避難場所と避難所の違い

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ページID1030202  更新日 2023年1月11日

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避難場所と避難所の違いが分かりますか?
意味も違えば、避難するタイミングや行動ももちろん違います。正しい知識を身につけましょう。

「大津波警報が発表されたから『避難所』へ行く」、「避難勧告や避難指示が出たら『避難所』に行く」…これらの表現は正しくありません。
津浪から身を守るために避難するところや避難指示が発令された時に避難するところは、『避難場所』です。
しかし、多くの学校などでは、運動場が「避難場所」に、体育館などが「避難所」にそれぞれ指定されているところが多いため、避難場所と避難所を混同している方も多いかもしれません。
では、「避難場所」と「避難所」は、どう違うのでしょうか。

イラスト:避難地と避難所

「避難場所」とは

災害が発生した時に緊急に命を守るために、あるいは災害の発生が危惧される時に事前に避難し命を守る場所です。たとえば、地震が発生し、津波から命を守るために緊急に避難する津波避難タワーや、土砂災害や火災から身を守るために避難する学校の校庭などが避難場所です。

避難場所は、災害対策基本法では、「緊急避難場所」とされていますが、単に「避難場所」または「避難地」とも呼ばれています。避難場所は、災害の種類ごとに被害が及ばない場所が指定されていて、市町が指定した場所を指定緊急避難場所といいます。
また、市町が指定した指定緊急避難場所の他に自主防災組織などが決めた避難場所もあります。また、大雨時の緊急避難場所は、室内が避難場所として指定されますが、緊急避難場所は原則屋外が避難場所となります。
ただし、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表された時の事前避難は、1週間程度の事前避難生活が必要と考えられているため、耐震性があり災害リスクの低い建物の屋内を避難場所として指定できることになっています。

「避難所」とは

被災後に自宅を失った人、自宅に戻れない人が一時的に共同生活を送る場所です。このため、避難所は災害発生後に開設され、建物の屋内があてられます。
市町が指定している指定避難所の他に、自主防災組織などが安全な場所に設置する避難所、あるいは親戚や知人宅で避難生活を送る縁故避難などもあります。

「事前避難」の原則は屋外

なぜ「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表された時の事前避難場所に屋内を指定することがありますが、原則は屋外での避難生活となります。
巨大地震から身を守るための事前避難ですから、地震が発生しても被害を受けないことが条件です。すなわち、もし屋内を使用するのであれば、建物の耐震性が確保されているだけではなく、家具類の固定や内壁や天井、照明、音響設備などが落下してこないことが必要になります。
こうした落下危険物は安全性の確認が難しいため、最も安全な方法として、原則として屋外でのテントや車中泊による避難生活を原則としています。

「避難所」は原則屋内

一方、「避難所」は、災害で自宅を失った人、自宅に戻れない人が一時的に生活する場所ですから、基本的には被災者全てに屋内が提供されるものです。
雨露をしのぐのが目的の「住まい」ですから屋内が当然なのですが、避難所に予定した建物が被災してしまったり、家屋を失った被災世帯の数が多数にのぼった場合、ただちに全員が既存の建物に入所できる保証はありません。仮設住宅ができるまでのしばらくの間、避難場所でテント生活をせざるをえないことも考えられます。
避難所では、市町と自主防災組織及び施設の管理者が話し合って、避難者用エリアをあらかじめ定めています。これは余震などによる危険を避けるためと、避難所の運営に必要なスペースの確保、早期の学校教育再開のために必要なスペースの確保などのためです。
「どこでもいいから入り込んでしまおう」、というのはいけません。
また、自主防災組織ごとに区割りを決めている場合もあります。複数の地区(自主防災組織)が寄り集まる共同生活ですから、円滑な運営のためには必要なことです。

「早く避難所に行って良い場所を確保しよう」などと考えてはいけません。避難所運営のルールに従って行動することが必要です。

よく、風水害から命を守るために人々が体育館や公民館などに避難している姿をテレビニュースなどで見かけることがありますが、災害の種類によって避難場所が異なることを理解のうえ、各市町の指定避難所の状況を事前に確認しておいてください。

このページに関するお問い合わせ

危機管理部危機情報課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
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