第27回伊豆文学賞 入賞作品決定

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ページID1059617  更新日 2024年1月17日

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文学のふるさと伊豆・東部をはじめ静岡県内を題材とする文学作品を公募した第27回伊豆文学賞の入賞作品が次のとおり決定しました。

1 審査結果

入賞作品のあらすじは「7 入賞作品のあらすじ」のリンクをご覧ください。

(1)小説・随筆・紀行文部門

作品名

種別

作者名

居住地

最優秀賞

破城の主人
(はじょうのあるじ)

小説

寺田 勢司
(てらだ せいじ)

大阪府
吹田市

優秀賞

三日のつもりが三か月 しずおか、静岡

(みっかのつもりがさんかげつ しずおか、しずおか)

随筆

横山 八千代
(よこやま やちよ)

京都府
京都市

佳作

兎たちの居た場所

(うさぎたちのいたばしょ)

小説

阿部 千絵
(あべ ちえ)

愛知県
田原市

佳作

太鼓リール

(たいこりーる)

小説

青木 繁喜
(あおき しげき)

静岡県
富士市

 

(2)掌篇部門

作品名

作者名

居住地

最優秀賞

海へ

(うみへ)

鈴木 みゆ ※

(すずき みゆ)

静岡県

静岡市

優秀賞

畳のある家

(たたみのあるいえ)

T・S・デミ ※
(てぃーえすでみ)

静岡県
田方郡函南町

優秀賞

ヤマモモの実が熟す頃

(やまもものみがじゅくすころ)

阿部 英子
(あべ えいこ)

静岡県
磐田市

優秀賞

闇を照らすのは

(やみをてらすのは)

みなみ つきひ※

福岡県
福岡市

優秀賞

尊之島エレジー

(そんのしまえれじー)

宮内 昭子
(みやうち あきこ)

静岡県
田方郡函南町

優秀賞

鬼射の的

(おびしゃのまと)

溪口 輝
(たにぐち ひかる)

静岡県
下田市

 ※印:筆名(ペンネーム)

2 最優秀賞受賞者のコメント

(1)小説・随筆・紀行文部門 寺田 勢司

受賞の知らせを聞いて

最近作品を読み返し、受賞は難しいかなと思っていたところに、最優秀賞受賞との知らせを受け信じられない気持ちであるとともに光栄です。田沼意次をテーマにしたのは、活躍した江戸時代中期近辺が好きで、同人について調べれば調べるほど世の悪評とは異なる人物像に興味をひかれたからです。

応募の動機、静岡県との関わり

仕事で幾度となく訪れた静岡という土地は、秋季、冬季と悪天に見舞われる石川県で育った私にとってはある種、憧れの土地でした。温暖で風光明媚、住まう人々も朗らかな同県に魅了され、いつかこの土地にまつわる話を書いてみたいと志すようになり、長きに渡って興味を抱いていた田沼意次に因んだ話を書こうと思い立った次第です。

作品に込めた思い

幕府の窮状を鑑み、道徳よりも経済実学、経世済民に重きを置いた田沼政治は私利私欲に走った政治だったと言われています。しかし意次自身は主家の弥栄と救民、世の安寧を願い封建制度と門閥に凝り固まった幕閣の中で手腕を発揮したリーダーであったと思います。そんな意次を慕った家臣たちも又、新しい武士団であったはずで、もっと評価され、知られるべきだと思い書きました。

(2)掌篇部門 鈴木 みゆ

受賞の知らせを聞いて

このように得難い機会をいただき、とても感謝しています。自問自答しながらなんとか書いたので、背中を押していただけたようでうれしいです。

応募の動機、静岡県との関わり

静岡で生まれ育ち、伊豆文学賞は読者として楽しんでいました。子供のころから慣れ親しんだ場所がなくなるかもしれないと聞いて、その時の気持ちを文章という形に残したかったので、今回思い切って応募しました。

作品に込めた思い

いつもわかっていると思っていることが、ふとした瞬間に揺らぐことがあります。時間や記憶のような捉えどころがないものの揺らぎと、人の再生への願いを込めました。

3 最優秀賞作品についての審査員コメント

(1)小説・随筆・紀行文部門

落城の様子を見てきたようにつづる著者の文章は圧巻。相良城に籠城中、「鯵の干物諸共、七輪を火薬樽の中に放り込みまするぞ」という家臣四郎兵衛のセリフが愉快ユカイ。これからプロの作家としての活躍が楽しみである。

(審査員:嵐山 光三郎)

(2)掌篇部門

メッセージ部門を掌編部門と改名した甲斐のある今回の候補作品だったが、審査員三人が揃って高評価を与えたのが、「海へ」だった。冒頭と終わりが軽やかな小説的結構を感じさせてもくれる、穏やかな想念と遊び心にみちた、見事な掌篇だった。

(審査員:村松 友視)

4 審査員

(1)小説・随筆・紀行文部門

嵐山 光三郎(作家、第58回読売文学賞受賞)
太田 治子(作家、第1回坪田譲治文学賞受賞)

(2)掌篇部門

村松 友視(作家、第87回直木賞受賞)
諸田 玲子(作家、第26回新田次郎文学賞受賞)
中村 直美(株式会社交通新聞社 常務取締役 コミュニケーションデザイン事業部長)

5 賞

(1)小説・随筆・紀行文部門

  • 最優秀賞 賞金 100万円
  • 優秀賞 賞金 20万円
  • 佳作 賞金 5万円

(2)掌篇部門

  • 最優秀賞 賞金 5万円
  • 優秀賞 賞金 1万円

6 募集結果

(1)応募総数

414編(小説194編、随筆39編、紀行文12編、掌篇169編)

(2)年代別応募数

年代 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代 100代 不詳 合計
小説・随筆・紀行文

5

8

14

21

32

62

66

29

3

1

4

245

掌篇

0

15

19

15

30

33

42

12

1

0

2

169

合計

5

23

33

36

62

95

108

41

4

1

6

414

 

(3)居住地別応募数

居住地 静岡県 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 愛知県 その他
道府県
海外
小説等

108

41

27

7

5

12

45

245

掌篇

68

29

22

6

5

4

35

169

合計

176

70

49

13

10

16

80

414

7 入賞作品のあらすじ

次のリンクをクリックすると「あらすじ」ページを表示できます。

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