令和8年9月定例会意見書・決議(令和8年10月15日可決)

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ページID1086188  更新日 2026年10月15日

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インターネット上の誹謗中傷等の防止及び被害者救済に向けた法制度等の充実強化を求める意見書

本文

 インターネットは、情報発信、交流、教育、経済活動など県民生活に不可欠な社会基盤である。一方、SNS等の普及に伴い、匿名性、即時性及び拡散性という特性から、個人への誹謗中傷、プライバシー侵害、差別的投稿などによる深刻な人権侵害が全国的な課題となっている。一度拡散された情報は完全な削除が困難であり、被害者は長期間にわたり精神的苦痛や社会的不利益を受けることもある。また、誰もが情報の受信者であり発信者となる時代となり、被害者にも加害者にもなり得る状況にある。
 国においては、令和6年にプロバイダ責任制限法を情報流通プラットフォーム対処法に改正し、大規模プラットフォーム事業者に対し、投稿の削除申出窓口の整備、削除申出に対する一定期間内の判断結果の通知、運用状況の公表等を義務付けるなど、対策が強化されている。しかしながら、インターネット上の誹謗中傷は依然として後を絶たず、生成AI技術の発展に伴い、本人になりすました情報発信、精巧な偽画像・偽動画等による新たな形態の被害も懸念されている。
 よって国においては、誰もが安心してインターネットを利用できる社会の実現に向け、下記の事項に一層取り組むよう強く要望する。

記

  1. 情報流通プラットフォー厶対処法の適切な運用を図るとともに、投稿の削除申出への迅速な対応や運用状況の透明性確保など、常に実効性のある制度となるよう必要な見直しを行うこと。
  2. インターネット上の誹謗中傷や権利侵害について、被害者が迅速かつ円滑に救済を受けられるよう相談窓口の充実を図るとともに、ワンストップ型の支援体制を整備すること。
  3. 生成AI等による偽情報、なりすまし、画像加工等による人権侵害に対応するため、必要な制度整備及び技術的な対策を推進すること。
  4. 児童生徒をはじめ保護者や高齢者を含む全ての世代に対するインターネットリテラシー教育を推進し、被害者にも加害者にもならないための教育環境を整備すること。
  5. 地方公共団体が行う相談、啓発、教育等の取組に対して、必要な財政的、技術的支援を行うこと。

 以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。

令和8年10月15日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 法務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣
  • デジタル大臣
  • 国家公安委員会委員長
  • 内閣府特命担当大臣(こども政策)

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交通事故等による被害を受けた胎児に係る法整備等を求める意見書

本文

 昨年5月、愛知県一宮市において交通事故により妊婦の尊い命が失われ、事故直後の緊急帝王切開で出生した女児に重篤な障害が残る痛ましい事故が発生した。遺族にとっては最愛の家族を失った悲しみと、女児の将来への不安を抱える二重の悲劇となっている。
 刑法上、胎児は人ではなく母体の一部とされているため、胎児を被害者と認め、加害者に相応の刑事処分を認める判例はごく僅かであり、加害者への自動車運転処罰法の適用は困難であることから、遺族は生まれた女児も被害者として扱ってほしいと切実に訴えている。
 この遺族の思いに賛同するオンライン署名は、13万筆を超えており、現行制度の在り方に対して、多くの国民が改善を求めていることがうかがえる。
 出生前の段階で胎児の生育状況が医学的に把握できるようになった現在において、被害の発生時点によって法的評価や取扱いに大きな差が生じる状況は、命の尊厳や公平性、被害者救済の観点から課題が残る。
 よって国においては、交通事故等による被害を受けた胎児に係る法整備等を図るため、下記の事項に取り組むよう強く要望する。

記

  1. 交通事故等による母体への加害行為によって胎児が出生後に死傷した場合における自動車運転処罰法等の処罰規定について、刑法上の見直しも含めた議論を行うこと。
  2. 死傷した胎児についても、刑事訴訟法の犯罪被害者参加制度における被害者としての地位が認められるよう運用改善を図ること。
  3. 交通事故等により出生前に障害を負った子供とその家族が、生涯にわたり十分な医療や福祉を受けられるよう、自賠責保険制度の拡充など公的な被害者支援体制の充実を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年10月15日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 法務大臣
  • 財務大臣
  • 国土交通大臣
  • 国家公安委員会委員長

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全てのケアラーに対する包括的な支援体制と法制度の整備を求める意見書

本文

 近年、家族等の介護、看護、日常生活上の世話その他の支援を担うケアラーの負担は、深刻な社会課題となっている。ケアラーが抱える困難は、身体的・精神的な負担にとどまらず、就学機会や就業機会の制約、社会的孤立、経済的困窮など、生活の様々な側面に影響を及ぼしている。特に、家族の世話等を日常的に担うヤングケアラーについては、健全な成長や学習環境の確保の観点からも支援の充実が求められている。
 また、働きながら介護を担うワーキングケアラー、育児と介護を同時に担うダブルケアラー、高齢の配偶者等を介護する高齢ケアラーなど、ケアラーを取り巻く状況は多様化・複雑化しており、誰もが当事者となり得る時代となっている。
 しかしながら、現在の支援制度は、介護、障害福祉、子育て支援など、それぞれの分野ごとに整備されているため、ケアラー本人に着目した総合的かつ横断的な支援は十分とは言えない。また、自治体によって支援体制や取組に差があることから、どこに住んでいても必要な支援を受けられる環境整備が求められている。
 よって国においては、全てのケアラーが個人の尊厳を保ち、社会から孤立することなく安心して生活し、就学、就労などの社会参加を継続できるよう、下記の事項に取り組むことを強く要望する。

