第16回伊豆文学賞 入賞作品決定
文学のふるさと伊豆・東部をはじめ静岡県内を題材とする文学作品を公募した第16回伊豆文学賞の入賞作品が次のとおり決定しました。
表彰式は3月3日(日曜)に、に伊豆市湯ヶ島の天城会館ホールでの「伊豆文学フェスティバル」として開催します。表彰式の後には、「伊豆文学塾」を併せて行います。内容は、伊豆文学賞の審査員を務める作家の村松 友視 さん、 嵐山 光三郎 さん、太田 治子 さんによる文学座談会です。
フェスティバルの当日には、伊豆市の主催による関連イベント「伊豆文学散歩」も行われます。
(「伊豆文学フェスティバル」の案内は次のリンクをご覧ください)
1 審査結果
入賞作品のあらすじは「7 入賞作品のあらすじ」のリンクをご覧ください。
(1)小説・随筆・紀行文部門
| 賞 | 作品名 | 部門 | 氏名 | 居住地 | 
|---|---|---|---|---|
| 最優秀賞 | ばあば新茶(しんちゃ)マラソンをとぶ | 小説 | 鴻野(こうの) 元希(もとき) | 静岡県掛川市 | 
| 優秀賞 | 十一月(じゅういちがつ)の夏(なつ)みかん | 小説 | 岩本(いわもと) 和博(かずひろ) | 東京都日野市 | 
| 佳作 | うみしみ | 小説 | 風霧(かざきり)みぞれ(筆名) | 静岡県浜松市南区 | 
| 佳作 | 「与平(よへい)の日記(にっき)」を歩(ある)く | 紀行文 | 斎藤(さいとう) 久(ひさし) | 静岡県富士市 | 
(2)メッセージ部門
| 賞 | 作品名(部門) | 氏名 | 居住地 | 
|---|---|---|---|
| 最優秀賞 | 浜名湖一周の旅 | 増田(ますだ) 瑞穂(みずほ) | 静岡県湖西市 | 
| 優秀賞 | 藤枝大祭 | 海野(うんの) 葵(あおい) | 静岡県藤枝市 | 
| 優秀賞 | 天城峠 | 志賀(しが) 幸一(こういち) | 静岡県浜松市中区 | 
| 優秀賞 | 伊豆は巨樹王国 | 川村(かわむら) 均(ひとし) | 神奈川県横浜市 | 
| 優秀賞 | 湖西焼き物考 | 宮司(みやじ) 孝男(たかお) | 静岡県湖西市 | 
| 優秀賞 | やがて静かに海は終わる | 清水(しみず) きよし(筆名) | 静岡県湖西市 | 
メッセージ特別賞
学校奨励賞
- 学校名:静岡県立御殿場高等学校
 - 内容:応募多数
 
