令和7年度内部統制評価報告書の審査(令和8年度実施)

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ページID1085877  更新日 2026年10月14日

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内部統制評価報告書審査意見書の概要

地方自治法第150条の規定に基づき審査に付された令和7年度静岡県内部統制評価報告書について審査し、その結果について、令和8年9月8日に知事へ意見書を提出しました。

意見書全文

内部統制評価報告書審査意見書の概要

1.審査の対象

「令和7年度内部統制評価報告書」及び参考資料

2.審査の期間

令和8年8月4日から令和8年9月2日まで

3.審査の着眼点

令和7年度内部統制評価報告書について、知事による評価が評価手続に沿って適切に実施されたか、内部統制の不備について重大な不備に当たるかどうかの判断が適切に行われているかといった観点から検討を行い、審査した。

4.審査の結果

令和7年度内部統制評価報告書について、上記のとおり審査した限りにおいて、評価手続及び評価結果に係る記載は概ね相当であると認める。

5.重大な不備

評価対象期間中に運用上の重大な不備が7件発生しており、その概要は以下のとおりであるが、既に改善措置を講じていることを確認した。

  1. NHK受信機未契約による受信料の未払い
    知事部局、企業局、がんセンター局及び教育委員会事務局が所有する受信機のNHK放送受信契約について複数の未契約機器があり、合計26,245,525円の受信料の未払いが発生した。
  2. 支払事務の放置及び隠匿による未払い(危機管理部)
    当該職員は、広報印刷物の調達事務において、令和6年9月から令和7年6月までの間、業者から何度も督促されたにもかかわらず、代金754,600円の支払事務を放置した。また、事案の発覚を恐れ、支払事務に係る会計データを削除した。
  3. 旅費の不正受給(経済産業部)
    出張において、実際は実家から電車を乗り継いで出張したにもかかわらず、自宅からの新幹線利用及び用務先近くでの宿泊を申請し、旅費の差額34,302円を不正に受給した。
  4. 歳入科目の執行誤りによる決算書の誤り(健康福祉部)
    安心こども基金返還金に充当するために行った基金の取り崩しについて、繰入金として調定・収入すべきところ、財産収入として調定・収入したことによる決算書の誤り(827,081,353円)が発生した。
  5. 決算書の誤り(がんセンター局)
    令和7年10月の決算特別委員会の審査終了後、12月定例会での決算認定前に、収益的支出の補正予算額(7,510万円減額)に誤りが判明した。
  6. 防災・安全交付金における国費返還の発生(交通基盤部)
    令和5年度に実施した水門設備工事において、工事費の増額が発生し、別の工事に配当された国費を流用し充当した際、必要な国への申請を行わず、承認を受けていなかったため、国費5,365,000円の返還が必要となった。
  7. 新県立中央図書館整備事業における不適切な交付金事務(教育委員会事務局)
    新県立中央図書館整備事業において、国の社会資本整備総合交付金を財源として見込み、事業を進めていたが、交付金の見込額を国に十分に確認せず、不明確な状態で事業を進めていたところ、想定した金額が交付されないことが判明し、事業計画の見直しが必要となった。

6.その他

地方自治法の改正により内部統制制度が法定化され、今回で内部統制評価報告書の審査は6回目となった。今回の審査において、次の3つの事案に関し、改善が必要と判断されたため、意見を述べる。