記

  1. 全てのケアラーを対象とした支援の基本理念と国・地方公共団体・事業者等の責務を明確にする法制度を整備すること。
  2. ケアラーの実態把握、ケアラーに対する相談支援や情報提供、レスパイト支援、就学・就労継続支援等について、分野横断的かつ包括的に取り組むための制度を整備すること。
  3. 地方公共団体がケアラーの実情に応じた支援施策を安定的かつ継続的に実施できるよう、必要な財政措置及び人的支援を講ずるとともに、専門人材の確保・育成を支援すること。
  4. 学校、企業、地域社会等におけるケアラー支援に関する理解促進のため、普及・啓発及び教育・研修の充実を図ること。
  5. 介護離職の防止や就労継続支援のため、柔軟な働き方や企業におけるケアラー支援体制の整備を一層促進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年10月15日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣
  • 厚生労働大臣
  • 経済産業大臣

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「防災庁」発足を契機とした防災体制の抜本的強化を求める意見書

本文

 本年7月に「防災庁設置法」が成立し、平時の備えから発災時の対応、復旧・復興までを一貫して担う「防災庁」の発足が目前に迫っている。
 こうした中、7月28日に発生した「令和8年熊本地震」では、猛暑期における大規模災害という状況の中、停電や断水、避難所の衛生環境、熱中症やエコノミークラス症候群、燃油の供給、更には被災自治体のマンパワー不足など、複合的な課題が顕在化した。
 また、8月13日から14日にかけて発生した「令和8年8月千葉豪雨」では、短時間の大雨による浸水や河川の増水など、近年の気象災害の激甚化・頻発化を改めて認識させられたところである。
 今後、想定される南海トラフ巨大地震等の大規模地震に加え、豪雨、洪水、土砂災害など、複雑化・多様化する災害に備えるためには、「防災庁」を司令塔として、国と地方自治体との連携を一層強化し、現場の実情に即した支援体制を構築することが不可欠である。
 よって国においては、「防災庁」の発足を契機として防災体制の抜本的強化を図り、国民の生命と暮らしを守るため、下記の事項に速やかに取り組むよう強く要望する。

記

  1. 地震、豪雨、洪水、土砂災害等の複合化・激甚化する災害に対応する ため、河川・下水道等の整備や流域治水を推進するとともに、観測・監視体制を強化すること。
  2. 避難所におけるトイレ、空調、ベッド等の生活環境の確保や食事等の生活支援を早期に実施できる体制を整備するとともに、車中泊・在宅避難者を含め支援が必要な方に、DMAT(災害派遣医療チーム)、DPAT(災害派遣精神医療チーム)、DWAT(災害派遣福祉チーム)等による保健・医療・福祉支援を迅速に展開できる体制を構築すること。
  3. 被災自治体のマンパワー不足を補うため、GADM(災害マネジメント総括支援員)等の専門人材、国・地方自治体・民間の支援等を迅速につなぐ総合調整機能を強化すること。
  4. 被災地における電力、上下水道、通信、燃油等のライフラインを早期に確保するため、広域的な応援・供給体制を強化すること。
  5. 災害関連死や二次災害・被害を防ぐため、発災直後から復旧・復興まで、国と地方自治体が迅速かつ一体的に対応できる防災体制を確立すること。

 以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。

令和8年10月15日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 厚生労働大臣
  • 国土交通大臣
  • 復興大臣

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インターネット犯罪被害等防止と安心社会の実現に向けた決議

本文

 SNSやチャットアプリ、動画投稿サイトなどのインターネットサービスを通じ、詐欺や誹謗中傷、個人情報の漏えい、なりすましなどの犯罪被害等が急増している。これらの被害は子供から高齢者まで幅広い世代に及び、心身や財産等に深刻な影響を及ぼしている。
 インターネットは私たちの日常生活を豊かにする便利な手段であるが、安全に利用するためには情報リテラシーをはじめとした正しい知識と自分自身を守るための十分な注意が不可欠である。
 県民が安心してインターネットを利用できる社会の実現に向けて、私たち一人一人が意識と行動を高めることがこれまで以上に求められており、また、生成AI技術の発展に伴う新たな形態の犯罪被害等も懸念され、早急に対応すべき課題であると考える。
 よって本県議会は、下記の事項の重要性を改めて認識し、インターネットによる犯罪被害等防止と安心社会の実現に向けた活動を推進する。

記

  1. インターネットを使った誹謗中傷や犯罪被害等の防止に関する県民への周知啓発を強化すること。
  2. 誹謗中傷や犯罪被害等に遭った被害者への相談体制を強化するとともに、県民への周知を図り、相談しやすい体制を整備すること。
  3. 日常におけるインターネットやSNS、生成AI等の利用に際し情報リテラシーを高め、正しい知識を身につけて適切な判断のもと利用すること。
  4. 困難や不安に直面した際には、一人で抱え込まず、信頼できる相談窓口や周囲の人々に相談すること。
  5. インターネット犯罪等被害者の立場を深く理解し、心身の回復に向けた適切な救済及び支援の充実を図ること。
  6. 学校や地域、家庭において、インターネットの安全な利用について世代を超えて積極的に話し合い、互いに支え合う環境を整備すること。

 以上、決議する。


令和8年10月15日

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