令和5年2月定例会意見書(令和5年3月10日可決)

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ページID1052596  更新日 2023年10月13日

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食料安全保障の強化を求める意見書

令和5年3月10日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 農林水産大臣

本文

 新型コロナウイルス感染症拡大の長期化やロシアによるウクライナ侵略、急激な円安の進行などの影響により、食料及び燃油・肥料・飼料をはじめとする生産資材の価格が高騰し、高止まりしている。一方で、農畜産物については、生産コストの増加に見合った価格転嫁が難しく、農業者の営農継続が危ぶまれている。
 また、我が国の食料自給率は、令和3年度においてカロリーベースで38%、生産額ベースで63%と食料・農業・農村基本計画に掲げる目標には程遠い状況にあるとともに、主要先進国の中でも最低の水準となっている。
 こうしたことから、食料や生産資材の多くを海外からの輸入に依存する我が国においては、食料の安定供給・確保に向け、早急な食料安全保障の強化が求められている。
 よって国においては、食料安全保障の強化に向けて、下記の事項を実施するよう強く要望する。

  1. 農業生産現場の実態を把握した上で施策を講ずるとともに、食料自給率の向上を含む幅広い観点から食料・農業・農村基本法を検証し、見直すこと。
  2. 国産農畜産物を積極的に選ぶよう消費者の理解醸成に取り組むこと。
  3. 農業の持続的な発展を図るため、担い手の育成及び農地の有効活用に向けた施策の強化を図ること。
  4. 農畜産物の再生産に配慮された適切な価格形成の実現に向けた仕組みを構築するとともに、物流コスト低減に向けた施策を講ずること。
  5. 生産資材の高騰による影響緩和のため、燃油・飼料のセーフティネットの安定運営及び改善を図るとともに、肥料セーフティーネット制度を創設すること。
  6. 家畜糞尿や食品残渣、下水汚泥等の国内資源を肥料原料として有効活用できるよう、技術開発や施設整備に対する支援を拡充すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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中小企業・小規模事業者への支援の拡充を求める意見書

令和5年3月10日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 経済産業大臣
  • 環境大臣

本文

 中小企業・小規模事業者(以下「中小企業等」という。)は、我が国企業の9割以上、雇用の約7割を占める我が国経済の屋台骨であるが、新型コロナウイルス感染症や不安定な世界情勢の影響などにより、その取り巻く環境は大変厳しくなっている。
 燃油や原材料価格の高騰が続く中、中小企業等は発注側企業に対して、コスト増加分の価格転嫁を提案しにくい状況にあり、十分な価格転嫁ができているとは言い難い。
 また、国全体でデジタル化やDXを推進する中、経営資源の乏しい中小企業等が、AI・ICTを活用して効率的な企業経営を実現する上で、AI・ICT人材等の不足が喫緊の課題となっているほか、世界的なカーボンニュートラルを目指す動きの中では、サプライチェーン全体での取組が求められ、エネルギー効率の高い設備への更新も大きな課題となっている。
 さらに、昨今の自然災害や感染症の蔓延、サイバー犯罪等のリスクに対し、経営基盤が脆弱な中小企業等が、廃業や事業縮小に追い込まれないためには、業務継続計画(BCP)の策定などの対策が必要である。
 よって国においては、様々な経営課題を抱える中小企業等を支援し、その経営の安定とさらなる成長につなげていくため、下記の事項を早急に実施するよう強く要望する。

  1. 適正な価格転嫁に向け、中小企業等へ実効性ある支援対策を講ずること。
  2. 中小企業等に対し、AI・ICT人材等の確保・育成や知見のある人材の派遣などの支援を実施すること。
  3. 脱炭素化に取り組む中小企業等に対する省CO2型設備等の導入支援制度を拡充すること。
  4. 中小企業等の事業継続計画(BCP)策定に向けたインセンティブの拡充を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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教職員定数の改善等を求める意見書

