令和6年6月定例会意見書(令和6年7月8日可決)

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ページID1064445  更新日 2024年7月8日

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栄養教諭の適切な配置を求める意見書

本文

 現在、学校現場では、個に応じたきめ細やかな指導が推進される中、児童生徒の食の安全の観点から、給食の栄養管理やアレルギー対応等についても丁寧な取組が求められている。また、子供たちが食についての正しい知識と望ましい食習慣を身につけ、生涯にわたって健康な生活を送るための食育指導も推進されている。
 食の安全や食育指導の中核的役割を担うため平成17年度に創設された栄養教諭は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」において一定数の配置が求められている。しかし、例えば、給食を単独で実施している学校については児童生徒数が550人以上の場合は1人、549人以下の場合は4校に1人の配置となっているなど、子供たちにその指導が十分行き届いているとは言えない。また、1人の栄養教諭が複数校を担当するケースも多いことから業務の負担が大きく、多忙化につながっている現状がある。
 よって国においては、全ての児童生徒において、食の安全が確保され、十分な食育指導を受けることができるよう、栄養教諭の適切な配置の実現を強く求める。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年7月8日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 文部科学大臣

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あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関するガイドラインの早期策定等を求める意見書

本文

 あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復(以下「あはき柔整」という。)の広告については、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律及び柔道整復師法により、広告可能な事項が限定列挙で規定されているが、広告可能事項以外の項目の掲示が散見されるなど、実態と合っていない面が見受けられる。
 平成29年度の社会保障審議会医療保険部会において、不適切な広告を掲示する施術所に対して指導・徹底の方針が示されたこと、また「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」の見直しが行われたこと等を踏まえ、厚生労働省は平成30年5月に「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」を設置し、国民に対する「あはき柔整」等の情報提供内容のあり方について検討を進めているところである。
 しかしながら、検討会の設置から6年を経た現在においても、情報提供内容等を定めたガイドラインは策定されていない。それでも国の免許を持つ「あはき柔整」の業界では、違法広告を掲示しないよう保険研修会等で厳しく指導しているが、他方、国家資格ではないカイロプラクティック、整体、エステ、リフレクソロジー等を称する者には関係法による広告規制がないことから、利用者が広告に誘引され、結果として本人が望まない施術を受けてしまうことが十分考えられる。健康被害の防止に向けた適切な指導のためにもガイドラインは必要不可欠である。
 よって国においては、「あはき柔整」等の情報提供内容のあり方についてのガイドラインを早期に策定した上で、ガイドラインの実効性を高めるため、事業者、利用者及び関係機関に対して周知・徹底を行うよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年7月8日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 厚生労働大臣

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建設業における労働環境の整備を求める意見書

本文

 建設業は、良質な住宅や社会資本整備の担い手として、また災害の発生に即応して災害復旧を担う「地域の守り手」としても国民生活に貢献し、かつ地域経済活動を支えている。
 建設業の就業者数は、令和4年度には479万人と、ピークであった平成9年の685万人から約3割減少し、また29歳以下が11.7%と、若者世代が1割程度しか従事せず、高齢化が進行している。特に建設工事の直接的な作業を行う技能者は、60歳以上が全体の約4分の1を占め、10年後にはその大半の引退が見込まれる。また、労働環境は、他産業で標準的な週休2日が十分に浸透しておらず、年間総実労働時間は全産業と比べて90時間長い状況である。
 さらには、建設業界は工事全体の総合的な管理監督を担う元請、中間的な施工管理や労務の提供を担う1次、2次の下請、そしてその下請といった重層的な構造となっていることで、施工対価の減少など、下請業者の負担が大きくなっている現状がある。
 そうした中、令和6年4月から時間外労働の罰則付き上限規制が建設業にも適用され、「建設業の2024年問題」と言われる担い手不足の深刻化が一層懸念される状況である。
 よって国においては、より一層の処遇改善や働き方改革、生産性向上を一体として進めるため、下記の事項について財政措置を含めた特段の措置を講ずるよう強く求める。

  1. 時間外労働の罰則付き上限規制の適用に対応するため、建設現場における工期設定の適正化を図ること。あわせて週休2日工事を標準とし、毎週いずれかの日で2日以上の現場閉所を行う場合、要した経費を調査の上、さらなる補正措置等を講ずること。
  2. 働き方改革を進めるに当たり、技術者不足及び担い手不足が特に著しい中小企業・小規模事業者に対する支援をさらに拡充すること。
  3. データ連携等を通じた適時適切かつ効率的な施工管理をはじめ、情報通信技術の活用などによる生産性向上の取組を進めるために必要な措置を講ずること。
  4. 資材価格高騰等の価格変動に対応するため、受発注者間での透明性の高い協議プロセスの場を構築し、制度化すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年7月8日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 厚生労働大臣
  • 経済産業大臣
  • 国土交通大臣
  • デジタル大臣

