心理学を学ぶことから認め合いへ【寄稿日:令和3年1月13日】

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ページID1013466  更新日 2023年1月13日

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常葉大学 教育学部 教授 佐瀬竜一 氏

心理学を専門分野としています。特に、自律訓練法などの心身調整法やロールレタリング(役割交換書簡法)などの書くことによって心身を落ち着かせる方法、感情をコントロールする方法について研究・実践しています。また、青少年の(学校を含めた)社会への適応の在り方・メンタルヘルスについて研究しており、スクールカウンセラーとしても活動しています。

心理学を研究していると人間の奥深さを感じると共に、改めて人間は難しい存在であることを実感します。その一例として「シェパードの恐怖の洞窟の図」(『視覚のトリック―だまし絵が語る「見る」しくみ』より引用)を挙げさせていただきます。2匹のモンスターがいて、前より後ろにいるモンスターの方が大きく見えると思います。しかし、実際は両方とも同じ大きさなのです。背景に壁の絵があることで前と後ろと認識し、後ろの方が小さいはずなのに大きさが変わらないということは後ろの方が大きいと脳が勝手に解釈して見え方を変えてしまうのです。このように、人間は脳が発達しているが故に、正確に物事を観察することが難しいといえます。

このように、正確に物事を観察することは難しいことを知っておくと、自分が見ている物が世の中の全てではないと思うことができます。それが様々な特性や違いを認め合うというユニバーサルデザインの第一歩につながると思います。

イラスト:シェパードの恐怖の洞窟の図

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