海外からの“旬な“お便り/県民だより2023年3月号

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ページID1051599  更新日 2023年2月24日

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from 韓国 全州チョンジュ

静岡県が2023年開催都市に選定されている「東アジア文化都市」は、年間を通じてさまざまな文化プログラムを実施し、日本・中国・韓国の3カの都市が協力してお互いの文化への理解を深めながら、東アジアの文化を世界に発信していく催しです。
東アジア文化都市2023静岡県のホームページが完成しました! ホームページはこちら
2月上旬に訪問した韓国の「東アジア文化都市」である全州チョンジュ市のさまざまな見所の中から、今回は、魅力的な「食」についてご紹介します。

差出人

太田 郁おおた  かおり さん
県地域外交課主任/富士市出身


▲伝統的な家屋が建ち並ぶ全州韓屋村にて

全州~「食の都」の魅力~

州市は、朝鮮王朝時代に建てられた建物や伝統的な家屋が連なる町並み、韓紙などの伝統工芸が残る歴史の町で、なんと、コロナ禍前には年間1,000万人の観光客が訪れたそう!
 ソウルから全州へはKTX(韓国高速鉄道)で南へ1時間30分、東京-浜松間くらいの距離で、気軽に遊びに行くことができることから、韓国の若者にも人気が高い都市です。
 また、2012年にユネスコ食文化創造都市に選定されており、韓国の歴史の中で培われた独自の食文化が今も残っています。

本場の味:全州ビビンバ

ずご紹介するのは、全州を代表するグルメ「全州ビビンバ」。ビビンバは「混ぜるご飯」という意味で、韓国全土で食べられている料理ですが、全州のものが特に有名です。
 全州ビビンバには豆もやし(コンナムル)やズッキーニ、わらびなど、全州の名産品が使われています。見慣れない四角く黄色い食材は「ファンポムク」といい、緑豆のでんぷんを寒天で固めてクチナシで色づけしたもので、わらびもちのような食感です。
 好みに応じて辛さを調節して食べることができ、名前のとおりよく混ぜて食べると、ぞれぞれの食材に味がしっかりからみ、とてもおいしかったです。



▲2011年にミシュランガイドで紹介された「韓国家ハングクチプ」の全州ビビンバ

州ビビンバを食べられるお店は市内にいくつかありますが、地元のガイドさんによると、どのお店でも韓国を表す5色(青、赤、黄、白、黒)の食材が使われています。この5色には、それぞれ方角も当てられており(青:東、赤:南、黄:中央、白:西、黒:北)、上から見たときに方角に合わせた色の配置になっているのが正式なんだとか。
 この韓国を表す5色の話を聞いたとき、私は日本のお寺で見かける5色の布を思い出しました。日本・韓国のこの5色の色遣いは、古代中国の陰陽五行説の影響を受けており、日本も韓国も共通した文化の影響を受けながら、それぞれの文化を発展させてきたのだな、と感じられた体験でした。全州ビビンバを召し上がる際には、ぜひ、使われている食材の色を気にしてみてください。

▲ネギチヂミとさまざまなおかず、韓国式の味噌汁

にも、ネギを使ったチヂミや韓国式の味噌汁など、食べきれないくらいのごちそうが食卓に並びました。韓国では、メイン料理を頼むと小皿のキムチやナムルなどおかずが付くのが一般的で、お好みでメイン料理におかずをトッピングしたり混ぜたりして、味に変化を付けながら食べることができます。

お腹に優しい朝食:コンナムルクッパ

ぎにご紹介するのは、「コンナムル(豆もやし)クッパ」。全州は豆もやしの生産地として有名で、市内のいたるところに豆もやしクッパ専門店があり、市場の中にあるお店は24時間または朝早くから営業しています。
 このクッパには独特の食べ方があり、まず、黄身が半熟状態の落とし卵にスープを入れ、お好みで韓国海苔を加えて卵を崩して食べ、その後、海苔や卵と一緒に豆もやしを食べたり、ご飯が入ったスープをそのまま食べたりします。スープの辛さは調節でき、辛くない味付けを頼んだのですが、あっさりしたスープにニンニクが利いており、身体の芯から温まりました。途中で、一緒に付いてくるキムチや小エビと青唐辛子、大根の醤油漬けなどの薬味をスープに加えて、変化を楽しむこともできます。
 韓国では、胃を休めるためにお酒を飲んだ後のシメや翌日の朝食として、こうしたスープを食べるのが定番だそうです。

▲卵にスープをかけて崩しながら食べる、コンナムルクッパ

全州の朝の風景

て、市場で朝ごはんを食べたら、腹ごなしに少し散歩はいかがでしょうか。
コンナムルクッパのお店がある南部市場から5分ほど歩くと、市内を流れる全州川のそばに出ますが、この川べりでは毎朝、地元の方々に愛される朝市「トケビ市場」が開かれています。トケビは「鬼」という意味で、鬼火のように早朝に突然現れて、朝8時には店じまいしてしまう、というところから付いた名前だそうです。
地元で採れた野菜や果物、乾燥させた人参やきのこ、冷凍の鱈や太刀魚、イカなどの魚介類など色々な商品が販売され、中には韓国風おでんなどの軽食を出しているお店もあります。
季節ごと、地元の人々の食卓に上る旬な食材を見て、その生活に触れることができるので、ぜひ、足を運んでみてください。

▲川べりで開催されるトケビ市場

▲地元で採れた新鮮な食材が並ぶ

静岡から全州へ

州には他にも、紹介しきれていない食文化や、伝統的な家屋が連なる町並みを再現した「韓屋村」など、魅力的な観光資源がたくさんありました。
 伝統衣装の「韓服」を着て、多くの若者が風情のある建物を背景に写真撮影を楽しむ様子や、屋台グルメを堪能する人々で賑わう夜市、お酒を飲みながら地元の人・観光客が集まり、語らう様子などを、ぜひ現地で見て・食べて・体験していただきたいです。日本と韓国の文化の共通点や違いを探しながら旅をすれば、日韓両方の文化について、より興味が湧くのではないでしょうか。
 令和5年3月26日(日)から、コロナ禍で運休していた富士山静岡空港の静岡-ソウル間の国際線定期便が週3往復の運航を再開し、静岡から韓国への旅行がより便利で身近になります。
 韓国には一度も行ったことがないという方も、何度も行ったことがあるというリピーターの方も、ぜひ、富士山静岡空港を使って韓国・ソウルに行く際は、少し足を伸ばして、全州を訪問してみてください!

▲古い町並みを再現した街中を、伝統衣装「韓服」を着て歩く観光客
◆全州市の観光・グルメ情報 
VISIT JEONJU(全州市観光ポータルサイト)

◆富士山静岡空港(静岡-ソウル便)のツアー情報
富士山静岡空港サポーターズクラブ

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