子育て応援全国フォーラム

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ページID1010485  更新日 2023年1月13日

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子育て応援全国フォーラム

県では平成27年12月22日(火曜)に子育てをしている人をはじめ誰もが働きやすい職場環境づくりの推進の一環として、静岡市で「子育て応援全国フォーラム」を開催しました。
当日は知事による「ふじのくにイクボス推進宣言」、また、「ふじのくに子育て応援リーディングカンパニー」と「ふじのくにイクボス活躍リーディングカンパニー」の表彰のほか、「企業も社員も輝く職場環境づくり」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。

子育てに優しい取組、子育てしやすい職場環境づくりをする県内16社を表彰

表彰式では「ふじのくに子育て応援リーディングカンパニー」の8社と「ふじのくにイクボス活躍リーディングカンパニー」8社の計16社を表彰しました。

ふじのくに子育て応援リーディングカンパニー(五十音順)

  • 木内建設 株式会社
  • 静岡ガス 株式会社
  • 社会福祉法人 学校法人 天竜厚生会
  • 株式会社 中村組
  • フェイスラボ 株式会社
  • 三笠運輸 株式会社
  • ヤマハモーターパワープロダクツ 株式会社
  • 医療法人社団 凜和会
写真:受賞者1
前列(向かって左から)
渥美由喜氏、静岡県中小企業団体中央会会長、一般社団法人静岡県商工会議所連合会会長、川勝知事、一般社団法人静岡県経営者協会会長、静岡県商工会連合会会長、安藤哲也氏、山口健康福祉部長
後列
ふじのくに子育て応援リーディングカンパニーを代表して表彰式に出席された方々

イクボス活躍リーディングカンパニー(五十音順)

  • 株式会社 いちまる
  • 株式会社 共立アイコム
  • 酒井文人税理士事務所
  • 社会福祉法人恩賜財団 済生会支部 静岡県済生会 静岡済生会総合病院
  • 社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院
  • 株式会社 DIプロ
  • テルモ 株式会社 富士宮工場
  • 浜松信用金庫
写真:受賞者2
前列(向かって左から)
渥美由喜氏、静岡県中小企業団体中央会会長、一般社団法人静岡県商工会議所連合会会長、川勝知事、一般社団法人静岡県経営者協会会長、静岡県商工会連合会会長、安藤哲也氏、山口健康福祉部長
後列
ふじのくにイクボス活躍リーディングカンパニーを代表して表彰式に出席された方々

知事がイクボス推進を宣言!

イラスト:イクボス推進宣言

県内16社の表彰の後、知事が「ふじのくにイクボス推進宣言」を行いました。
この宣言は、10月8日に経済4団体会長から知事に対し、「子育てしやすい職場環境の実現」へ向けた提案がなされたことを受けて行われたものです。


写真:宣言の様子

(向かって左から)
渥美由喜氏、静岡県中小企業団体中央会会長、一般社団法人静岡県商工会議所連合会会長、川勝知事、一般社団法人静岡県経営者協会会長、静岡県商工会連合会会長、安藤哲也氏、山口健康福祉部長

パネルディスカッションで県内外の取組を紹介!

「企業も社員も輝く職場環境の実現に向けて ~企業子宝率とイクボスから見た子育てに優しい職場づくり~」というテーマのもと、7名の方に登壇いただき、
お話しいただきました。

コーディネーター 安藤哲也氏

写真:安藤哲也氏


NPO法人ファザーリング・ジャパン ファウンダー/代表理事
NPO法人タイガーマスク基金 代表理事
1962年生まれ。二男一女の父親。出版社、書店、IT企業など9回の転職を経て、2006年にファザーリング・ジャパンを設立。「育児も、仕事も、人生も、笑って楽しめる父親を増やしたい」と、年間200回の講演や企業セミナー、父親による絵本の読み聞かせチーム「パパ’s絵本プロジェクト」などで全国を飛び回る。子どもが通う小学校でPTA会長、学童クラブや保育園の父母会長も務め、“父親であることを楽しもう”をモットーに地域でも活動中。
「職場で働く部下やスタッフのワーク・ライフ・バランスを考え、人材育成をしながら、組織としての結果も出す。そして、ボス自らも親の介護とか、あるいは定年後の地域活動とか、そういうものに現役の時代から入っていけるような管理職を増やしたい。」

パネリスト 渥美由喜氏

写真:渥美由喜氏


静岡県少子化対策協議会 官民連携調査部会 部会長
内閣府 少子化社会対策大綱を踏まえた結婚・子育て支援の推進に関する検討会 座長代理
厚生労働省 政策評価に関する有識者会議委員(民間シンクタンク 研究部長)
1992年東京大学法学部卒業。これまでに海外10数ヶ国を含む、国内のワークライフバランス・ダイバーシティ先進企業750社、海外150社を訪問ヒアリングし、4000社の財務データを分析。コンサルタント、アドバイザーとして、ワーク・ライフ・バランスやダイバーシティに取り組む企業の取組推進をサポート。プライベートでは、9歳と5歳の2児の父親。育児休業を2回取得。5年前から父親の介護も実践中。20年前から地元の公園で継続してきた「こども会」のボランティア活動をライフワークとしている。座右の銘は、「市民の三面性=家庭人、地域人、職業人」
「これからは、社員の子育てや、地域の子どもたちを応援するような、本当に立派な地元に根ざした企業が評価される、そういう企業に良い人材が集まる。そういう時代に必ずなってきます。」

