富士山憲章
制定の経過
静岡・山梨の両県は、平成8年に「富士山クリーン作戦」共同実施の成果及び両県知事によるテレビ対談での取組の提案、平成9年には、「富士山環境保全共同宣言」の発表及び「富士山サミット」の開催により、「富士山はひとつ」の共通認識のもと、両県が連携して富士山の環境保全に取り組むことを確認しました。
平成10年には、日本のシンボルである富士山を世界に誇る山として、後世に継承するための全国的運動の原点となる「富士山憲章」を制定しました。
本文
富士山憲章
富士山は、その雄大さ、気高さにより、古くから人々に深い感銘を与え、「心のふるさと」として親しまれ、愛されてきた山です。
富士山は、多様な自然の豊かさとともに、原生林をはじめ貴重な動植物の分布など、学術的にも高い価値を持っています。
富士山は、私たちにとって、美しい景観や豊富な地下水などの恵みをもたらしています。この恵みは、特色ある地域社会を形成し、潤いに満ちた文化を育んできました。
しかし、自然に対する過度の利用や社会経済活動などの人々の営みは、富士山の自然環境に様々な影響を及ぼしています。富士山の貴重な自然は、一度壊れると復元することは非常に困難です。
富士山は、自然、景観、歴史・文化のどれひとつをとっても、人間社会を写し出す鏡であり、富士山と人との共生は、私たちの最も重要な課題です。
私たちは、今を生きる人々だけでなく、未来の子供たちのため、その自然環境の保全に取り組んでいきます。
今こそ、私たちは、富士山を愛する多くの人々の思いを結集し、保護と適正な利用のもとに、富士山を国民の財産として、世界に誇る日本のシンボルとして、後世に引き継いでいくことを決意します。
よって、静岡・山梨両県は、ここに富士山憲章を定めます。
1 富士山の自然を学び、親しみ、豊かな恵みに感謝しよう。
1 富士山の美しい自然を大切に守り、豊かな文化を育もう。
1 富士山の自然環境への負荷を減らし、人との共生を図ろう。
1 富士山の環境保全のために、一人ひとりが積極的に行動しよう。
1 富士山の自然、景観、歴史・文化を後世に末長く継承しよう。
平成10年11月18日
静岡県
山梨県
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