  1. 全庁的な内部統制の整備・運用状況の評価について
    現状の内部統制は、発生した不備の把握とその再発防止策に注力して取り組まれている。一方で、各所属で実施されているリスク抽出及びその対策の内容確認は、各部局の総務担当任せになっており、所属における取組は形式的な評価にとどまり、全体で体系的に評価されていない。
    内部統制の本来の役割は、リスクの発生を未然に防止することであり、リスクを実現させない仕組みやその適切な運用こそが極めて重要である。
    不備を発生させない仕組みの整備・運用状況を確認し、その実効性を評価することを検討していただきたい。例えば、会計事務指導検査・例月指導検査及び物品事務指導検査のデータベースの措置状況入力欄には、現在は文書指示の案件のみ入力され、注意事項の案件は未入力となっている。注意事項の案件についても措置状況を入力させることとし、それらを内部統制推進部局が集計・分析した上で、根本的な対策を講じるよう検討されたい。
    また、近年、必要な情報が正確に上層部に伝達されず、結果として重大な不備となった事例が見受けられる。
    新県立中央図書館の整備に関して、財源である交付金の交付見込みに関する誤った情報が副知事や教育部長まで伝達され、誤った情報を基に意思決定がされた。本事案は単なる情報伝達のミスではなく、組織の風通しが悪く、情報共有をしにくい職場環境が形成されていることから発生したのではないかと懸念する。
    全庁的な内部統制の評価項目のうち、「統制環境」及び「情報と伝達」に係る項目について、形式的な評価にとどめず、整備状況及び運用状況について改めて確認されたい。
  2. 内部統制ポータルの運用について
    令和8年2月に発出された通知「内部統制制度における自己評価の実施について(依頼)」により、財務に関する事務に該当する誤りは、既存のリスク項目以外であれば全て内部統制ポータルに入力するというルールに変更された。しかし、定期監査で各所属の状況を確認したところ、ルールの理解度に差異が見受けられる。所属からは、発生した誤りが既存のリスク項目に該当するか判断が難しいという意見もある。
    変更されたルールを改めて周知するとともに、会計事務指導検査等の指示基準や検査結果に、内部統制推進部局で選定したリスクへの該当の有無を明示することや、手引及びリスク解説書の改正等を行うことで、所属が内部統制ポータルに適切に入力できるよう、必要な支援に取り組んでもらいたい。
  3. 内部統制推進部局の検査体制への評価について
    水産・海洋技術研究所において、令和7年6月26日に水中テレビカメラロボット(以下「ROV」という。)(取得価格40,480,000円)を亡失する事案が発生した。用度課は、令和7年8月4日に水産・海洋技術研究所で物品事務指導検査を実施しているが、本件は関係職員へのヒアリングは行わず、文書指示又は注意事項には該当しないものとした。これは、検査前に所属から提出されたROV亡失の検証報告書及び意見書を書面で検査し、職員に重大な過失は認められない旨が示されていたことから、管理不十分による亡失ではないと判断したためである。
    また、内部統制評価部局は、当初は用度課の判断を参考として、本件は内部統制制度上は不備未満であると区分していた。監査委員との内部統制に関する意見交換会を受けて、本件は不備に該当すると修正したところである。
    監査課が調査したところ、マニュアルどおりにROVを引き揚げるクレーンの直下にある自動船位保持装置を作動させたままで回収を行った際に、自動船位保持装置のプロペラにケーブルが巻き込まれ切断したため、ROVを亡失したとのことだった。例え海上が静穏であっても、回収の最終段階でROVがプロペラに引き寄せられ、ケーブルが切断されるリスクは容易に想像され、装置を止める等の対策を講じたマニュアルを用意しなかったことは組織として重大な過失があったと考え、監査結果として一番重い「指摘」を発出している。
    高額な備品を亡失した事案であること、プロペラへのケーブル巻き込みリスクに対する対策がマニュアルに記載されていなかったことから、内部統制評価部局は、本件について「重大な不備」として評価することを検討されたい。
    また、今回の事案では、用度課は関係職員へのヒアリングを実施せずに書面のみで検査結果の判断を行った。非常に高額な備品を亡失した重大な事案にもかかわらず、内部統制推進部局として原因究明や再発防止策について十分に調査・指導したとは言い難い今回の検査体制の是非について、内部統制評価部局の検証が未実施である。内部統制評価部局は、用度課も含めた内部統制推進部局の検査体制について調査及び必要な指導を実施されたい。

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