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不登校児童生徒に対して多様な学習機会を確保するための経済的支援制度の確立を求める意見書

本文

 令和4年度の全国小中学校における不登校の児童生徒数は10年連続で増加し、29万9,048人となっている。本県においても9,643人が不登校となり、前年度から1,422人と増加し、さらに留意すべき児童生徒も多数存在していると考えられる。
 こうした中、不登校児童生徒に対して学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行うフリースクール等の民間施設(以下「フリースクール等」という。)や、家庭に拠点を置いて学習を行うホームスクーリングは、社会的自立に向けた学びの場として重要な選択肢となっている。しかしながら、フリースクール等は利用料の経済的負担に加え、身近に通うところがない場合には遠距離通学による時間的、身体的、心理的な負担から、諦めざるを得ない児童生徒もいる。
 また、ホームスクーリングにおいてもオンライン教材への経済的な負担が生じており、家庭の経済状況によって受けられる学習内容にばらつきが生じている。
 本県では、フリースクール等を運営する民間団体への運営費補助を行っているが、フリースクール等の数は充足しておらず、また、ホームスクーリングも含め、保護者の経済的な負担が大きい状況であり、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(以下「教育機会確保法」という。)の基本理念である「不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえた個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援」が果たされているとは言えない状態である。
 よって国においては、教育機会確保法の基本理念を踏まえ多様な学習機会を確保するため、下記事項に取り組むことを強く要望する。

  1. 教育機会確保法制定時の附帯決議の趣旨を踏まえ、フリースクール等の設立や運営に対する経済的支援制度を創設すること。
  2. 不登校児童生徒が、家庭の経済状況に関係なくフリースクール等やホームスクーリングを活用した学びの機会を確保できるよう、保護者の負担軽減に資する経済的支援を早急に実施すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年7月8日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣

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地方創生に貢献するサーキュラーエコノミー(循環経済)の一層の推進を求める意見書

本文

 循環型社会形成推進基本法は、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷をできる限り低減する「循環型社会」の形成に関する施策を総合的かつ計画的に進めるために2000年に制定され、本法律に基づき、我が国は施策の推進に20年以上取り組んできた。
 循環型社会の形成を通じて目指すべき社会は、「環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら、持続的に発展することができる社会」であり、地域におけるサーキュラーエコノミーの推進は、循環型社会を形成する上で重要なツールであるとともに、地方創生・地域活性化の実現に大きく貢献しうるものである。
 実際に、先進的な取組を進める地方自治体が現れ始め、地域特性や産業を生かした脱炭素ビジネスの推進や、地域由来の資源を活用したエネルギーの自給率向上、地域住民の理解醸成を通じた効果的な資源循環ビジネスの構築など、地域に新たな付加価値や雇用を創出しており、サーキュラーエコノミーの推進は、地域の課題解決とともに、新たなビジネスや価値を生み出すことによる地方創生の実現に資するものである。
 よって国においては、地方創生に貢献するサーキュラーエコノミーの一層の推進のため、下記の事項について取り組むよう強く要望する。

  1. 地域経済の活性化を図るため、プラスチック、金属資源、生ごみ、家畜ふん尿、下水汚泥、紙おむつ等の地域の循環資源や木質バイオマス等の再生可能資源の活用など、地方自治体と民間企業の連携による資源循環ビジネスの創出への支援を強化すること。
  2. 地域における廃棄物処理の広域化や廃棄物処理施設の集約化、エネルギー回収の高度化等を推進すること。
  3. 地方自治体と住民、民間企業等の協働の下、地域に適したごみ処理方式や分別区分の選定等による脱炭素かつ持続可能な適正処理に資する資源循環を進めるための体制強化に対する支援を拡充すること。
  4. 製品の長期メンテナンスやリユース製品の積極的な利用といったライフスタイルに係る地域住民及び消費者の意識改革及び行動変容の促進や、携帯アプリ等を活用した新たなサービスの創出等、地方自治体と民間団体の連携による資源循環を進めるための環境整備を支援すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年7月8日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 農林水産大臣
  • 経済産業大臣
  • 環境大臣

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