県議会だより第122号(4) ピックアップ本会議（2）

安全・安心

「わたしの避難計画」の普及

Q.県民一人一人の避難行動の助けとなる「わたしの避難計画」の普及に向けた取り組みは。

A.地域の防災士等を「わたひな普及員」として養成し、地域の防災訓練等において県民の皆様の計画作成を支援していく。また、普及に継続的に取り組む市町に対して、自主防災組織の活動経費などへの補助率を引き上げ、財政支援する。さらに、学校現場との連携により家庭への普及を図るため、今年度から「ジュニア防災士養成講座」においても計画作成に取り組む。

用語解説：わたしの避難計画

身の回りの災害リスクに備えて、「どのタイミング」で「どこに」避難するか、あらかじめ整理するため、各自が作成。通称「わたひな」。

盛土条例施行後の状況と今後の対応

Q.条例施行1年経過後の現状認識と条例運用から派生した諸課題への対応は。

A.条例施行に合わせ設置した「盛り土110番」に寄せられた通報のうち不適切盛り土については、迅速な是正指導により直ちに土砂の搬入を停止させた。市町及び警察との連携を強化し悪質な事業者に対応することで大きな抑制効果を挙げている。運用面では、土壌分析調査の簡素化や県内8土木事務所への窓口設置など、条例の目的を損なうことなく、より円滑に施行できるよう運用の改善を図る。

教育

小中学校における働き方改革

Q.教員の長時間勤務解消に向けた業務改善方策は。

A.令和5年度から「業務改善『夢』コーディネーター」を全校に配置し、学校間で課題や手法を共有し、効果が高い改革手法は全県で展開する。また、県等からの文書の削減、クラウドを活用した文書の共有、生成AIやデジタル採点システムの導入等、教育DXによる働き方改革を加速する。さらに、市町や地域、保護者と連携し、学校・教員が担ってきた役割や業務の見直しを進め、県民理解を得るための発信等を行う。

用語解説：業務改善『夢』コーディネーター

各小中学校の業務改善を推進するコーディネーター。若手教員から選出され、持続可能な業務改善の実現を目指し、新しい視点や発想から業務改善に取り組むとともに、好事例の共有・啓発を行う。

不登校の子どもたちへの支援

Q.不登校の子どもたちの学びの場としてフリースクールへの支援を早急に検討すべきでは。

A.不登校者数が増える中、フリースクールの役割はますます重要となっており、公的な支援が必要である。民間施設への支援の制度設計を国へ働き掛けるとともに、県、市町、学識経験者、フリースクール等の関係者が協議する場を設け、フリースクールの授業料、利用者数等の実態や、児童生徒が直面する課題等を十分に把握し、令和6年度以降の支援策を検討していく。

文化・観光

SPACの評価と今後の在り方

Q.県立劇団SPACの県民認知度の受け止めと今後の在り方への考えは。

A.国際的評価は高いが、PR不足等により県民認知度は29.3％にとどまる。SPACを核に演劇を活性化して人材育成や観光活用等に取り組むとともに、今年度は東アジア文化都市2023静岡県の広報アンバサダーに起用し、知名度向上を図る。専用使用する舞台芸術公園でのイベント実施や園内ミュージアム開設による観光利用を進めるなど一般利用の可能性についても議論を深めていく。

スポーツコミッションの推進

Q.「スポーツコミッションShizuoka」の取り組みは。

A.4月の設立以降、地域のスポーツコミッションと連携し、大会・合宿誘致の広域的調整に取り組み、7月に福岡で開催される世界水泳選手権へ出場する海外チームの県内合宿等の誘致に成功した。今後、スポーツ施設はもとより、豊かな自然環境、交通アクセスなど本県の魅力を周知するHPを立ち上げるほか、首都圏等でのプロモーション活動を展開し、スポーツを通じた地域と経済の活性化を推進していく。

観光デジタル情報の利活用

Q.観光需要の回復に向けた観光データの利活用策は。

A.多様化する旅行者ニーズに対応するため、令和4年度に観光アプリTIPSを用いて位置情報等の旅行データを取得・分析し、結果を市町や観光事業者等に還元することで、市町等が提供するサービスや販売促進策を見直す契機となった。令和5年度はデータ活用が進んでいない市町に専門家を派遣し、旅行者の属性や周遊データ等を総合的に分析し、地域のマーケティング強化と戦略的誘客につなげる取り組みを支援する。

用語解説：観光アプリTIPS

県の公式観光アプリ。TIPS（ティップス）はTourism Information Platform of Shizuokaの略。県内の観光施設紹介や経路検索、プッシュ通知による情報発信のほか、旅行者の性別や年代区分に応じた嗜好等も把握できる。