実践NOTE577 「特別支援学級での授業の組み立て方」

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ページID1078242  更新日 2025年11月28日

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「特別支援学級での授業の組み立て方」

伊豆の国市立韮山小学校 教諭 山崎 善雄

「特別支援学級の授業って、どうすればいいの?」

写真:かけ算の意味を説明
かけ算の意味を説明

 以前は特別支援学級の担任といえば、教員経験をある程度積まれた方がされているイメージでしたが、最近は若い方も増えてきています。そんな先生方から、「個人差の大きい知的学級で、どんな教材を選んだり、どこまで教えたりしたらいいのだろうか」「情緒学級は相当学年の内容を教える必要があるけれど、人数が多いとそれぞれの特性で予定通りに進まない」などの声を聞くことがあります。以下は、私が特別支援学級の担任をしてきて気を付けてきたことの一部です。

知的学級は児童理解から

写真:穴埋め式のワークシートと同じものを黒板に貼って説明
穴埋め式のワークシートと同じものを黒板に貼って説明

 知的学級で新しいことを学習するとき、その領域に関する前の段階をどの程度まで習得できているのかの把握が大切になります。例えば、二等辺三角形を学習するときは、「2本の辺の長さが同じということが理解できているか」「辺、頂点という用語を理解しているか」「三角形が3本の直線で囲まれた形だということを理解しているか」「直線がどんな線か理解しているか」「三角形と他の図形とが弁別できるか」などの細かい要素の習得が前提になります。習得できていない要素があった場合、そこまで戻って復習しながら、学習を繰り返していきます。

情緒学級はエッセンス

写真:どれくらいで課題を終わらせるのか、学習の見通しを意識する
どれくらいで課題を終わらせるのか、
学習の見通しを意識する

 情緒学級には様々な特性の子がいますが、集中できる時間が短いことが多いです(逆に過集中の子もいますが)。そこで、絶対に落としてはいけない部分はどこか、1時間の授業の中でどう緩急をつけるか、といった単元のエッセンスについて教材研究をします。また、初めに習った解法にこだわり、先の単元でその解法が通用しない問題に出会っても別の解法を使えないことがあります。その時点で問題を解くのに便利だからと、安易な解法を選ばず、先の学習内容についての教材研究が大事になります。

道徳は普段の生活とリンクして

写真:たくさん意見の出る道徳
たくさん意見の出る道徳

 「特別支援学級で、どうやって道徳を進めたらいいのか難しい」という悩みは、知的学級・情緒学級のどちらの担任からも毎年聞かれます。私も何度やっても、国語的になってしまったり、単に規範を教えることが中心になってしまったりすることがあります。日常生活や授業で困難な場面に会うことの多い子たちです。その子たちが、学年差や経験差、特性の差などがありながらも、みんなで意見や気持ちを持ち寄り、少しでも自分の力で生活しやすくなる手掛かりになればという思いで資料を選び、授業をしています。

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