2 最優秀賞受賞者のコメント
(1)小説・随筆・紀行文部門 小説「ばあば新茶マラソンをとぶ」 鴻野 元希
受賞の知らせを聞いて
とても嬉しく思います。前回、優秀賞だったのでチャレンジし続けてきました。今回、良いめぐり会いと良い題材が得られてラッキーでした。諦めず、コツコツ書き続けてきた甲斐がありました。
伊豆文学賞応募の動機や静岡県とのかかわり
経済優先の世の中で、文化的なものに目を向け、それを育もうとしている、静岡県の文化行政に心から感動しています。そうした政策に少しでも関わることができればと、勇を鼓して、拙い小説を毎年応募しています。
作品にこめた思い
マラソンを人生に準えることはよくあります。自分も市民ランナーとしてレースを楽しんでいます。その中で出会った一人の女性ランナー(現在76歳)の生き方をヒントに、走ることの楽しさや苦しさをその人生とオーバーラップさせて書いてみました。
(2)メッセージ部門 「浜名湖一周の旅」 増田 瑞穂
受賞の知らせを聞いて
嬉しくて感動しました。いつも暮らしていて、身近な存在である浜名湖を題材に書いてみました。父が亡くなったことを活字に残しておこうと思い、この作品を書きましたが、最優秀賞を受賞できて、本当に良かったです。
伊豆文学賞応募の動機や静岡県とのかかわり
昨年は、「湖西連峰の山寺跡」で優秀賞をいただきました。今年も、自分の生活の身近なところにある場所を題材に、書こうと思いました。生まれてからずっと、静岡県西部でくらしています。
作品にこめた思い
幼い頃、果たせなかった浜名湖一周の夢の実現と、亡き父が愛してやまなかった浜名湖の魅力を知るために、自転車で旅をしました。車で通過してしまうのではなく、自転車だったからこそ、判ることがありました。
3 最優秀賞作品についての審査員コメント
(1)小説・随筆・紀行文部門
今回は、ディテールの書き方などに魅力の多い作品が集まった。一見軽妙ながら、汲みとるものがある作品が上位に入ったことはいい傾向である。少し昔の時代や、歴史の中のある一部分に焦点を当てて、自分の経験が通じる範囲で書くことで作品として成立し、読む者の共感を呼ぶ作品が選ばれた。
最優秀賞の「ばあば新茶マラソンをとぶ」について、マラソンを人生にたとえる作品は多いが、ありきたりな展開でないところがいい。主人公の心と身体のありようが見事に一致して描かれ、孫娘とのやり取りも現実性がある。単なるハッピーエンドでなくて感激させる構成力があり、そのままでドラマにもなる作品である。
(2)メッセージ部門
メッセージ部門3回目の審査となり、この部門の作品として落ち着いた文章が多くなったと感じた。文章が短い入門編としてはいるが、文章力と、テーマに対するこだわり、そこにメッセージ力を加える必要がある。決して簡単ではないが、入賞した作品は、その力を持っていた。
最優秀賞の「浜名湖一周の旅」は、サイクリングを一緒にしているように臨場感が豊かで、景色が浮かぶところが多い。家族で出かけただけの話ではなく、リアリティーを感じさせてくれる。
4 審査員
(1)小説・随筆・紀行文部門
三木 卓(第69回芥川賞、日本芸術院会員)
村松 友視(第87回直木賞)
嵐山 光三郎(第58回読売文学賞)
太田 治子(第1回坪田譲治文学賞)
(2)メッセージ部門
村松 友視(第87回直木賞)
清水 眞砂子(翻訳者・児童文学評論家)
中村 直美(株式会社交通新聞社第1出版事業部編集部長)
5 賞
(1)小説・随筆・紀行文部門
- 最優秀賞 賞金 100万円
 - 優秀賞 賞金 20万円
 - 佳作 賞金 5万円
 
(2)メッセージ部門
- 最優秀賞 賞金 5万円
 - 優秀賞 賞金 1万円
 
6 募集結果
(1)応募総数
475編
(小説204編、随筆37編、紀行文14編、メッセージ220編)
(2)年代別応募数
| 年代 | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 80代 | 不詳 | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 小説等 | 
 6  | 
 6  | 
 16  | 
 27  | 
 68  | 
 80  | 
 40  | 
 10  | 
 2  | 
| メッセージ | 
 178  | 
 2  | 
 4  | 
 6  | 
 7  | 
 16  | 
 6  | 
 1  | 
 0  | 
| 計 | 
 184  | 
 8  | 
 20  | 
 33  | 
 75  | 
 96  | 
 46  | 
 11  | 
 2  | 
(3)居住地別応募数
| 居住地 | 静岡県 | 東京都 | 神奈川県 | 埼玉県 | 愛知県 | その他 | 海外 | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 小説等 | 
 127  | 
 31  | 
 30  | 
 10  | 
 5  | 
 49  | 
 3  | 
| メッセージ | 
 205  | 
 2  | 
 5  | 
 2  | 
 0  | 
 6  | 
 0  | 
| 計 | 
 332  | 
 33  | 
 35  | 
 12  | 
 5  | 
 55  | 
 3  | 
7 入賞作品のあらすじ
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