土地収用法の特例
(1)土地収用法の特例
ア 土地収用法の特例とは
起業者は、土地収用法の事業の認定を受けた収用適格事業について、その起業地内にある特定所有者不明土地(注)を収用等しようとするときは、都道府県知事に対し、特定所有者不明土地の収用等についての裁定を申請することができます。
これは、収用委員会による権利取得裁決・明渡裁決を都道府県知事による裁定に一本化するとともに、審理手続を省略するものです。
都道府県知事による公告・縦覧の結果、土地所有者等から申出があった場合等には、特例制度による手続は却下され、必要に応じ土地収用法に基づく裁決手続を行うことになります。
また、都市計画法の認可等を受けた都市計画事業についても、裁定手続が可能です。
(注)特定所有者不明土地とは、所有者不明土地のうち、「現に建築物(簡易な構造の小規模建築物又はその利用が困難であり、かつ、引き続き利用されないことが確実であると見込まれる建築物を除く)が存在せず、かつ、業務の用その他の特別の用途に供されていない土地」のことを言います。複雑な補償金の算定を要しない土地のことです。
イ 裁定申請の手続
手続は次の順により進められます。
- (ア)土地収用法の事業認定の告示(事業認定庁)
- (イ)裁定の申請(起業者→都道府県知事)
- (ウ)裁定申請があった旨及び異議のある者は申し出るべき旨の公告・裁定申請書等縦覧(都道府県知事)
- (エ)裁定手続開始の決定・登記等(都道府県知事)
- (オ)補償金額について収用委員会に意見徴取(都道府県知事→収用委員会)
- (カ)裁定した旨の公告・通知(都道府県知事・都道府県知事→起業者)
- (キ)補償金の供託(起業者→供託所)
- (ク)権利取得(起業者)
令和5年度末時点で、静岡県における裁定事例はありません。
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