パネリスト 松浦信男氏

写真:松浦信男氏


万協製薬株式会社代表取締役社長
1962年神戸市生まれ。徳島文理大学薬学部、三重大学医学部大学院博士課程卒業。薬剤師。父が創業した万協製薬株式会社に入社。大阪の東洋漢方製薬株式会社代表取締役を経て、1996年三重県多気郡多気町に移転した万協製薬の代表取締役に就任。多気町商工会会長、多気町工業会会長、松阪法人会多気支部会長、三重県薬事工業会理事などを務める。合気道、フィギュア収集、バンド活動など、多彩な趣味を持つ。2014年に、ワーク・ライフ・バランスのさまざまな取組を評価され、第1回ファザー・オブ・ザ・イヤーinみえ(三重県主催)の“イクボスさん、いらっしゃい!”部門を受賞。
「どんなに景気が悪くなっても、どんなに落ち込んでいても、会社に来れば皆が元気になる。こういう会社を作るべきだし、こういう会社をつくるのは社長の責任のはずです。社長も社員も幸せになる、そのためにもっともっと毎日会社で楽しまないと。」

パネリスト 山本たつ子氏

写真:山本たつ子氏


社会福祉法人 学校法人 天竜厚生会(ふじのくに子育て応援リーディングカンパニー表彰団体)理事長
1971年天竜厚生会入職。身体障害者施設生活指導員、施設長、研修センター所長、指導部長等を経て、2010年8月、社会福祉法人・学校法人天竜厚生会第6代理事長に就任。
現在、株式会社福祉新聞社取締役、財団法人静岡県社会福祉事業共済会理事(副会長)、一般社団法人静岡県社会福祉士会会長、全国社会福祉法人経営者協議会協議員を務める。
「介護や福祉の分野は人にケアする。人にケアする優しさっていうのは自分が子育てをしたり、介護をしたりする中で培われていく。その人たちが現場にきちっと復帰してくださることで、厚生会自身のサービスの質の向上につながることを期待しているわけです。」

パネリスト 鈴木真由美氏

写真:鈴木真由美氏


浜松信用金庫(ふじのくにイクボス活躍リーディングカンパニー表彰企業)きらりタウン支店 支店長
1984年3月高校卒業後、金融機関に就職。就職後5年間勤め、出産・育児のために仕事を離れる。2001年に浜松信用金庫にパート職員として採用され5年間勤務。2007年にパート職員から正職員への登用制度が設けられたのを機に正職員第1号となる。2008年伝馬町支店営業係長を経て、2013年11月、浜松信用金庫初の女性支店長となる。
「スタッフに対して常に平等な視点を持つこと。お昼休みなどにさりげなく子育ての話などをしながら、チーム全体が良い雰囲気になるように心がけてます。」

パネリスト 吉田善男氏

写真:吉田善男氏


福井県産業労働部労働政策課長
福井県が全国に先駆けて平成23年度から取り組んできた企業子宝率調査の概要と成果を紹介。
「福井県は、共働き率が全国トップレベルにあるにもかかわらず、合計特殊出生率も高い。子育てしながら働き続ける風潮が根付いているのは、企業現場に働きやすい職場環境があるのではないかと考えたことが、企業子宝率に取り組んだきっかけです。」

パネリスト 大石玲子 静岡県健康福祉部理事(少子化対策担当)

写真:大石玲子


3年間実施した企業子宝率調査と今年度のイクボス普及・養成の取組について紹介。
「企業子宝率調査の結果、子育てに優しい企業には、充実した制度やルール、それを利用しやすい職場の風土があり、それには、管理職の意識が大きく影響するということが再認識されました。」


パネルディスカッションでは、福井・静岡両県や各企業の取組とその経緯などについて発表が行われたほか、企業子宝率の高い企業の取組を紹介し広めることの重要性や、イクボスとはどんな人なのか、増やすとどんないいことがあるのか、などについて話し合われ、最後には、会場の聴講者の方からの質問にパネリストがその場で答える時間も設けられました。短い時間でしたが、仕事と子育てを両立できる職場環境づくりの大切さと、そのための心構えを学ぶ、大変有意義な機会となりました。

冒頭、渥美氏は、大企業のほうが仕事と子育ての両立に関する進んだ制度を持っているものの、それらを利用しやすい職場風土がある企業は少なく、一方、法定の制度しか設けていなくても、両立しやすい職場風土を持つ中小企業が地方にたくさんある、そこにスポットを当てたかった、と企業子宝率を提唱したきっかけをお話しくださいました。また、企業のワーク・ライフ・バランスへの取組や子育て支援策を経営戦略に関連づけ、新しいビジネスのニーズをつかむためにも、社員一人一人に自身の「ライフ」を追求する時間を持たせることが重要であると解説してくださいました。

