実践NOTE576 「事務職員の校務運営参画試行」
「事務職員の校務運営参画試行」
静岡県立静岡西高等学校 主査 首藤 貴光
はじめに
静岡県立学校では、令和8年度から総務事務の集中化を全校で実施する予定です。総務事務の集中化とは、これまで学校事務室が担当してきた給与や旅費計算等の事務を、県庁に設置される総務事務を一元的に担う組織が行うことです。これにより、事務職員の負担を軽減し、教員が従来担っていた業務の一部を事務職員が教員と協働して実施する「校務運営参画」が求められています。本校はこの取り組みを先行するモデル校として、令和7年度から試行を実施しています。
事務職員が教員と協働して担当する業務の整理
試行の実施に向けて、令和6年度中に事務職員が教員と協働し担当する業務を整理しました。その結果、本校では次の業務を事務職員が教員と協働して担うこととしました。学年会計、スポーツコース会計、生徒会会計、進路関係書類の整理、遺失物等の管理、生徒身分証明書の発行、校内のNES端末管理、生徒会誌等の発注物の業者選定・支払い等、放課後の図書館開館などです。
校務運営に参画してみて
令和7年4月1日。早速校内のNES端末管理担当として、新任職員のNES端末初期設定に対応しました。現在は、来年度入学生の1人1台端末導入仕様書の作成や、生徒会会計の日常的な処理を行っています。生徒会会計では昨年度、予算を超過する支出があったとの課題を受け、再発防止のため出納簿を改修しました。具体的には、支出調書に予算残額を自動的に表示させるようにしたもので、事務職員ならではの視点で業務の改善を実現した事例です。また、探究の授業では「教職員のこだわり」をテーマに講話を行い、学校事務職員でありながら初めて教壇に立つという貴重な経験をさせていただきました。
おわりに
本校では、校務運営への参画について、一定の方向性と成果が見え始めています。教員からは、「会計処理の負担が軽減され、現金を扱う機会も減ったことで精神的に楽になった」「教員だけでは手が足りない場面で、事務職員を頼れると実感した」等の声が寄せられています。一方で、総務事務の集中化に関しては課題が残っており、集中化組織への給与関係書類の提出が遅延、あるいは未提出となる教員が多数発生しました。この状況を踏まえ、来年度の円滑な運用開始に向けて、体制整備と基盤づくりを急ぐ必要があると強く感じています。
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