に描かれた富士山の図像は、近・現代の西洋美術のモチーフとして多用され、西洋における数多の芸術作品に多大なる影響を与えたのみならず、日本及び日本の文化を象徴する記号として広く海外に定着しました。

富士山は、そのような顕著な普遍的意義を持つ芸術作品と直接的・有形的な関連性を持ち、日本及び日本の文化の象徴としての記号化された意味を持つ類い希なる山岳です。

世界遺産登録までの流れ

フロー図:登録までの流れ

このページに関するお問い合わせ

スポーツ・文化観光部文化局富士山世界遺産課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3746
ファクス番号:054-221-3757
sekai@pref.shizuoka.lg.jp