令和5年3月10日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣

本文

 現在、学校現場では、個に応じたきめ細かな指導や子供たちの豊かな学びを実現するための取組を推進しているが、一方で、新型コロナウイルス感染症への対応、不登校やいじめ、貧困、ヤングケアラーなど学校が抱える課題は多様化、複雑化しており、定数により配当される教員だけでは、十分な対応を取ることが困難になっている。このような状況が教員の多忙や長時間労働、精神疾患にもつながっている。
 養護教諭については、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが常勤ではないため、養護教諭が複雑化する子供たちの相談にも対応し支援を行っている。近年では新型コロナウイルス感染症への対応も加わり、その業務は増加の一途をたどっている。
 栄養教諭及び学校栄養職員については、栄養管理、アレルギー対応、異物混入防止等の食の安全管理など、職務内容が多岐にわたることから、職務の主となる食に関する指導を十分に行うことができていない。
 そのほか、専門性が高く速やかな解決が望まれる課題については、専門スタッフの増員を図り、子供たちの豊かな学びを保障する必要がある。
 よって国においては、下記の事項について措置を講ずるよう強く要望する。

  1. 不登校児童生徒が、家庭の経済状況に関係なくフリースクール等での学びの機会を確保するため、保護者の負担軽減に資する経済的支援を早急に実施すること。
  2. 不登校児童生徒やフリースクール等に関する実態調査を実施し、実態に即したきめ細やかな施策を実施すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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地方公共団体情報システムの標準化に関する意見書

令和5年3月10日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • デジタル大臣

本文

 令和3年9月、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律が施行され、行政手続における住民の利便性の向上及び地方公共団体の行政運営の効率化を目的として、地方公共団体情報システムの標準化が推進されることになった。
 地方公共団体は、住民基本台帳や固定資産税など主要20業務を処理する基幹系システムについて、令和7年度までに標準準拠システムへ移行していくとされており、システムは国が整備するガバメントクラウド上での稼働が推奨されている。国は移行が円滑にできるよう基金を設け、地方公共団体の取組を支援している。
 しかしながら、地方公共団体は、新型コロナウイルス感染症等の影響により財政状況が厳しくなっていることに加え、地方におけるデジタル人材の不足も深刻な状況であり、移行への対応に苦慮している。
 よって国においては、情報システムの標準化を推進するに当たり、地方公共団体の状況を踏まえ、下記の事項を実施するよう強く要望する。

  1. 令和7年度までとした移行目標時期について、地方公共団体及びシステムを提供する事業者の実情を踏まえ、柔軟に対応すること。
  2. 移行後のシステム保守・運用などについて、技術的・財政的支援を講ずること。
  3. 都道府県が市町村に対して実施する研修やワークショップ、移行に係る進捗管理などの措置についても、技術的・財政的支援の対象とすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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社会的養護下から自立する若者への支援の充実を求める意見書

令和5年3月10日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 厚生労働大臣
  • 経済産業大臣
  • 国土交通大臣

本文

 改正児童福祉法が令和4年6月に成立し、児童養護施設や里親家庭で育った子供の自立支援に関して、原則18歳、最長でも22歳までであった対象年齢の制限が撤廃されることになった。令和6年4月の施行後は、年齢で一律に措置期間を区切るのではなく、対象となる子供が自立可能かどうかに着目し、継続的な支援が必要と判断された場合には、引き続き児童養護施設や里親家庭で暮らすことができることになった。
 しかし社会的養護下にある子供たちは、虐待など厳しい経験を持つ場合が多く、自己肯定感が低い傾向にあり、周囲に頼れる大人がいない状況で社会的な経験が乏しいまま自立し、経済面、精神面などの負担から、生活に困窮し孤立に陥る事例も少なくない。このような自立後のつまずきをなくすため、自立に向けた準備やその後の精神的ケアを含む支援の充実こそ重要である。
 また、社会的養護下にあった者は、困難な状況であっても自ら助けを求めることが苦手な場合も多く、支援の手が必要なところへ着実に届くよう配慮することが不可欠である。
 よって国においては、社会的養護下から自立する若者への支援について一層の充実を図るため、下記の事項を実施するよう強く要望する。

  1. 社会的養護下にある子供たちに対する、自立後の離職や退学を防ぐためのきめ細かな就職及び進学相談や、社会のルールやマナーを身につけるためのソーシャルスキルトレーニングなど、自立に向けた準備プログラムの充実を図ること。
  2. 自立支援コーディネーターについて、十分な人員の確保に努め、個々の若者に合わせた伴走型支援を実施すること。
  3. 自立後、安定的な生活基盤を築くことができるよう、公営住宅の優先入居の制度化など、住居支援の充実を図ること。
  4. 社会的養護下から自立した若者の雇用への理解促進を図るとともに、雇用する企業への支援策を講ずること。
  5. 自立援助ホームの運営を安定させ、職員体制の充実を図るため、職員の配置基準の見直しなどを行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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