写真:フォーラムの様子1


企業子宝率調査を全国で一番初めに取り組んだ、福井県の吉田労働政策課長からは、福井県の企業子宝率調査の取組の概要や結果についてお話いただきました。調査の結果、子宝率の高い企業には、経営者や従業員同士のコミュニケーションが取りやすく風通しがいい、育児のための遅出・早退が現場の判断で可能、急な欠勤などに柔軟に対応できる業務体制をとっているなどの共通点があることや、子宝率の高い企業は、有給休暇取得率が高く、所定外労働時間が短く、採用3年以内の離職率も低いという傾向があることが明らかとなったと言います。福井県では、今後も引き続き、企業子宝率を県内企業の職場環境への意識向上、改善に役立てていくそうです。


写真:フォーラムの様子2


続けて、本県も、大石健康福祉部理事が発表を行いました。本県では、経済4団体との連携の下、企業子宝率調査に3年にわたって取り組んでいます。調査を進めていく中で、子育てに優しい企業には、制度を利用しやすい職場風土に加え、それをつくり出す経営者や管理職の方の意識があることを再認識したため、今年度、「イクボス」の普及・養成に乗り出すに至ったという経緯をお話しました。

次に、話題はイクボスへと移り、まず、安藤氏から、イクボス養成に至った理由や、男性の育児参画の重要性についてお話いただきました。男性が育児に関われる労働環境をつくることで、企業は優秀な人材を獲得できるようになり、生産性が向上し、メンタルヘルスも改善する、一方で家庭の問題の予防にもなる。男性の働き方を変えることが、社会変革には必要であり、それを阻む長時間労働を解消するために、職場の上司の意識を変える「イクボスプロジェクト」に取り組み始めたそうです。

続いて、三重県の万協製薬の松浦社長に、自社の取組についてお話いただきました。社内のコミュニケーションを活発にするためのさまざまなユニークなしくみや、従業員の成長を促進するジョブローテーション制度など、あらゆる環境整備に取り組んでいるという松浦社長。従業員のアイデアで制度を変えることもしばしばとのこと。従業員を幸せにすることに使命感を持って職場環境づくりに取り組んでいるのは、阪神淡路大震災で被災した経験がもとになっていると話してくださいました。

本県のイクボスの普及・養成の取組については、再び大石理事から発表を行いました。今年度、イクボスを知ってもらうための入門書として「今日から実践!イクボス心得帖」を作成。それを県内企業に配布してイクボスを募集し、冊子でイクボスが活躍する企業を紹介、さらに、県内の企業経営者や管理職を対象にイクボス養成講座も実施したこと、今後は、知事が行った「ふじのくにイクボス推進宣言」に則り、イクボスの普及・養成に取り組むことをお話しました。

当日表彰を受けた2つの県内の企業・団体にも、取組を発表していただきました。

静岡県内で205もの福祉事業を営む、社会福祉法人 学校法人 天竜厚生会の山本理事長には、事業内保育所の運営や、両立支援制度の拡充、ノー残業デーの推進、育児や介護を理由に退職した職員の再雇用制度の創設など、各施設の利用者を支える職員が元気に働き続けられる環境をつくるための取組についてお話いただきました。積極的に取り組んだ結果、産休や育休を取って復帰する職員や、3人目の子どもを持ちたいという職員も増えてくるなど、成果が出始めているといいます。

続いて、浜松信用金庫の取組を、きらりタウン支店の鈴木支店長からご紹介いただきました。浜松信用金庫は、浜松で一番就職したい企業、1日でも長く働ける企業、勤めてよかったと思ってもらえる企業を目指し、有給休暇取得推進や、早帰りの推進、男性の育児休暇の取得推進などに積極的に取り組んでいるそうです。また、きらりタウン支店独自のおもてなしや仕事を楽しむ姿勢が業績につながった、鈴木支店長自身の経験をお話しいただきました。
 

最後には、会場の聴講者の方からその場で質問をいただき、パネリストの方にお答えいただく質問の時間が設けられました。「マネジメントで気を配っていること」や「育児休業や短時間勤務の社員の代替はどうしているか」、「職場の風土を変えるためにまずやるべきこと」など、聴講者の皆様が働き方改革やワーク・ライフ・バランスに関心を持つ一方で、その具体的な方法に悩んでいる様子が窺えました。

発表していただいた各企業・団体に共通していたのは、従業員の声に耳を傾けながら、長く働いてもらうにはどうしたら良いのかを考える姿勢でした。人材が貴重であるということへの気づきが、従業員の子育て支援やワーク・ライフ・バランスの推進にいち早く取り組むきっかけになっているようです。

短い時間でしたが、パネリストの皆様から、示唆に富むご意見や発表をいただき、大変有意義なパネルディスカッションとなりました。

写真:展示の様子

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